神経障害性疼痛に関して分かりやすい解説がなされている動画を発見したので紹介する。
痛みには様々な分類法があり、その中の一つが以下となる。

 

  • 侵害受容性疼痛(Nociceptive pain)
  • 神経因性疼痛(Neurogenic pain)
  • 心因性疼痛Psychogenic pain)

 

スポンサーリンク

 

目次

閉じる

侵害受容性疼痛

 

侵害受容性疼痛は、侵害刺激や実際に組織損傷が加わった際に生じる痛みであり侵害受容器(nociceptor)を介した痛みである。

 

例えば、転倒して生じた打撲痛や、誤ってハサミで指を気づつけてしまった際の傷口の痛みなどは侵害受容性疼痛と言える。

 

神経因性疼痛

 

神経因性疼痛は「末梢神経もしくは中枢神経の機能異常によって生じる病的な痛み」を指す。

 

神経因性疼痛には「一過性な痛み」と「一過性ではない痛み」に分類され、「一過性でない痛み」は、『神経障害性疼痛(neuropathic pain)』と呼ばれる。

 

侵害受容器が刺激を受けていないにもかかわらず、その中継である痛みの伝導路のニューロンが自発的に興奮することによって生じる痛みを指す。

 

『一過性の痛み』としては、「長時間正座をした後に立ち上がろうとすると痺れなどの異常感覚と共に生じる痛み」が該当する。

 

※直ぐに痛みは消失するので「一過性の痛み」となる。

 

『一過性でない痛み』としては、交通事故などの大けがで四肢を切断したのちに生じる「幻肢痛」などが該当する。

 

※幻肢痛とは、切断して存在しないはずの四肢(幻肢)に痛みを感じている状態を指す。

 

※あるいは糖尿病ニューロパチーなども該当する

 

いずれにしても「侵害刺激や実際に組織損傷が加わっていないにも関わらず生じる痛み」の一部は神経因性疼痛の要素を持っている可能性がある。

 

 

心因性疼痛

 

心因性疼痛は、解剖学的(器質的に)説明のつかない、もしくは痛みの程度に合致するだけの病変が見いだせない痛みを指す。

 

しかし、多くの文献では「診断がつかないものすべてを心因性疼痛と定義するという意味ではない」とされており、注意が必要である。

 

例えば、「心因性疼痛」として片づけられ易い痛みの中にも「神経因性疼痛」の要素が加味されている可能性がある。

 

更に言うと、多くの痛みは「侵害受容性疼痛」「神経因性疼痛」「心因性疼痛」と竹を割ったように分類されるものではなく、これらが複合的に併存していることが多いと言える。

 

 

神経障害性疼痛を分かりやすく解説した動画を紹介!

 

以下の動画は、この記事でも記載した『神経因性疼痛(の中の神経障害性疼痛』に関して非常に分かりやすい解説がなされた動画となる。

 

※一般の方には難しく感じると思うが、理学療法士・作業療法士にとっては分かりやすいと思われる。

 

※歯科医師の先生による解説らしく、歯科の話も出てくるが、そこはすっ飛ばして観覧して頂きたい。

 

※20秒経過した時点からスタート

 

上記の動画を観覧したのちにリンク先『ペンインリハビリテーション』を観覧して頂ければ、一層理解を深めることができると思う。

 

痛みの基礎知識を解説!

 

原因による痛みの分類(侵害受容性・神経因性・心因性疼痛)

 

神経障害性疼痛で重要な感作(中枢・末梢性感作)を解説!

 

 

また、以下の記事も痛みに関する理解を深めるためにおススメである。

 

急性痛と慢性痛(+違い)

 

徒手理学療法の臨床推論における前提条件とは?

 

認知行動療法とは?痛みリハビリへの応用を解説!

 

 

参考書籍:ペインリハビリテーションを生きて