この記事は理学療法士の将来性に関する記事だが、未完成であり、私のメモ的な要素も強い。
なので観覧する際は、その点に十分注意して頂きたい。
目次
将来性を「理学療法士の就職先」から考える
将来性を考えるにあたって、職域の広さは重要となる。
そして「職域の広さ」という意味では拡大傾向にあり、その意味では将来性は高いと言えるかもしれない。
特に、介護保険分野への参入は、資格導入当初の「病院内という閉鎖的な職域」から大きく将来性が広がったと言える。
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理学療法士の就職先には以下の様な場所が挙げられる。
①病院・診療所などの医療施設:
病院や診療所などの医療施設では、治療の一環としてリハビリが行われる。
理学療法士は、医師・看護師・作業療法士などの他職種とも協力をしながらリハビリを実施し、病気や怪我で入院、通院している患者の身体機能回復をサポートする。
「病院・診療所などの医療施設」は、理学療法士の就職先として一番多い。
また、通所リハビリ(デイケア)や訪問リハビリも手掛けている病院が増えているため、場所によっては様々な立ち位置による理学療法を経験できる。
※ちなみに私は、病院で働いており、通所リハビリや訪問リハビリにも携わっている。
②介護老人保健施設:
介護を必要とする高齢者が自宅で自立した生活を送れるようにすることを目指して、医師の管理のもと、リハビリや看護・介護などのサービスを提供する施設。
一時的にに入居したり、宿泊したり、通ったりしてサービスを利用することができる。
③訪問看護ステーション(における訪問リハビリテーション):
退院後に自宅で療養いている患者、自宅で介護を受けている高齢者などを訪問してリハビリを実施する理学療法士が所属している。それぞれの生活や環境に合わせたリハビリを行う。
※現在は、訪問リハビリステーションという形での起業は許されていないため、訪問看護ステーションという形で起業している会社に所属して、そこから訪問リハビリを提供する必要がある。
※理学療法士協会は、訪問リハビリステーションが法制化されるよう働きかけているが、実現可能か今のところ不透明である。
④学校:
病院などの現場で5年以上働いた理学療法士は、理学療法士を養成する学校の教員や、障害を持つ子供を対象とする特別支援学校の教員(免許状が必要)として働くことができる。
一方で、あまりにも若くして教員になったは良いが、知識が不十分であったり、自分が経験した数少ない非常に偏った経験を基にした、レベルの低い指導が問題となっている。
つまりは、理学療法士の質の低下のみならず、理学療法士を指導する教員の質の低下も言われている。
また、教員をしたは良いが上手くいかず、結局臨床に戻ってくる理学療法士も少なくない。
※もちろん、臨床経験のみでは語れないような素晴らしい先生も存在し、学生寄りな目線で指導能力もずば抜けて高い教師もいたりする
⑤その他:
その他の就職先として、老人福祉施設・児童福祉施設・身体障害者福祉施設・スポーツ関連企業(スポーツジムを含む)・スポーツチーム・行政機関などで働く理学療法士も存在する。
~画像引用『理学療法士を取り巻く現状について』~
ちなみに以下は、『理学療法士協会50年史』に掲載されていた「施設別会員数の推移(会員が、どん職場で働いているか)」と「会員が働いている施設数の推移」となる。
施設別会員数の推移(会員がどんな職場で働いているか):
※会員数が爆発的に増えているのが分かる。
※医療施設で働く会員が、今も昔も多いということが分かる
会員が働いている施設数の推移:
※会員が働く施設の数は、医療施設より福祉施設のほうが増加率が高いことが分かる。
※特に、理学療法士を採用している老人福祉施設数は昔と比べて増えているのが分かる(10年間で3倍に増えている)。
将来性を「理学療法士になるための学校」という視点から考える
以前は理学療法士の養成校は少数であったが、規制緩和とともに膨大に増えており、容易に学校へ入学できるようになってしまった。
理学療法士になるための学校としては以下の様な種類がある。
※学校の数は平成26年度の理学療法士養成校数
①4年制大学:計98校(国立13校・公立10校・私立75校)
②4年制専門学校:計67校
③3年生専門学校:計80校(国立1校・私立79校)
④短期大学:計3校
⑤特別支援学校:計2校(国立1校・公立1校)
専門学校に関しては、夜間部が存在している所もあり、夕方から夜にかけて授業を受けられるというメリットを活かして、昼間働きながら理学療法士を目指すことも可能となっている。
ちなみに、専門学校が4年制よりも3年制のほうが多いことや、短期大学が存在していることは意外と知られていないのではないだろうか?
