この記事では、医療保険による「外来リハビリ」と介護保険による「短時間通所リハビリ(デイケア)」の違いを記載していく。
この記事を読んでいただくと、各々のメリット・デメリットも見えてくると思う。
ちなみに、この記事は以下の人を対象にしている。
- 医療保険でのリハビリ業務にしか携わったことが無く介護保険にも疎いが、短時間通所リハに興味がある。
- 整形外科クリニックで働いているが、今後を見据えて短時間通所リハの開設も視野に入れて情報収集している。
特に後者の理学療法士・作業療法士は以下の理由で、興味を持っている人が多いと思われるので、この記事もぜひ情報収集の一つとして参考にしてみてほしい。
また、後者の理学療法士・作業療法士であっても、ハード面(物療機器・トレーニング機器・リハ室の広さなど)やソフト面(個別リハビリ以外の時間をサポートしてくれるアシスタント・送迎スタッフなど)が充実している場合にはそう問題にならないことも多い。
一方で、少数で小じんまりと運営しており、ハード面・ソフト面共に充実していない環境なら、この記事に記載する内容は悩みどころだったりするので、ぜひ観覧してみてほしい。
ちなみに、この記事は『社保審-介護給付費分科会第141回(H29年6月21日)』をベースにており、画像も全てこの資料から引用している。
なので、H30年4月の医療・介護同時改定前の情報である点には注意してほしい。
目次
外来リハビリと短時間通所リハビリ(短時間デイケア)の違い
「通所リハビリ(デイケアとも呼ばれる)」と聞くと以下を連想する人は多いのではないだろうか。
ただ、現在は「半日(午前中あるいは午後だけのデイケア)」であったり、更に短い『短時間通所リハビリ(短時間デイケア)』も存在する。
でもって、短時間で(リハビリだけ実施して)帰れるので、外来リハビリと似ている部分が多い。
ただし、外来リハビリと異なる部分も多々ある。
※この記事では、それらを理解してもらう一環で作成している。
でもって、外来リハビリと通所リハビリの違い(特徴)をザックリを一覧表にまとめると以下になる。
外来リハビリ | 短時間通所リハビリ(デイケア) |
---|---|
・3か月に一度の実施計画書作成が必要
・20分で1単位(つまり40リハビリすれば2単位)
・発症、手術若しくは急性増悪又は最初に診断された日から150日(運動器疾患リハビリの場合)あるいは180日(脳血管疾患リハビリの場合)を超えてリハビリテーションを行った場合は、1月13単位しか算定できなくなる。
・更に13単位しか算定できなくなった状況において、対象者が要介護認定を受けていれば通常の診療報酬から減算をされる。 |
・3か月に一度の実施計画書作成が必要(計画書を作成するにあたってケアマネなどサービスに携わっている他側種を交えたカンファレンスが必要)
・毎月、ケアマネに実績表を送る必要がある(恐らく必須ではないが、報告書も同封するのが一般的)
・短時間通所リハビリは「1日に1時間以上2時間未満」で算定(全ての時間をリハビリに費やす必要はない) ・患者の送迎が必要 |
細かく記載すれば、以下などが更に以下などいくらでも違いは挙げられるが、シンプルに記載たほうが分かり易いので割愛する。
- 外来リハでは実施計画書の代わりに総合実施計画書(任意)を毎月作成すれば月に1度300点加算される(総合実施計画書を作成するのであれば実施計画書は作成しなくて良い)
- 外来リハでは、治療を継続することにより状態の改善が期待できると医学的に判断される場合その他の別に厚生労働大臣が定める場合には、150日を超えて所定点数を算定することができる。
ちなみに、通所リハビリの報酬体系は以下の様になっている。
※左側が基本報酬で、右側が加算・減算
以下は基本報酬の例として「1時間以上~2時間未満(=短時間通所リハビリ)」と「6時間以上~8時間未満」が記載されている。
基本報酬は施設の規模によっても異なるし、要介護度によっても異なる。
上記の「加算・減算」にフォーカスした要件や単位数などは以下の通り。
ここから先は、上記の「外来リハビリ」と「短時間デイケア」の違いについて深堀していく。
どちらも3か月に1度の計画書が必要。が、しかし。。。。。
外来リハビリ、短時間デイケアともに、3か月に1度の計画書作成が必要となる(計画書を作成して対象者にサインをもらう必要がある)。
