一般向けに分かりやすくリハビリテーションを解説してある書籍をまとめてみました。比較的、安価なものを中心にまとめてあります。

 

学生さんや臨床経験の浅いセラピストは、難解な書籍よりもまずは平易な表現で分かりやすく記載されているほうがとっかかり易く、次へ繋げていきやすいのではと思います。

 

理学療法士さんが出版したものも意識的に入れているので、ぜひチェックしてみてください。

 

リハビリテーション関連の一般書籍

 

※他の「オススメ書籍記事」と重複した書籍も含まれますが、ご了承ください。

 

「動かない」と人は病む 生活不活発病とは何か

 

 

以前は、専門用語で廃用症候群と呼ばれていたものですが、現在は「生活不活発病」と呼ばれるようになっています。

 

なぜ、動かないと人は病んでしまうのでしょうか?

この点に関して、生活不活発病という言葉の生みの親でもある著者が分かりやすく解説してくれています。

 

この書籍は、クライアントをサポートするご家族に対しても多くの事を示唆してくれます。

そのため、訪問リハビリ時にはご家族に手渡して読んでもらうこともあり、「ためになった!」と好評頂けたことも何度かありました。

生活不活発病対策の中にはセラピストが直接言うと上から目線になってしまうこともありますが、書籍を使って間接的に伝えるという手段は、ご家族にとっても受け入れてもらい易いので、私にとっては良い手段となっています。

 

※ただし、読んでいただく相手は慎重に選ぶ必要があります。

 

生活不活発病・廃用症候群に関しては以下の記事を作成しているので、興味がある方は観覧してみてください。

⇒『廃用症候群を総まとめ! リハビリで必須な知識を復習しよう

⇒『生活不活発病って何?廃用症候群と違うの? 徹底解説します!

 

 

ICF(国際生活機能分類)の理解と活用 

 

ICFはリハビリ(理学療法・作業療法)を実施する際に必須の知識と言えます。

この本は値段が手ごろで、平易な言葉で本質を突いた解説がなされているので、是非一読してみることをオススメします。

 

 

当ブログではICF関連の記事として以下を作成しているので、ICFに興味がある方は合わせて観覧してみてください。

⇒『ICFとは!?書き方・活用法を、図や例も使って分かりやすく解説

 

 

間違いだらけのリハビリテーション

 

 

2017年に第2版が出版されました。

リハビリテーションにおける(質というよりは)量の重要性を説いているのが特徴と言えます。

また、自身が提唱している「起立ー着座運動」の効果がいかほどのものかが大々的に発表しているのも、この書籍の特徴です。

起立-着座運動は、吉村 芳弘医師(日本サルコペニア・フレイル学会 理事, 学会誌編集長, サルコペニア診療ガイドライン作成委員)の講演を聞いた際にも紹介され衝撃を受けました。

 

※吉村医師は所属病院(熊本リハビリテーション病院)で実践しており、この「(反復起立練習を含めた)訓練」によって「FIM(機能的自立度評価表)利得(入院中にFIMが改善した点数)」が全国平均と比べて圧倒的に高いのが分かります。

 

※興味がある方は熊本病院ホームページも参照してみて下さい。

⇒『外部リンク:熊本リハビリテーション病院・ハイブリッドリハビリテーション

 

熊本リハビリテーション病院では、「起立ー着座運動」を午前・午後に各120回実施するとの記載があります。。

 

 

起立ー着座訓練に関しては以下の記事でも解説しているので、合わせて観覧してみて下さい。

⇒『高齢者のスクワットを解説! リハビリ職種は必見です!

 

 

イラストでわかる 寝たきりにさせないPNF介助術

 

 

『イラストで分かる 寝たきりにさせないPNF介護術』は日本PNF協会の理事長である市川 繁之氏の書籍です。

 

個人的に書籍をお勧めする理由としては、「介助者(ご家族など)に書籍の内容を紹介するため」というよりは「PNFを噛み砕きまくって平易な表現にするとこうなる」といった参考書籍として、つまりPNFとは何かを理学療法士・作業療法士が参考にするたといった意味合いの方が強いです(あくまで個人的には)。

 

合わせて本格的なPNF書籍も観覧すると理解が深まるのではないでしょうか?

 

PNFに関しては以下の記事を作成しているので、合わせて観覧してみてください。

 

⇒『PNFの臨床活用法まとめ

⇒『PNFパターンについて

⇒『(HP)PNF(固有受容性神経筋促通法)をザックリと紹介!

