運動は、様々な病気を予防し、寿命を延ばすことが分かっている。
しかし、「運動」と一概に言っても、運動の内容によっては寿命を延ばすものと、延ばさない運動があることも知っておかなければならない。
今回は、そんな「健康寿命」と「運動(有酸素運動・無酸素運動)」について記載していく。
有酸素運動と無酸素運動
運動には大きく分けて以下の2つが存在する。
1.有酸素運動
2.無酸素運動
有酸素運動とは、ウォーキング、ジョギング、エアロビクスなど、酸素を沢山取り入れて脂肪を燃焼させる運動を指す。
一方で、無酸素運動とは短距離走や重量挙げなど瞬発力を必要とする運動を指す。
有酸素運動と無酸素運動を、水泳を例に解説すると以下の様になる。
水泳の100m競争のように激しいものは、瞬発的な力が要求されるため無酸素運動に該当。
自由気ままにノンビリと10分くらいかけて泳ぐのは有酸素運動に該当する。
つまり、有酸素運動とは「(マイペースでのんびりと)長時間実施し続けることができる運動」と表現できるかもしれない。
もっと厳密な有酸素運動の条件は以下になる。
- 呼吸の乱れや「いきみ」がない運動
- 一定のリズムで運動が続けられること
- 局所運動ではなく全身運動であること
- 運動量を自由に調節できること
- 安全であること
有酸素・無酸素運動が身体へ与える影響の違い
有酸素運動と無酸素運動では、体に与える影響が大きく異なり、それぞれに期待できる効果は以下の通り。
有酸素運動で期待できる効果
- 持久力の向上
- 体脂肪の減少(肥満の解消)
- 心肺機能の向上
- 血圧の低下
- 耐糖能の改善(インスリンが効きにくくなるのを改善)
- HDLコレステロール(いわゆる善玉コレステロール)の増加
- 血小板凝固集能の低下(これが低下すると、血の塊、つまり血栓ができにくくなる)
- 免疫機能の強化
- 睡眠の改善
- 前頭前野の活性化(思考がクリアになる)
- 寿命の延長
・・・・・・・・・・・・・・・・などなど
無酸素運動で期待できる効果
- 筋肉の肥大
- 瞬発力の向上
- 反応するまでの時間の短縮
・・・・・・・・・・・・・などなど
有酸素運動 vs 無酸素運動 健康寿命を延ばすのはどっち?!
前述した有酸素運動・無酸素運動で期待できる効果を比較してみると、私たちが病気を予防し寿命をのばすのに必要な運動は、(どちらかというと)有酸素運動ということになる。
一方、無酸素運動で得られる能力はスポーツ選手に必要になる。つまり、無酸素運動は決して寿命が伸びることはなく、むしろ寿命が縮む可能性もあったりする。
例えば、プロのスポーツ選手が寿命が長いといった報告は無い。
また、一生のうちの心拍数は決まっているとされている。この理屈からいえば、(無酸素運動を主としたスポーツのみならず、長距離マラソンなどの有酸素運動も含めて)心臓を酷使し過ぎるプロスポーツ選手は、心疾患を有し易い可能性があるかもしれない。
その他のポイントとしては、適度な有酸素運動を生涯にわたって継続していくことが健康のためには大切ということが挙げられる。
例えば『大学在学中にスポーツに参加していた競技者と、そうでない人の死亡年齢には差がなく、大学在学中のスポーツ活動よりも、その後の生活習慣の方が、寿命に与える影響が多い可能性がある』とする文献も存在しているようである。
生涯にわたって継続していく運動は、今まで述べてきたように強い強度でなくともかまわない。
強い運動をした後は遅発性筋痛として炎症が生じる可能性があるが、低~中等度の運動では、運動の持つ炎症抑制効果が発揮される。
継続できる有酸素運動を実施して、健康寿命を延ばしていこう!
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つまりは、厳密に言えば、有酸素運動・無酸素運動、どちらもバランスよく取り入れるのが良いのかもしれない。
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