この記事では、筋力向上のポイントを「筋肥大」にフォーカスを当てて記載していく。

 

一方で、筋力向上は「筋肥大のみ」を指しておらず、その他の要素を含めた厳密な「筋力向上」に関しては以下の記事も併せて読んでいただきたい。

関連記事⇒『高齢者の筋力向上

 

筋力トレーニングの原則

 

筋肥大について記載する前に、一般的に言われている筋力トレーニングの原則を記載していく。

 

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過負荷(オーバーロード)の原則

「普段の日常生活動作よりお大きな負荷をかけていくことで、求めている体力・筋力を段階的に増加させることが可能」という原則。

 

 

漸進性の原則

「トレーニング継続中、強度・量は少しずつ増加させていくべき」という原則。

「段階的」を守ることは、トレーニング中の怪我や傷害を予防する意味でも重要。

 

 

反復の原則

何度も繰り返して行うことで「神経・筋協調プログラム」が構築される。

そして、「漸進性の原則」と組み合わせて実施していくことで、少しずつ「繰り返し実施している運動に必要な要素」が向上してくる。

ただし、単に反復すれば良いという訳ではなく、(後述する)「超回復」に必要な休息も間に挟む必要がある。

 

全面性の原則

一つの特定部分にターゲットを絞ってトレーニングをするだけでなく、それを支えるだけの全体的な筋力・基礎体力も併せてトレーニングしていくことが大切である。

これを怠ると、(特に普段運動をしていない人は)怪我につながったり、非効率的なトレーニングになったり、効果が一時的なものとなったりする可能性がある。

 

可逆性の原則

筋力トレーニングによって得られた効果は(それと同等な負荷を与え続けなければ)持続しない。

従って、トレーニングを中断すると「元の状態」に戻ってしまう。

※ただし、方法によっては「元の状態」に戻ってしまうのを非常に緩やかにすることは可能。

※まぁ一番良いのは、「理想的な状態」となった後は、その状態を維持するためのトレーニングに切り替えて、継続する事である。

 

 

筋肥大を起こすためのポイント

 

筋肥大を起こすためには、筋力トレーニングの「強度」・「頻度」・「継続時間」が重要となってくる。

 

当然、それらは個人によって異なるが、基本的な考えは同じであり、以下の点がポイントとなる。

 

基準の1RMを知る

 

人それぞれ、年齢も違えば性別も違う。

また、同じ年齢であったとしても、体力・体格などでトレーニング可能な負荷は大きく変わってしまう。

 

従って、まずは自分の「最大筋力(1回しか反復することのできない重さ)を把握しておくことから始める。

 

※「最大筋力」は運動科学では1RM(repetition maximum)と表現される。

 

ただし、1RMを正確に測定するには特定の装置が必要であるが、ジムに設置されているわけではないので、別の方法を使って1RMを簡便に計測する。

 

まず「これなら10回は反復できる」と思われる程度の負荷で筋力トレーニングを実施し、その後に休憩をはさんで何度か施行する。

 

ここで10回以内の反復が出来なくなる重さを確認し、その反復回数をメモする。

 

そして、その反復回数が1Rの難破船とにあるたるかを以下の表で調べる。

※重さを%の割合で割れば、1RMの数値が出る。

 

%1RM

反復回数

自覚強度

目的

100%

非常に重い

筋力アップ

95%

93%

90%

かなり重い

87%

85%

80%

重い

77%

75%

10~12

70%

12~15

やや重い

筋持久力アップ

67%

15~18

65%

18~20

60%

20~25

軽い

 

非常に軽い

フォームの習得

50%

30~

~1RM換算表~

例えば、40㎏のバーベルを胸の上で8回反復できたとしたら(9回・10怪と持続することは不可能という値)、その多さは1RMの80%に相当するため、その人の1RMは「40㎏×0.8=50㎏」で「1RM=50㎏」と推定される。

 

 

超回復の観点から見たトレーニングの頻度

 

筋力トレーニングを安全かつ効率的に実施するためには「超回復を利用すること」が重要となってくる。

 

つまりは、トレーニングで消耗した筋力や筋持久力が徐々に回復し始めた時、元の体力レベルを超えた時期をとらえ、次のトレーニングを設定して実施することとがポイントと言える。

 

多くの研究報告から、超回復を利用したトレーニングをするには1週間2~3回の頻度が妥当だとされている。

 

なので、この目安は覚えておいて損は無い。

 

ただし、この報告が全ての人に当てはまるわけではなく、「初心者」あるいは「体質」によって回復に2~3週間も要することがある人も居るとされる点には注意が必要である。

 

 

オーバートレーニングに注意しよう

 

「早く結果を出したい」と気持ちが流行ってしまい、「超回復」のための休息を置かなかったことによりオーバートレーニングに陥ることがある。

 

そうなると、逆に効果を実感できなくなったり、かえって痛みを誘発してしまう事にもなりかねないので注意が必要となる。

 

オーバートレーニングの徴候を見極めるポイントは、「前回出来た重さが拳上できない」「トレーニングをしているのに筋力が向上してこない」などの具体的な自覚を感じ取ることで理解できる。

 

 

最初の効果は3か月かかる

 

筋肥大を起こすためには、その前段階として筋力発禁に参加する運動単位の数が増える必要がある。

 

そして、運動単位が十分に動員されるまでの2か月くらいまでかかると言われており、それを考えると2か月間は十分な筋肥大は実感できない、つまり見た目の変化が実感できない可能性がある(ただし筋力向上は実感できると思われる)。

 

運動単位の動員に時間がかかるのは、筋肉を使用する際に様々な抑制がかかっているからとされている。

 

※そして、筋力トレーニングによって徐々にその抑制がなくなることで、筋肥大も徐々に起こってくる。

 

 

筋力トレーニングの関連記事

 

高齢者の筋力トレーニングを「筋力」「筋出力」の違いを基に考察!

 

筋力向上に大切なのは、筋肥大だけでなく、運動単位の動員であり、つまりは「神経系の適応」となる。
そんな「神経系の適応」に関しては以下の記事でフォーカスしているので興味のある方は参考にしていただきたい。

 

 

過負荷の原則と特異性の原則を考慮した筋力増強

 

この記事とも被った内容も含まれるが、この記事が健康増進に参考となる記事なのに対して、リハビリテーション(理学療法・作業療法)にフォーカスした内容となる。