この記事では、OMPT(整形徒手理学療法士)とIFOMPT(国際徒手理学療法連盟)について解説していく。

 

MT(徒手療法)の歴史や種類から順を追って記載していくので、『OMPT(運動器徒手理学療法士)』や『IFOMPT(国際徒手理学療法連盟)』という用語について知りたい方は、観覧してみてほしい。

 

徒手療法(MT)の歴史と種類

 

徒手療法(manual therapy)の歴史は古く、ヒポクラテスの時代までさかのぼる。

 

でもって徒手療法には以下の様な種類があるとされている。

 

  • Osteopathy(stillが考えた治療法)
  • Chiropractic(Palmer親子が考えた)
  • Orthopedic Medicine(Cyrax,Mennellなどが有名)
  • Physiotherapy(主要な人物は後述)

 

上記の、PalmerはStillの考えを元にChiropracticを発展させたのだと主張する人もいる。

 

CyraxやMennellはPhysiotherapyに多大なる影響を与えた医師でもある。

 

特にMennellは、joint play(関節副運動)副運動の重要性を強く主張した人であり、日本での認知度は高いかもしれない。

 

海外ではCyraxもメチャクチャ有名だが、日本では「Cyraxは知らないけど、Mennellは知ってる」って人、多いと思う。

 

 

Physiotherapyで有名な人物

 

Physiotherapyで有名な人物として、理学療法資料では以下が挙げられている。

  • Maitland
  • Kaltenvorn
  • Paris
  • Mckenzie

 

 

Maitland

 

Maitlandは段階的な振動法による評価・治療を通して、患者の主観的な徴候(symptom)と客観的な徴候(sign)に対処する体系を発展させた。

 

書籍としては以下がある。

 

 

 

サイト内では以下のページなどで解説している。

⇒『メイトラドコンセプト

⇒『問診のポイントを解説するよ

 

 

Kaltenvorn

 

Kaltenvornは、筋骨格系の機能異常に対する治療として、凹凸の法則などの関節運動学の原理に基づいたモビリゼーション体系を発展させた。

 

書籍としては以下がある。

 

 

サイト内では以下のページで解説している。

⇒『総合的治療の学派

 

 

Paris

 

Parisは、脊柱の機能異常の原因として「椎間関節の機能異常」という概念を広めた人物で、アメリカ理学療法士の開業権獲得に多大な影響をもたらした人物としても有名である。

 

また、後述するIFOMPT(国際徒手理学療法連盟)の2代目会長でもある(2016年からはKen Olsonが9代目会長となっている。)

 

書籍としては以下がある。

 

 

 

関連記事としては以下も参照。

⇒『パリス(Paris)の徒手療法を学ぶならコレ!パリスアプローチの『評価と適応 腰・骨盤編』と『実践編 徒手理学療法の試み』を紹介

 

 

Mckenzie

 

Mckenzieは、腰痛の分類方法を開発し、腰部の痛みに対する治療における「(屈曲や伸展といった)脊柱の動き」の有用性を提唱した人物である。

 

Mckenzieだけを扱った専門書籍は販売されておらず、部分的に扱っている書籍としては以下がある。

 

 

※Mckenzieの講習会に参加したらテキストがもらえる。

一般書籍としては以下などがある。

 

 

関連記事としては以下も参照。

⇒『マッケンジーコンセプトを詳しく解説

 

 

Mulligan

 

Mulliganは、関節機能異常に対する治療体系として、他動的な関節モビライゼーションに加えて自動運動を併用したモビライゼーションを開発した。

 

書籍としては以下がある。

 

 

関連記事としては以下も参照。

⇒『マリガンコンセプトを詳しく解説

 

 

ElceyとButler

 

ElceyとButlerは、神経系モビライゼーションを体系づけた。

 

関連記事としては以下も参照。

⇒『神経系モビライゼーションを解説

 

 

IFOMPT((国際徒手理学療法連盟)って何だ?