ただし、短時間デイケアの場合は、PCDAサイクルが基本となる。
Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)のサイクル
まぁ、PCDAサイクルはリハビリの基本ではあるが、外来リハの場合は自己完結であったり、患者や医師といた少数でPCDAサイクルを実施すれば良いのだが短時間通所リハビリは異なる。
短時間デイケアの場合は、PCDAサイクルを「対象者の介護サービスに携わっている職種全員(少なくともケアマネは入る)」を巻き込んで実行する必要があり、作成した計画(Plan)を評価する場が「カンファレンス」となる。
でもって、計画通りに事が運んでいなければリハビリは終了となる可能性もあるし、事がうまく運んでいてもリハビリが卒業となる可能性もある。
いずれにしても、外来リハビリの方が間接業務(直接リハビリを実施する以外の業務)が明らかに少ないのは理解してもらえると思う。
ちなみに、この様にマネジメント(計画書やカンファファレンすなど一連の過程を得ながら利用者と関わっていくこと)には加算が設けられているのだが、加算にはⅠとⅡがあり、ここではⅠを記載した。
Ⅱを算定するにはカンファレンス(厳密にはⅡの場合はリハビリテーション会議と呼ぶ)に医師を交えないといけなかったり、最初の6か月は毎月開催しないといけなかったりとハードルが上がり、ますます外来リハビリと比べると間接業務が多いと感じるのではないだろうか。
マネジメント加算Ⅰ・Ⅱは2015年から始まったものだが、Ⅱに関しては「会議に利用者もウンザリしている」「こんなことなら、会議の無いデイサービスを利用しよう」などといったケアマネの声も聞こえてきたりした。この点に関しては以下の掲示板を読むと、ケアマネの悩みっぷりが分かり易いと思う。
⇒『(外部リンク)掲示板:通所介護と通所リハビリの違いって何?』
この記事の趣旨とは異なるが、余談として「通所介護と通所リハビリの違い」は以下の通り。
リハビリテーションマネジメント加算について
リハビリ計画書を作成すると、もれなく「リハビリテーションマネジメント加算」が算定できる。
でもって、このマネジメント加算はⅠ・Ⅱの2パターンのいずれかを選択する必要がある。
マネジメント加算Ⅰ・Ⅱの報酬及び算定要件の違いは以下の通り。
⇒230単位/月
リハビリテーションマネジメント加算Ⅱ
⇒ 開始月から6月以内 1,020単位/月
それ以降 700単位/月
※外来リハビリのみに携わっている人には分かりにくいかもしれないが、医療保険でいう所の「○○点」というのが、介護保険では「○○単位」と表現される。
上記の報酬が、基本報酬に上乗せ(加算)されるということになる。
これだけ見ればリハマネ加算ⅡはⅠに比べて非常に魅力的だ。
しかし、実際にはかなりの事業所がⅡではなくⅠを選んでいる。
その理由は、以下の算定要件を観覧してもらえばわかると思う(Ⅱの算定はかなり面倒くさい間接業務を強いられる)。
マネジメント加算Ⅰの算定要件 | マネジメント加算Ⅱの算定要件 |
---|---|
① 通所リハビリテーション計画の進捗状況を定期的に評価し、必要に応じて当該計画を見直していること。 ② 指定通所リハビリテーション事業所のPT、OT又はSTが、介護支援専門員を通じて、指定訪問介護の事業その他の指定居宅サービスに該当する事業に係る従業者に対し、リハビリテーションの観点から、日常生活上の留意点、介護の工夫等の情報を伝達していること。 ③ 新規に通所リハビリテーション計画を作成した利用者に対して、指定通所リハビリテーション事業所の医師又は医師の指示を受けたPT、OT又はSTが、当該計画に従い、指定通所リハビリテーションの実施を開始した日から起算して1月以内に、当該利用者の居宅を訪問し、診療、運動機能検査、作業能力検査等を行っていること。 |
① リハビリテーション会議を開催し、リハビリテーションに関する専門的な見地から利用者の状況等に関する情報を構成員と共有し、当該リハビリテーション会議の内容を記録すること。 ② 通所リハビリテーション計画について、医師が利用者又はその家族に対して説明し、同意を得ること。
