この記事では、『ケルニッヒ徴候(Kernig Sign)』について記載している。
ケルニッヒ徴候とは
ケルニッヒ徴候とは、髄膜刺激症状の一つである。
髄膜炎・クモ膜下出血など髄膜刺激をきたす疾患がある場合に、ブルジンスキー徴候(Brudzinski test)とともに重要な徴候である。
※ブルジンスキー徴候は、このサイトではPNFとして別記事に記載している。
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ケルニッヒ徴候のテスト
ケルニッヒ徴候のテストは以下の通り。
①背臥位で股関節+膝関節を90°に屈曲にした状態で、療法士は下肢を保持する。
②療法士はイラストの様に(膝を押さえながら」他動的に膝関節を伸展していく。
以下がケルニッヒ徴候の動画となる
※上記の股・膝90°屈曲位からスタートというのは杓子定規な方法であり、臨床では動画の様な感じでOK。
ケルニッヒ徴候の判断基準
ケルニッヒ徴候の陰性or陽性は以下で判断する。
ケルニッヒ徴候が陰性:
大腿と下腿の角度が135°以上(=膝関節伸展-45°以下)となる
ケルニッヒ徴候が陽性:
大腿と下腿の角度が135°未満。
単に、膝伸展制限があるだけでなく、膝屈筋群が不随意的に収縮している場合があるため、この点も重要なポイントとなる。
正常でのエンドフィールは『軟部組織伸張性エンドフィール(tissue stretch)』であり、ハムストリングスの伸張により制限される。
そして、髄膜刺激だけでなく「単純にハムストリングスが硬い人」でも陽性(135°以上伸ばすことができない)となる可能性がある。
従って、エンドフィールを注意深く観察し「単なるハムストリングスの伸張による制限」なのか「筋攣縮も伴っているのか」も判断材料の一つにする必要がある(つまり病的なエンドフィール)。
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あるいは髄膜刺激であれば「単なるハムストリングスの伸張痛」とは異なった疼痛(広範症状も含めて)が出現する可能性もあり、「痛みの質」も判断材料の一つになる。
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ケルニッヒ徴候と類似した用語として『ラセーグ徴候』や『SLRテスト』がある。
それらの用語に関しては以下で解説しているので、合わせて観覧すると用語の整理に役立つかもしれない。
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