「背を伸ばすことの出来るサプリメント」なるものが販売されており効果のほどは不明だが、少なくとも以下のことは確かである。
成人になってからサプリメントを摂取しても、背は伸びない。
この記事では、上記を題材にして「骨成長」について解説していく。
骨の成長
骨は成長ホルモンの影響により、生後から一定の年齢までドンドンと成長していく。
そんな「骨の成長」を長管骨(長い骨)を例に解説する。
長管骨の成長は以下の2つに分類される。
- 縦軸方向の成長
- 横軸方向の成長
縦軸方向の成長
縦軸方向の成長は「骨端軟骨(=成長軟骨)が石灰化しつつも、末梢方向へドンドン肥大化すること」で起こる。
この「縦軸方向への成長」は(軟骨によって生じることから)軟骨内骨化と呼ばれる。
ちなみに「骨端軟骨」と聞くと、何となく「骨の先端」をイメージしてしまいがちだが(後述するイラストの様に)先端ではない点に注意してほしい。
ちなみに「長管骨における骨の先端」は関節を形成していることが多く「(骨端軟骨ではなく)関節軟骨」が存在する。
横軸方向の成長
横軸方向の成長は骨膜(骨の表面に存在する組織)の骨芽細胞が作用することで生じる。
横軸方向への成長は(骨膜が関与していることから)膜性骨化と呼ばれる。
上記の「長管骨の成長」を解説したイラストが以下になる。
骨端軟骨の完全な石灰化により骨成長は止まる
レントゲン写真は「軟骨は映らない」ため、長管骨を撮影すると「骨端軟骨の部分が透けた骨」が写される(特に小児で分かりやすい)。
でもって成人まで(大体18歳くらいまで)に骨端軟骨は完全に石灰化するので、成人の長管骨は(骨端軟骨が存在しないので)透けた部分が存在しない。
前述したように「身長が伸びる(長軸方向の骨成長)には骨端軟骨が大きく関与している」ため、骨端軟骨が存在しなくなっている成人において、いくら栄養素を補給しようが
身長を伸ばすことはできないということになる。
身長の増減に関するアレコレ
身長に影響を及ぼす要因について以下の2つを挙げておく。
椎間板の影響
朝と夜では身長が異なる。
また、加齢とともに椎間板の厚みは少なくなるので、低身長となる。
姿勢や関節変形の影響
加齢とともに脊柱の変形(構造的円背・側弯)が生じると、身長が低くなる。
また、猫背(機能的円背)であることが(見かけ上の)身長に関与する。
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