③ 開始月から6月以内の場合は1月に1回以上、6月を超えた場合は3月に1回以上、リハビリテーション会議を開催し、利用者の状態の変化に応じ、通所リハビリテーション計画を見直していること。
④ 指定通所リハビリテーション事業所のPT、OT又はSTが、介護支援専門員に対し、リハビリテーションに関する専門的な見地から、利用者の有する能力、自立のために必要な支援方法及び日常生活上の留意点に関する情報提供を行うこと。
⑤ 以下のいずれかに適合すること。
1)指定通所リハビリテーション事業所のPT、OT又はSTが、居宅サービス計画に位置付けた指定訪問介護の事業その他の指定居宅サービスに該当する事業に係る従業者と指定通所リハビリテーションの利用者の居宅を訪問し、当該従業者に対し、リハビリテーションに関する専門的な見地から、介護の工夫に関する指導及び日常生活上の留意点に関する助言を行うこと。
2)指定通所リハビリテーション事業所のPT、OT及びSTが、指定訪問リハビリテーション事業所の利用者の居宅を訪問し、その家族に対し、リハビリテーションに関する専門的な見地から、介護の工夫に関する指導及び日常生活上の留意点に関する助言を行うこと。
⑥ ①から⑤までに適合することを確認し、記録すること。
冒頭で記載した『リハビリテーション会議』とは、利用者及びその家族を基本としつつ、医師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、介護支援専門員、居宅サービス計画に位置づけた指定居宅サービス等の担当者その他の関係者が構成員となって実施される必要がある。 |
※特に面倒くさい部分を赤色で示した。
※ちなみにリハビリテーション会議は、(上記には記載していないが)利用者(+家族)の参加は必須であり「内々に会議をしておいたことにする」などは出来ない(でもって、計画書作成後に行われる同意・説明・サインは医師の仕事である)。
※「加算」という表現からは「実施するかどうかは任意」なイメージを持つかもしれないが、必須である「計画書の立案」のためにはリハマネ加算Ⅰ or Ⅱの工程が必要なので、リハビリをする時点でリハマネ加算も必然的に算定することになる。
国は、デイケア自体に「卒業」を前提としてサービスを提供うるようなインセンティブを働かせている(卒業して、デイサービスへの移行などを想定)。
なので、外来受診のようにずっと利用してもらおうと思うと、前述したような間接業務をその都度こなす必要がある。
ちなみに、外来リハビリにも総合実施計画書(必須ではなく任意)があることは前述した。
でもって、この「総合実施計画書」も医師、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、社会福祉士等の多職種が共同してリハビリテーション総合実施計画を作成する必要があるらしいのだが、カンファレンスを開催するわけではないので「内輪だけで共同して作成している体」にいくらでも出来ると思われる。
※なので極論を言えば、リハビリ担当者(理学療法士・作業療法士)だけで計画書を作成して、あとは医師など他職種にもサインをもらってもらうなどで共同作成した体に出来る可能性がある(総合計画書を作成したことが無いので憶測だが、手を抜こうとすれば出来る可能性があるということ)。
※一方で、介護保険のカンファレンスは内輪だではなく、対象者自身を含めることが必須であり(リハマネ加算Ⅱであれば医師の参加も必須)、カンファレンスで話し合われた内容も記述しておく必要がある(監査の際にも見せる必要がある)。
短時間通所リハビリ(短時間デイケア)は毎月実績を送る必要あり
これも「外来リハビリより短時間デイケアの方が間接業務が多い」という前述した特徴に含まれるのだが、毎月どれだけ(何日)のリハビリをしたかをケアマネに報告する(実績表を送る)必要がある。
※この実績表を基に、ケアマネが各種手続きをしてくれるので、この作業は必須となる。
まぁ、実績表を記入して送るだけなら簡単なのだが、報告書(どんなリハビリをしたか、どういった結果が出たか、活動・参加についてなどなど)を添えて提出するのが一般的であり、その報告書は時間がかかり、外来リハとは異なる点だと言ってよいだろう。
外来リハが中心な整形外科クリニックで働いていると、年単位でリハビリへ通っている人もいるのではないだろうか?
