この記事は、鎮痛に関与する薬剤のリストとなる。

 

この記事から興味のある薬剤をクリックすることで、その記事にジャンプできる。

 

理学療法士は投薬が出来るわけがないので、一見すると薬について学習するメリットが分からないかもしれない。

 

かくいう私も、クライアントが服用している薬がある場合は、その薬剤の作用副作用を軽くチェックする程度の表面的な活用しかしていなかった。

 

しかし、現在は以下のようなメリットを感じおり、クライアントを評価する一つの材料としても用いるように励んでいる。

 

  • 処方されている薬剤によって、クライアントの病状に対する医師の解釈が分かる。
  • 薬剤による鎮痛機序を理解することで、疼痛機序に関する理解も深まる。

 

スポンサーリンク

 

ここでは、それぞれの薬剤がどこへ作用するかで分類しているので、痛み理解し易いと思う。

 

以下の表を見てもらえれば分かると思うが、鎮痛薬とひとくくりに表現されていても、どこへの作用を狙っているかは異なっていたりする。

 

※画像引用:ペインリハビリテーション

 

これは、言い換えるなら様々なところに痛みを増強している因子が潜んでいるということの裏返しともいえる。

 

この点を、薬剤という立場から辿っていくのも、痛みの理解を深める上で面白いのではと考えている。

 

①侵害受容器の興奮を抑える薬剤

 

分類

ブログ記事(+補足の記事)

非ステロイド性抗炎症薬

NSAIDs

 NSAIDs:世界で最も売れている鎮痛薬

ステロイド性抗炎症薬

 ステロイド薬:超強力な作用だが副作用もある両刃の剣

 

 

②脊髄に作用する薬剤

 

分類

ブログ記事(+補足の記事)

NMDA受容体拮抗薬

脊髄に作用

NMDA受容体拮抗薬

Ca2+チャネルブロッカー

脊髄に作用

Ca2+チャネルブロッカー:神経障害性疼痛の第一選択薬

抗てんかん薬

脊髄へ作用

※関連記事は「Ca2+チャネルブロッカー」の項目を参照

アドレナリンα受容体作動薬

脊髄と脳の両方に作用

アドレナリンα受容体作動薬:α受容体は鎮痛にも感作にも繋がる要素

関連記事⇒『HP痛みを増幅してしまう末梢神経感作とは?

抗うつ薬:三環系抗うつ薬

抗うつ薬:SSRI

抗うつ薬:SNRI

脊髄と脳の両方に作用

慢性痛に対する「抗うつ薬」・「抗不安薬」の活用

抗不安薬

脳に作用

※関連記事は「抗うつ薬」の項目を参照

 

 

③:①と②(+α)に作用する薬剤

 

分類

ブログ記事(+補足の記事)

オピオイド系鎮痛薬

侵害受容器の抑制、脊髄と脳に作用

最強の鎮痛薬:オピオイド系鎮痛薬について

関連記事⇒『内因性オピオイド』も参照

Na+チャネルブロッカー

侵害受容器の抑制、脊髄と脳に作用

また、一次侵害受容ニューロンの興奮伝導の抑制にも作用

Na+チャネルブロッカー:多様な部位に作用する薬剤!

 

その他の薬剤:⇒『ノイトロピン:機序は不明だが効果が認められる薬剤

 

 

~関連記事~

 

以下の記事を合わせて読むと理解が深まると思う。

中枢感作とは?脊髄後角で起こること

HP:感作(中枢性感作・末梢性感作)や脳の可塑的変化

 

 

~オススメ書籍~

 

この表の構成は「書籍:ペインリハビリテーション」を参考にしている。

痛みについて包括的に学べる内容となっているためおススメである。

ブログの記事も併用して、クライアントの用いている薬剤と照らし合わせてみることで、様々な痛み情報と関連付けが出来るようになると思う。

 

 

痛みを理解するための厳選記事を紹介

 

痛みの理解を助ける記事を厳選したので、合わせて観覧してみてほしい。

 

必見!痛みの対処法を動画で理解(読書療法も紹介するよ)

 

忘れてない?感覚刺激は情動も伴ったて認知されるってことを。。。

 

『痛みの恐怖-回避思考モデル』による悪循環に陥ってしまうと大変だよ!

 

アロディニアは痛覚過敏と異なることを理解しよう