 

 

正しく理想的な姿勢を取り戻す 姿勢の教科書

 

 

理学療法士でメディアの出演も多い竹井仁氏の書籍です。

徒手理学療法・オステオパシーに精通している方で、多くの専門書籍を執筆・翻訳されています。

 

この書籍は以下の記事で書評しているので合わせて観覧してみてください。

⇒『姿勢の教科書! 新人の理学療法士・作業療法士にオススメな一冊

 

 

図解入門 よくわかる痛み・鎮痛の基本としくみ

 

痛み書籍には難解な用語が多く登場することもありますが、この書籍はそれを可能な限り優しく表現できています。

また、挿入されている絵や図も視覚的に入ってきやすく工夫されています。

痛みを学ぶ上での導入書として最適だと思います。

 

痛みに関しては以下の記事でまとめているので合わせて観覧してみてください。

⇒『(HP)これだけは知っておきたい!痛みの基礎知識を徹底解説

⇒『痛み関連記事の一覧

 

 

脳で治す腰痛DVDブック

 

『脳で治す腰痛DVDブック』です。

この書籍はNHKスペシャルで放送して大反響を起こした「腰痛・治療革命 ~見えてきた痛みのメカニズム~」を文字に起こしつつ加筆されな内容(+DVD)となります。

 

 

NHKの番組自体は、この本の書評も含めて以下の記事にまとめているので興味がある方は観覧してみてください。

⇒『「腰痛・治療革命」(書籍:脳で治す腰痛DVDブック)を紹介

 

また、上記書籍では「認知行動療法」が取り上げられており、認知行動療法に関する当ブログの人気記事は以下になります。

⇒『認知行動療法は腰痛に効果があるのか?

 

認知行動療法自体を知りたい方は以下の記事を参照してみてください。

⇒『(HP)認知行動療法とは!痛みに対するリハビリへの応用

 

 

また、認知行動療法の一環として「痛み日記」が推奨されることがあり、痛み日記に関しては以下の様な書籍もあります。

 

上記書籍には、痛みに関する心因性要素に関して分かりやすく言及されています。

また、痛みに対する日記が及ぼす影響まで分かりやすく書かれています。

 

痛み日記に関しては、以下の記事に(補足的な内容ではありますが)紹介しているので、興味がある方は合わせて観覧してみて下さい。

⇒『痛み評価テスト(VASなどの疼痛スケール)の種類・特徴+臨床活用法

 

 

サーの博士のヒーリング・バックペイン 腰痛・肩こりの原因と治療

 

 

読書療法として有名な書籍です。

読書療法についてや、その他で読書療法に適したに関しては以下も参照してください。

⇒『読書療法と動画で分かる痛みの対処法

 

 

誰でもできるトリガーポイントの探し方・治し方

 

 

トリガーポイント・筋硬結・マイオセラピーに関しては以下の記事で言及しています。

⇒『(HP)トリガーポイント圧迫&リリース法(マイオセラピー)を解説

 

 

代替医療のトリック(代替医療解剖)

 

代替医療のトリック(文庫本では代替医療解剖)は、リハビリ職種(理学療法士・作業療法士)であり、尚且つ徒手療法に興味を持っている人であれば、是非一読してもらいたい書籍です。

 

 

 

文庫としては『代替医療解剖』 として出版されています。

 

これらの書籍に興味がある方は、買わなくても良いので(いや、買った方が勉強にはなりますが)、是非以下の「訳者のあとがき」だけでも観覧してみてほしいです。

※非常に価値のある「あとがき」だと感じます。

 

『代替医療のトリック』のあとがきはこちら

外部リンク:青木薫①(代替医療のトリックのあとがき)

 

『代替医療解剖』のあとがきはこちら

外部リンク:青木薫②(代替医療解剖のあとがき)

 

代替医療要素の強い理学療法研修会も乱立している昨今、どれを選べばよいかを考える一つのきっかけにもなると思います。

 

この書籍の中では、代替医療に対する『プラセボ効果』にも言及していますが、当ブログでも「徒手療法に関するプラセボ効果」の記事を作成しているので、興味がある方は参考にしてみてください。

※当ブログの人気コラムになります。

 

⇒『理学・作業療法士が知っておくべき「プラセボ効果」のまとめ一覧

 

 

自分で治せる!腰痛改善マニュアル(マッケンジー法関連の書籍)

 

 

マッケンジー法を考案したロビン・マッケンジー氏が、一般にも読みやすいように作成した本で、アマゾンレビューでも好評価を得ています。

 

リスク管理も含めて記載されているので、自身のコンセプトにも違和感なく組み入れることの出来る内容ではと思います。

当サイトでも断トツ人気な本に分類され、私自身も数ある腰痛書籍の中で特にお勧めな一冊だと思います。

 

姉妹書として、(腰痛マニュアルほどオススメではありませんが)『頸の痛み・肩こり・頭痛改善マニュアル』や『肩の痛み・四十肩改善マニュアル』もあります。

 