その様な人が短時間デイへ移行して同様に通って来ようとすると、報告書作成は面倒だと考えるセラピストが多いのではないかと予想する(これは報告書のみならず、計画書やカンファレンスにも言えることだと思うが)。
※業務負担を軽減するために、かなり簡素化した報告書書式をつくっている事業所もある。
短時間通所リハビリ(短時間デイケア)では送迎が必要
デイケアを運営するにあたって、利用者の送迎は必須となり、これは短時間デイケアでも同様である。
なので、もし短時間デイケアを始めようと思うのであれば、送迎環境を整える必要がある。
外来リハビリは対象者に来てもらって、リハビリを実施した後は、自ら帰ってもらう(中にはタクシーを自腹で頼んでかいる人もいるだろう)のが普通であるが、デイケアは送迎環境が整っていることが必須である。
ここで少し話がずれるが、一般のデイケア(半日デイや6時間デイなど)と短時間デイケアを比較してみてほしい。
一般のデイケアは、半日(あるいは6時間でも良いが)を過ごしてもらって、まとめて大型自動車などで送迎できる。
しかし一方で短時間デイは、(規模によっても異なるが)担当者が1人あるいは2人程度で実施している場合、「まとめて送迎することが出来ない(大勢でおしかけられても一人づつしか対処できないので、終了時間が異なってくる。っというか長時間待たせるのも悪いので一度に大勢来てもらうのではなく、時間差で来てもらうよう送迎を調整してもらう必要も出てくる)」ということも起こり得るため、何らかの効率化を図る必要がある。
多くのセラピストが対処するなら、効率化も図り易いが少人数のセラピストで対応しようとすると非常に効率が悪くなる。
また、「個別リハビリ以外の時間を充実して過ごせる要素」が整っている場合も、この限りではない。
例えば以下などであれば前述した悩みは杞憂に終わる。
- トレーニング機器や物理療法機器が豊富に備わっている・アシスタントが充実している(一人で自主トレが出来ない人のサポート、あるいは自主トレ効果を高めるための役割などを担う)。
外来リハビリは20分1単位、短時間デイケアは1時間以上2時間未満
外来リハビリの時間設定は、20分1単位の「個別リハビリ」と非常にシンプルである。
一方で、短時間通所リハビリ(短時間デイケア)は多少複雑になる。
まず、「滞在時間」が1時間以上2時間未満となっている(滞在時間を1時間にする事業所もあるし、1時間半にする事業所、2時間近くに設定している事業所とマチマチ)。
ただし「滞在時間=個別リハビリの実施時間」ではなく、個別リハビリに占める時間は(明記された書類を忘れたが)20分実施すれば問題ない。
※ちなみに、短時間通所リハビリを実施している事業所をネットで調べると、大まかなタイムスケジュールを記載している所が多いので調べてみてほしい。(あくまで一例と断った上での記載ではあるものの)20分~30分くらい実施している事業所が多い。
ただ、この記事を作成するにあたって「一体、個別リハビリを最低何分実施すれば法的に問題ないのか?」という疑問がわき起こったのだが、その疑問は解消されていない。
例えば以下のイラストをみてほしい。
上記は、通所リハビリテーションの概要・基準を表しているが、人員配置基準に備考として以下の様な記述がある。
つまり、通所リハビリの特徴は人員配置としてリハビリ職種(理学療法士・作業療法士)の配置が必須であるものの、例外として短時間通所リハビリだけは(条件をクリアさえしていれば)他職種が配置されていてもOKということを示している。
ちなみに、同様な内容が記載されているイラストとしては以下がある。
つまり、看護師・准看護師が何らかのリハビリを実施すればOKということになり、もしかすると個別リハビリを厳密に20分実施しなくとも(物理療法や集団体操やその他諸々を合わせて)滞在しており、その様なアプローチを実施することが計画書にも明記されていれば問題ない可能性すらありそうだ。
※ただ、実際には短時間通所リハビリにおけるリハビリを他職種が担っている事業所は知らないし、(重複するが)どこも20分~30分程度の個別リハを実施していると思う。
話が少し脱線したので、短時間通所リハビリは(外来リハビリと異なり)「滞在時間=個別リハビリ実施時間ではない」という違いに話を戻す。
この違いこそが短時間通所リハビリのややこしいところなのだが、外来リハビリのように「リハビリが終わったから帰って良い」という風にはならない点だ(余った時間で、別の事をしてもらっておく必要がある。あるいは極論としてボーっとしておいてもらっても構わないが、とにかく所定時間が経過するまで院内に留まってもらう必要がある)。
短時間通所リハビリの「効率化」をどう考えるか?