 

IFOMPT(国際徒手理学療法連盟)』は以下の略である。

 

The International Federation of Orthopaedic Manipulative Physical Therapits

 

 

でもってIFOMPT((国際徒手理学療法連盟)とは以下を指す。

 

理学療法士登録後もしくは大学院で神経・筋・骨格系疾患分野の厳しいプログラムを完了した、世界中の運動器徒手理学療法士のグループの集まり。

 

 

IFOMPT(国際徒手理学療法連盟)のvisionは以下の通り。

 

徒手および筋・骨格系理学療法士のための、最良の臨床・教育基準の統一を世界的な規模で促進すること。

 

 

IFOMPT(国際徒手理学療法連盟)の歴史

 

IFOMPT((国際徒手理学療法連盟)の始まりは以下の通り。

 

1974年にカナダのモントリオールで開催された第8回WCPT総会の会期中に開始された会議

 

この会議が、IFOMPT(国際徒手理学療法連盟)の初めての世界的な会議となった。

 

でもって会議には、運動器徒手療法を専門としている以下などの理学療法士が集まった。

 

メイトランド・カルテンボーン・パリス・グリーブ・エドワード・・・など。

 

※メイトランド・カルテンボーン・パリスは前述した面々である。

 

IFOMPT((国際徒手理学療法連盟)はWCPTの最初のサブグループである。

 

この会議では、以下が設置されることとなる。

 

教育と試験のカリキュラムを企画するための教育基準委員会

 

1978年のWCPTの会議で、IFOMPTの教育基準文章が承認され、IFOMPTの教育基準が徒手療法のグローバルスタンダードとして認められた。

 

その後2000年に、改訂された教育基準文章が承認された。

 

IFOMPT((国際徒手理学療法連盟)設立当初は「加盟国6か国」「準加盟国5か国」であったが、現在は以下にまで増えている。

  • 加盟国22か国
  • 準加盟国8か国

 

※日本も「加盟国」に含まれる。

 

OMPT(運動器徒手理学療法士)って何だ?

 

日本における運動器徒手理学療法士(あるいは整形徒手理学療法士)とは、海外における以下の用語と同義である。

  • OMT
  • OMPT

 

ちなみにOMTは以下の略語として使用される。

  • Orthopaedic Manual Therapy
  • Orhopaedic Manipulative therapy

 

ちなみにOMPTは以下の略語として使用される。

  • Orthopaedic Manual Physical therapy
  • Orhopaedic Manipulative Physical therapy

 

 

でもって日本理学療法士協会としては、上記の赤色で示した文字の意味として『運動器徒手理学療法士(整形徒手理学療法士)』用いている(らしい)。

 

 

どーでも良いが結局、以下は全て同義だということ。

  • 運動器徒手理学療法士
  • 整形徒手理学理学療法士
  • OMT
  • OMPT
  • Orthopaedic Manual Therapy
  • Orhopaedic Manipulative therapy
  • Orthopaedic Manual Physical therapy
  • Orhopaedic Manipulative Physical therapy

 

 

運動器徒手理学療法(整形徒手理学療法)の定義

 

運動器徒手理学療法(整形徒手理学療法)の定義は以下になる。

 

運動器徒手理学療法(整形徒手理学療法)とは、神経・筋・骨格系の疾患を治療するための理学療法/理学療法的治療の専門領域を指す。クリニカルリーズニングに基づき、徒手的技術や治療体操を用いた高度で特殊な治療(2004,ケープタウンの総会で可決)。

 

※運動器徒手理学療法(整形徒手理学療法)は、「クライアント個々の利用可能な科学的、EBPT、生物・心理学的分野を含み、治療に応用する」という考え方も持っている。

⇒『中枢神経系の優位性を紹介

 

ちなみに『運動器徒手理学療法(整形徒手理学療法)士』は、IFOMPT((国際徒手理学療法連盟)が定めた試験に合格した者へ付与される。

 

 

日本でOMTになる方法は?

 

日本でOMTになるための研修会は日本整形徒手療法協会がやっている(要するにKaltenvornのコース)。

 

Kaltenvornのコースは、基礎コース50日+上級コース10日+臨床実習10日で構成される。

 

一方で、「一部の学派のコースしか認められていないのはいかがなものか」っという意見もある。

 

まぁ、上記ほど長期にわたって徒手理学療法を系統的に学べるコースは、日本に無いと思うのだが。。