 

 

 

また、マッケンジー法を理解する上でオススメな書籍としては以下の「この動きを習慣にすれば腰痛は自分で治せる」もあります。

 

 

この本では、一般書籍ではありますが、理学療法士などの臨床家を含めてこのコンセプトに興味を持っている人に対して、どんなものなのかを広く浅く理解してもらう為に役立つ内容となっているのではと思います。

また、トラフィック・ライト・ガイドという指標を用いて、日常における腰痛を含めた痛みとの向き合い方を説いています。 
これは、クライアントへ機械的刺激を加えた際の反応を重視するマッケンジー法において、セラピストが評価・治療・指導をする際のリスク管理という意味でも重要な指標となります。

また、日常生活における具体的な注意点に関しても述べられていますが、肝心のマッケンジーエクササイズに関しては、最小限の内容となっています。 
この本は、エクササイズ方法の紹介というよりは、腰痛をとりまく現状やマッケンジー法の内容を知ってもらったうえで、『痛みは自身で治療・コントロールしていくことが大切』という、このコンセプトの核となる点を紹介する事に重きを置いているからだと思われます。 
そのため、詳細なエクササイズ方法を知りたい方は、『自分で治せる! 腰痛改善マニュアル 』のほうがおススメです。

 

その他、私が印象に残った点を列挙しておきます。

  • デンマーク、アメリカミシガン州の公的機関から発行している腰痛ガイドラインにおいてマッケンジー法が推奨されている。

 

  • 1990年代後半にマッケンジー法を取り入れた腰痛専門クリニックが開院されたデンマークのユトランド地方において、開院された時期を境に腰椎椎間板ヘルニアの手術件数半分以下となり、他のデンマークの地域に比べても手術件数が半分以下にまで減った。

 

  • 痛みは絶対悪では無い。痛みが生じるには意味があり、その痛みが生じた際の対処方法を知った上で、『痛みを使いこなす』という視点が大切。

 

  • 腰痛の再発予防は習慣という意味で『歯磨き』と同じ。虫歯を治した直後は、二度と辛い思いをしないためにも、丁寧な歯磨きを継続するはず。また、『風邪はひき始めが肝心』と言われるのと同じで、腰痛のおいても少し痛みが出たという時に正しく対処し悪化させないための知識を有しておくことは大切。

 

マッケンジー法に関しては以下の記事も作成しているので、興味がある方は観覧してみて下さい。

⇒『マッケンジー法(MDT)まとめ(腰痛を例にして解説)

⇒『(HP)マッケンジー法をザックリと解説します

 

 

痛みナビ体操シリーズ(腰痛・膝痛)

 

マッケンジー法と造詣が深く、ビンマッケンジー氏の著書の翻訳(自分で治せる! 腰痛改善マニュアルも手がけている銅冶 英雄医師による『痛みナビ体操シリーズ』を紹介します。

 

 

 

 

これらの書籍は、マッケンジー法をベースとしつつ独自の解釈を加えた内容になっていると感じます。

 

必ずしもこの書籍だけで全ての腰痛・膝痛が改善するわけではありませんが、「腰痛・膝痛持ちの患者さん」「腰痛症・変形性膝関節症に携わる療法士」ともに最低限有しておきたい知識として是非一読してもらいたい内容となっています。

 

※一般書籍(専門書籍としての扱いではない。もちろん表現も平易)扱いなため値段が手ごろな点もオススメです。

 

※いずれの書籍も比較的高評価を得ていることからも、書籍の有用性は判断してもらえると思います。

 

※腰の痛みナビ体操に関しては「脊柱管狭窄症」なる疾患名がタイトルについていますが、中身は「疾患名に拘らず、機能評価を重視して、反応の良い体操を実施することの重要性」が説かれています。

 

 

腰痛を治すからだの使い方

 

 

腰痛予防に大切な内容を、イラストをふんだんに用いて分かりやすく解説しています。

イラストの分かりやすさは断トツです!

そのため、クライアントへに手渡して日常生活に活かしてもらったりなどにも使えます

 

当ブログでは、体の使い方に関して(補足的な記述になりますが)以下の記事で紹介しています。

⇒『急性腰痛(ぎっくり腰)中期以降におけるリハビリに関して

 

また、椎間板ヘルニアの予防に関しては「朝の作業による弊害」が指摘されており、この点に関しては以下の記事で紹介しています。

⇒『椎間板ヘルニア後期におけるリハビリに関して

 

 

オススメ書籍まとめ一覧

 

以下の記事では、リハビリテーション(理学療法・作業療法)に関連のあるオススメ書籍をまとめているので、ぜひ合わせて観覧してみてください。