この記事では、リハビリ(理学療法・作業療法)で活用される器具である『ペグボード』について記載していく。
ペグボードとは
ペグボードは以下のイラストの様に、把持・把握動作に必要な『手指巧緻性の改善』に活用される機器のことである。
この動作により手指による以下の運動が必要となる。
- ペグ(木釘)をつまんむ
- ペグをボードに差し込む
- ペグを離す
※ペグを指先で反転させる能力が必要なケースもある。
また、「把持・把握」のみならず、肩関節・肘関節によるリーチ動作も組み合わされた上肢の複合運動となる。
ペグボードは「医療用」も存在するが、以下の商品など「子供が使用する玩具」でも十分代替え可能である。
※っというか、ほとんど大差なく、「単に医療用」というだけで高額だったりすることもある。
ペグボードを動画で紹介
念のため、ペグボードを使用したリハビリ場面を紹介する。
以下は簡単そうにペグを穴の開いた板にハメている。
一方で、脳卒中片麻痺であれば以下の動画の様に難易度が高くなるため、リハビリでも活用できる(ペグボードを使用するに当たっては、ある程度の随意性が必要となる)。
ペグボードの適応
ペグボードを使用した目的は以下だと前述した。
でもってペグボードの適応は、何も「脳卒中片麻痺」だけではない。
例えば、高齢者であっても手指巧緻性が徐々に衰えてしまうことは多く適応となったりする。
もちろん、ペグボードによって巧緻性向上を図るとともに、日常生活でも積極的に手指を使用することも大切になる(洗濯物をきれいに畳むなどなら比較的簡単だ)。
リハビリ器具に関する質問
最後にリハビリ器具に関する質問を『リハビリテーション医学Q&A』から引用して終わにする。
質問:脳卒中による片麻痺上肢に対する作業療法で正しいのは、以下のうちどれか。
②サンディングは手指の巧緻性向上に有効である。
③プーリーは協調性運動に適している。
④バイオフィードバックは筋再教育練習に有効である。
⑤利き手交換では、書字の練習はひらがなより開始する。
で、回答は④になる。
ちなみに、ペグボードの目的は「巧級運動・協調運動練習」とのこと。
他の項目に関する誤りは、分かるだろうか?
これらの器具に関しては以下の記事で解説しているので、興味がある方は観覧してみてほし。