一般的に、自分自身に悪い事象が生じた際は、その原因を外的帰属と解釈し易い傾向があるとされてる。
他方で、『抑うつ傾向』や『ネガティブ思考』な場合は、原因を極端に内側(自分自身)に向けてしまう傾向にあるとされている。
また、うつ病が発症してしまう要素として挙げられている『真面目』『責任感が強い』などの性格を有した人も同様に、内的帰属に解釈してしまいやすい傾向にあるとされている。
その様な場合は、患者さんの抱えている問題を解決しようと試行錯誤しても全く結果が出せない場合、「結果が出ないのは自分に原因があるせいだ(知識・技術・努力の不足など)」と考えてしまうかもしれない。
結果が出ないことの原因が自身にあるという考えは、向上心につながり、成長には欠かせない要素といえる。
また、問題解決する際に「上司が無能だからだ」であったり「リハビリ機器が充実していないからだ」などと外部要因への不平不満ばかりを持っていても、何も解決しないことが多いのも事実である。
その意味で、原因を内的帰属に解釈し、この問題に対して自分が影響を与えられる点にのみ集中して思考することは非常に重要なことと言える。
ただし、何事もバランスが大切で、度の越えた帰属のバイアスは心身に弊害をもたらす。
全ての原因を内的帰属に解釈するという極端なバイアスは、無力感、自責の念にさいなまれるなどのネガティブシンキングにつながり、抑うつ傾向になったり、最悪この仕事を辞めてしまったりにもつながるかもしれない。
外部要因にばかり責任転嫁をしていたら成長は望めないが、だからといって自分を責めすぎないように、バランスをとることが大切だ。