前述したように、20分の個別リハビリすれば問題ないが、所定時間(1時間以上2時間未満)は院内に留まってもらう必要がある。
でもって「効率化」を重視するのであれば20分の個別リハビリ後は、残りの時間に別の事をしてもらっておけばよい。
でもって、セラピストは他の対象者のリハビリを20分実施するというスタイルを繰り返す(これは、次々と20分間のリハビリをこなしていくというスタイルで外来リハビリと似ている)。
「別の事」というのは前述したような「物理療法」「機械トレーニングを含めた自主トレーニング」「集団体操」「休憩」「バイタルチェック」などなど何でも良い(計画書に目的達成のための何らかのメニューを盛り込んでいればそれを実施したりする)。
ただしセラピスト手から離れて「別の事」を実施してもらうためには、ハード面の充実や人員の確保が必要不可欠である。
これらが確保できない場合は、セラピスト自身が「個別リハビリの時間を延長する(非効率にはなるが)」あるいは「個別リハビリの時間以外に何をしてもらえば良いか悩む(ハード面・ソフト面も充実していないので悩む)」といったことが起こり得る。
また、ハード面・ソフト面がどの程度充実しているかによって、「短時間デイケアの利用者を選定する必要性」も出てくる。
例えば、「個別リハ以外の時間に自主トレをしてもらう」というのは比較的元気で認知機能もしっかりしている人の話である(でなければ監視をしてもらうアシスタントが必要)。
つまり介護度が高い人ほど「個別リハビリ以外に実施する内容」は限られてくるため、頭を悩ませる羽目になる。
※まぁ、介護度に応じて報酬も異なっているので、介護度が高く個別リハビリ以外に実施する内容が限られている人には、長めの個別リハを実施するといった考えもあるだろ。
ただし、意外と「介護度は低いが、放置して一人で何かをしてもらうには危険を伴う人、あるいは軽度認知機能障害(MCI:mild cognitive impairment)などを有しており誘導が必要な人)」というのも結構、存在する。
ちなみに以下の資料(社保審-介護給付費分科会 第150回(H29.11.8)は1~2時間(短時間の通所リハビリ)が6~8時間(一般的な通所リハビリ)と比べて「要介護度」「障害高齢者の日常生活自立度」「認知症高齢者の日常生活自立度」ともに軽度な利用者を対象にしていることが分かる。
※業務の効率化の観点から当然ともいえるが。
※ちなみに「障害高齢者の日常生活自立度」「認知症高齢者の日常生活自立度」に関しては以下の記事も参照。
⇒『「障害高齢者・認知症高齢者の日常生活自立度」の判定基準を解説』
ソフト面が充実しておらず、尚且つ物理療法など本人の運動機能・認知機能とは関係なく施行できる機器なども不足していると、これまた悩むことになる。
※当然のことながら物理療法も適応・非適応があり、尚且つ医師の指示・本人の受け入れ具合も考慮する必要があるので、「機器があるから時間つぶしに使おう」と簡単に当てはめることが出来るものでもない。
ちなみに余談だが、短時間通所リハビリは医療保険におけるリハビリスペースを利用しても構わない。
なので、入院リハビリで使用しているリハビリスペースも活用できるし、そのスペースが充実していれば新たな機器を導入する必要もない。
メリット・デメリットに関係なく、短時間デイケアが今後主流になる
外来リハビリは今後さらに廃れていき、介護保険でのリハビリに取って代わることになる。
そのように国が先導しているのだから仕方がない。
でもってハード面・ソフト面が充実しているのであれば、短時間デイケアを立ち上げて対応することもそう難しくないだろう。
ただし、ハード面・ソフト面が必要最小限な小規模なクリニックでは、今後どの様に立ち振る舞っていくかを真剣に考えておいたほうが良いと思われる。