この記事では、「関節リウマチの骨破壊の程度を示す指標」として、以下について記載している。
- スタインブロッカーのステージ分類(Steinbrocker stage)
- ラーセンのグレード分類(Larsen grade)
スタインブロッカーステージ分類・ラーセングレード分類共に、医師が画像診断を行う上で用いる評価指標であり、どちらを用いるかは医師によって異なる。どちらの指標がカルテに記載されていても、理解できるようにしておこう。
スタインブロッカーのステージ分類
『スタインブロッカーのステージ分類(Steinbrocker stage)』の特徴を表にしたものが以下となる。
n
Stage (病期) |
骨・軟骨 | 関節 | 筋萎縮 |
関節外軟骨病変 (結節や腱鞘炎など) |
||
骨粗鬆症 | 破壊 | 変形 | 強直 | |||
Ⅰ(初期) |
-~+ 軽度 |
- | - | - | - | - |
Ⅱ(中期) | + |
-~+ 軽度 |
-~+ | |||
Ⅲ(高度進行期) | + | + |
+ 亜脱臼,尺側変位,過伸展など |
+強度 | -~+ | |
Ⅳ(末期) | + | + |
+ 亜脱臼,尺側変位,過伸展など |
+ 線維性or骨性強直 |
+強度 | -~+ |
上記を文章化すると以下になる。
stageⅠ |
1.X線学的に骨破壊像はない。 2.X線学的骨粗鬆症はあってもよい。 |
stagenⅡ |
1.X線学的に軽度の軟骨下骨の破壊を伴う、あるいは伴わない骨粗鬆症がある。軽度の軟骨破壊はあってもよい。 2.関節運動は制限されていてもよいが関節変形はない。 3.関節周辺の筋萎縮がある。 4.結節および腱鞘炎のごとき関節外軟部組織の病変はあってもよい。 |
stagenⅢ |
1.骨粗鬆症の他にX線学的に軟骨および骨の破壊がある。 2.亜脱臼、尺側偏位、あるいは過伸展のような関節変形がある。線維性または骨性強直を伴わない。 |
stageⅣ |
1.線維性あるいは骨性強直がある。 2.それ以外はstageⅢの基準を満たす。 |
スタインブロッカーステージの特徴をメチャクチャザックリとした表にしたら以下となる。
骨粗鬆症 | ROM制限 | 筋萎縮 | 骨破壊 | 変形 | 強直 | |
StageⅠ | 〇 | 〇 | ||||
StageⅡ | 〇 | 〇 | 〇 | (軟骨) | ||
StageⅢ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
StageⅣ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
ラーセンのグレード分類
『ラーセンのグレード分類(Larsen grade)』は以下の通り。
- 0:正常
- Ⅰ:軽度の破壊
- Ⅱ:初期変化
- Ⅲ:中等度の破壊
- Ⅳ:高度の破壊
- Ⅴ:ムチンランス変形
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