この記事では、『胸鎖乳突筋の作用は肢位によって違うよ』と題して、胸鎖乳突筋のトピックスを記載していく。
胸鎖乳突筋の基礎情報
胸鎖乳突筋の基礎情報は以下となる。
起始 |
胸骨頭⇒胸骨の胸骨柄の上縁と前面 鎖骨枝⇒鎖骨の内側1/3の領域 |
---|---|
停止 |
側頭骨の乳様突起 後頭骨の上項線の外側部 |
作用 |
両側が同時に働くと、頭・上位頚椎を伸展+下位頚椎を屈曲する ※これは、首をすくめて顎を突き出す動作(チンアウト)となる ※ただし、頭頸部の肢位によって作用が異なる(この点は後述する) 片側が働くと、頭頸部を同側へ側屈+反対側へ回旋する。 |
神経 | 副神経の外枝と頸神経叢の筋枝(C2~C3) |
筋連結 | 大胸筋(腱)、胸骨筋(腱)、頭板状筋(腱)と連結 |
胸鎖乳突筋は肢位によって作用が異なる
胸鎖乳突筋が両側が同時に働くと、頭・上位頚椎を伸展+下位頚椎を屈曲する。
一方で、頭頸部がどの様な肢位にあるかで、胸鎖乳突筋の作用は変わってくる。
例えば、上部頸椎がやや前屈位となっていれば、胸鎖乳突筋には頭頸部の前屈作用が起こる。
あるいは、頭頸部が伸展位となっていれば、更に頭頸部を伸展するような作用を胸鎖乳突筋が持つようになる。
イラスト左に類似した状態で、胸鎖乳突筋が過緊張になっている場面としては、「寝たきり高齢者」の一部が該当する。
頭頸部が過伸展してしまった状態で、更に胸鎖乳突筋の緊張高まっていると、頸椎椎間関節に圧迫力が加わり、様々な機能障害が出てきてしまう。
ただし「胸鎖乳突筋の過緊張」は、この様な高齢者の「表面的な問題」にすぎす、これらを含めた機能障害を改善するのは非常に難しい。
胸鎖乳突筋のリハビリ(理学療法)関連記事
胸鎖乳突筋を例にして、「肢位が異なれば、筋の作用も異なってくる」という点を解説したが、この様な特徴は様々な筋でみれれ、例えば以下が挙げられる。
・・・・・・・・・・・・・などなど。