頭蓋仙骨療法(クラニオセイクラルセラピー)の方法(やり方)が掲載された動画が数多くユーチューブにアップされています。
そんな中、10ステップ・プロトコルに関する方法(やり方)で、アプレジャー自身が解説している動画があったため紹介しておきます。
ただし、書籍や動画をみただけで実践が可能となる類な技術ではないため、正式な頭蓋仙骨療法(クラニオセイクラルセラピー)を学んだ方の復習であったり、頭蓋仙骨療法(クラニオセイクラルセラピー)がどんなものか知りたい方に観覧して頂ければと思います。
※見よう見まねで実践すると、患者に不調を起こしかねません。
動画自体も古いものらしく、細かい点などでアプレジャーインステチュートジャパン(UIJ)で学んだ頭蓋仙骨療法(10ステップ・プロトコル)と必ずしも一致していない印象を受けます。
重複しますが、頭蓋仙骨療法は指導者のもとで自己研鑽を積んでから実践するようにしてください。
目次
10ステップ・プロトコル第1段階:静止点の誘導
静止点の誘導は、足部・仙骨部・胸郭などで行うことができますが、足部での方法が最も容易とされています。
頭蓋仙骨リズムの触診と同様に患者は背臥位になり、セラピストは足部に手を当てて、静止点の誘導を行います。
10ステップ・プロトコル第2段階:筋膜の横方向の制限のリリース
骨盤底、横隔膜、胸郭出口などの体幹を横断する筋群の制限を改善する手技です。
セラピストは、骨盤底筋に対しては腰仙部と恥骨上部とに手を当てて、軽い圧迫を加えて伸長します。
また、横隔膜は胸腰椎移行部と胸骨尖部、胸郭出口は下部頸椎と鎖骨下部とに手を当て、同様に伸長します。
※この際の力は約5~10gと言われています。
この他に、頭蓋底の解放手技も実施します。
これは頸部の筋緊張を軽減するのに大変効果的であり、静脈還流の改善にも有効と言われています。
患者を背臥位でリラックスさせ、セラピストは両側の指を立てたまま患者の外後頭隆起に当てる。それが患者の頭部と頸部とのバランスの視点となるよう、指腹で患者の頭部を支えます。
指には患者の頭部の重みが加わるだけで、特に治療者は力を加えることはありません。
組織の緊張が取れ始めると、項部が柔らかくなり、指全体に患者の頭部の重みがかかってくるのが感じられます。
完全に緊張が取れるのに数分から、10分程度かかることもあります。
10テップ・プロトコル第3段階:前頭骨リフト
患者は背臥位、セラピストは患者の頭側に位置します。
セラピストは両側の環指を患者の目じりに当て示指と中指で前頭骨を包むように挟み、そのまま前頭骨を上方に持ち上げます。
※持ち上げるという表現はかなり大げさかもしれません。必ず、指導者に適切な指導を受けてから実施して下さい。
10ステップ・プロトコル第4段階:頭頂骨のリフト
患者は背臥位でセラピストは患者の頭側に位置し、両側の小指をラムダ縫合と鱗縫合の交点のやや上方で側頭骨に当てるとともに、両母指は患者の頭の上で交差させます。
※この時、母指が頭部に触れないように注意します。
まず両手で軽く側頭骨に圧を加え、次に手前に頭頂骨を引きます。
※手前に引くという表現はかなり大げさかもしれません。必ず、指導者に適切な指導を受けてから実施して下さい。
10ステップ・プロトコル第5段階:蝶形骨頭蓋底の圧迫と減圧
患者の両側こめかみ付近で蝶形骨大翼にセラピストの両母指を当て、圧迫を加えたり、リフトを行って減圧します。
10ステップ・プロトコル第6段階:側頭骨の手技
患者の両側の側頭骨乳様突起に治療者の両母指を当て治療する手技と、患者の両側耳孔にセラピストの指を入れ、そこから側頭骨を動かして治療する手技があります。
10ステップ・プロトコル第7段階:側頭骨の減圧
患者の両側の耳介を軽く把持し、そのまま外側へ引いて、内方への圧の減少を行います。
10ステップ・プロトコル第8段階:顎関節への加圧と減圧
セラピストが頭側から患者の側頭部を両手掌で支え、手指で下顎骨を頭側に引いて加圧し、尾側に押して減圧し顎関節に対する左右の圧を調節します。
10ステップ・プロトコル第9段階:硬膜管の評価
セラピストは一方の手を後頭骨に、もう一方の手を仙骨部に当て、硬膜管の評価をしていきます。
10ステップ・プロトコル第10段階:CV4手技による静止点の誘導
第一段階の静止点誘導手技と同様に静止点を誘導する手技ですが、後頭部に対し行うものを特にCV4手技と呼びます。
※CV4は第4脳室を意味しています。
CV4は10ステップ・プロトコルの中でも非常に効果的な手法と言えます。
頭蓋仙骨療法 おススメ書籍
アプレジャーインステチュートジャパン代表の平塚氏が翻訳している書籍です。
ただし、(この動画と同様に)結局は指導者に手ほどきを受けて初めて使える類な技術である点には注意してください。
※頭蓋仙骨療法(クラニオセイクラルセラピー)を学んだことのある方の復習に適していると思います。
こちらは一般書籍で難しい表現は極力使われていないため、一般のかたから頭蓋仙骨療法(クレニオセイクラルセラピー)に脅威を持っているセラピストまで、どんな治療法なのかを知るのに適していると思います。
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