ただし、H28年4月に「雑誌:理学療法学」に同封された「急告 会員の皆様へ」というチラシには以下の様に記載されていた。
会員の方々におかれましては、臨床・教育・そして研究などにお忙しい日々をお過ごしのことと思います。
さて、2025年完成予定の地域包括ケアシステムは、これまでの規制や慣習を突破して、新しい医療・介護・福祉などの再構築を目指すものです。
この流動的な状況だからこそ、我々理学療法士にも大きなチャンスがありますが、それは他の職種にも言えることです。「食うか食われるか」の状況は、これからいよいよ本番を迎えると言っても過言ではありません。
~理学療法士協会が抱える解決困難な課題~
1.理学療法士及び作業療法士の改定
・理学療法の対象を「身体に障害のある者」に「身体に障害の恐れがあるもの」を追加すること。
・「医師の指示の下」を「主治医の医師がある場合はその指示の下」に変更すること
・国家試験受験資格を「3年以上」から「4年以上」に変更すること
2.診療報酬及び介護報酬
・リハビリテーション料に理学療法士を明記すること
・リハビリテーション料にリハビリ専門職以外の参加を阻止すること
・介護報酬の引き上げを行うこと
・訪問リハビリステーションの設置を法制化すること
3.公的保険終了後の理学療法
・ポストリハビリテーションに関する理学療法士活動を明確にすること
上記によると、理学療法士協会は「国家試験受験資格を3年から4年に引き上げること」すなわち、3年生の学校を廃止にする方向で活動を行っているようだ。
従って、いずれは3年生の学校は消失していることになるのかもしれない。
将来性を「理学療法士の人数」から考える
前述したように、理学療法士の養成校の開設に関するまりが1990年代に緩やかになったことがきっかけとなり、養成校が激増した。
~画像引用『理学療法士を取り巻く現状について』~
それに伴い国家試験の受験者、合格者も激増し最近では年に約1万人が資格を取得し、資格取得者は2014年末で12万人を超えた。
~画像引用『理学療法士を取り巻く現状について』~
※ちなみに、作業療法士の数も増しているものの、それぞれの資格取得者数にはどんどん開きが出てきている(2014年末で作業療法士の資格取得者は約7万人)。
※これは、作業療法士よりも、理学療法士を目指す人が多い傾向にあることを示しているのかもしれない。
そして、将来性と言う観点からは「膨大に増え続ける理学療法士の数」というのは「売り手市場」から「買い手市場」への返還を意味するため、良いことではない。
例えば一昔前は、理学療法士は少数で希少価値が高かったため、各種職場で引っ張りだことなり、アルバイトの時給も破格だったらしい。
しかし、現在に至っては「使い捨ての駒」程度にしか扱われない職場もあるらしい(ちと表現が大袈裟だったかな??)。
ちなみに、『理学療法士協会50年史』にH10~H27までの国家資格合格者の推移が掲載されていたので添付しておく。
理学療法士が、他の職種(看護師など)と比べてメチャクチャなスピードで増加しているのが分かる。
将来性を「理学療法士の給料」から考える
給料が高ければ、それだけ「将来性も高い」と言えるのではないだろうか?
しかし前述したように理学療法士の数が増えすぎて「買い手市場」となっているため、給料アップはあまり期待できない。
更には(超高齢化社会を迎えるにあたって社会保障費を抑制するために)診療報酬・介護報酬は削減される傾向にあり、これも給料に直結する要素と言える。
キャリアガーデンによると、H27年度の理学療法士および作業療法士の平均年収は31.5歳で約405万円となっている。
詳細は以下の通り。
・平均年齢:31.5歳
・勤続年数:5.3年
・労働時間:162時間/月
・超過労働:5時間/月
・月額給与:284,000円
・年間賞与:639,900円
・平均年収:4,047,900円
キャリアガーデンにおける上記の一年前(H26年度)のデータは以下なため、予想に反して給料は上がっているという事か???
・平均年齢:31.3歳
・勤続年数:4.8年
・労働時間:162時間/月
・超過労働:4時間/月
・月額給与:274,000円
・年間賞与:609,400円
・平均年収:3,897,400円
ちなみにH27年度における、その他の医療職種の給料は以下の通り
栄養士⇒平均年収は34.8歳で340万円
薬剤師⇒平均年収は38.7歳で533万円
看護師⇒平均年収は38.2歳で約478万円(准看護師の平均年収は48.3歳で約396万円)
介護福祉士⇒平均年収は39.7歳で316万円
医師⇒平均年収は、40歳で1,100万
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