神経系の評価には特別なものはないが、
強いて言うなら『神経ダイナミックテスト』というものがある。

 

その中で、例えばスランプテストというのは、メイトランドが腰部の評価の一部として考え出したテストである。

 

スランプとは背中を丸めるというような意味で、腰部の評価の一部として開発されたもので当時は神経に特化した評価という訳では無かったが、エルビーやバトラーという人が「どうも神経の緊張・刺激に反応しているのではないか」ということで1990年代くらいから神経の評価として用いられるようになった。

 

しかし、これが陽性になったからと言って、神経がやられているかというと、全くの別問題。

 

なぜなら神経ダイナミックテストは正常な人からも陽性所見が得られるからだ。

 

※ちなみに私は、神経系に関しての悩みは有していないものの、正中・尺骨・橈骨神経のどのテストでも不快な神経による痛みが誘発されてしまう。

 

そのため、例えば神経ダイナミックテストによって誘発された症状が、普段クライアントが困っている症状と同じかと言う点などは大切となってくる。

 

これらも含た様々な評価で、神経の特徴に概ね一致すれば「神経に問題がある可能性が高い」という事になる。

 

しかし、それでも筋など他の原因が完全に否定できる訳では無いので、治療の優先順位は神経系を上位に据えながらも、多面的に考えていく必要がある。

 

現在の徒手的理学療法は体系付けての評価が主流となっている。

 

例えば仙腸関節の疼痛ストレステストを一つやって陽性になったからと言って「仙腸関節の問題である」という事にはならない。

 

これは(極論として)疼痛ストレステストを10個実施して全て陽性であったとしても同じである。

 

そこから更に、自動運動テストで特徴的な動きが出たり、関節副運動テストを実施たときに特徴的な抵抗感を感じたりなど、そいういった確証が全てそろって、愛護にそれに対してピンポイントに治療して改善したということで初めて「仙腸関節に問題があったのではないのか」という事が出来る。

 

要は神経系に問題がありそうだと思った際も、『治療の優先順位は上位に据えながらも多面的に考えていく必要がある』ということである。

 

 

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