この記事は、理学・作業療法士がフリーランスとして活躍することに対するデメリットにフォーカスした内容となります。

 

「職場に縛られずに自由に働ける」という点でフリーランスのメリットがフォーカスされる場面があるものの、当然のことながらデメリットも存在するという点に言及しているという事になります。

 

※メリットに関しては他者のブログをご参考下さい

 

この記事で記載するフリーランスのデメリットは、フリーランスのみならず、(理学・作業療法士が整体師として)整体院を開業する際にも当てはまる内容なので、整体院を開業しようとしている人達にも参考になる点はあるのではと感じます。

 

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目次

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フリーランスとは

 

フリーランスに関して、ウィキペディアでは以下の様に説明されています。

 

「フリーランス(英: freelance)は、特定の企業や団体、組織に専従しておらず、自らの才覚や技能を提供することにより社会的に独立した個人事業主もしくは個人企業法人である。略してフリーと呼ばれる。」

 

つまり、「特定の企業や団体、組織に専従していない」という点で非正規労働者と言い換えることも出来ます。

 

もちろん、非正規労働者とはいっても、フリーランスのポイントは「自らの才能や技能を提供することにより・・・・」という様に、特定の才能を有している人に使われるのが一般的ではある点は、単なる非正規労働者とは異なる点であるかもしれません。

 

※したがって、自身を非正規労働者ではなくフリーランスと呼ぶからには、何らかの秀でた能力を持っていると解釈しても良いかもしれません。

 

ただし、「何らかの能力に秀でている」=「正規労働者よりも稼げる」という方程式は必ずしも成り立たない点には注意が必要です。

 

 

非正規労働者の問題点

 

今回のテーマである「フリーランス」から少し離れて、非正規労働者の深刻化した問題を記載していきます。

 

2014年現在の国内の総労働人口に占める非正規雇用者の割合は37.4%と、20年前が20.3%だったことを考えても大幅に増えていることが分かります。

 

そもそも、昔は非正規労働者は一般的ではなく、通訳などの高度な専門技術を要する人達が、フリーランスとして仕事を請け負っていたとされています。

 

ですが、フリーランス・派遣社員といったキーワードが「極わずかな専門職」から徐々に拡大し、現在では一般的な働き方としても定着してきています。

 

とくに広がりを見せたのが2000年ごろで、そのころ「フリーター」なる言葉がもてはやされ、ひろく若者ににも普及していったとされています。

 

「誰に指図されるわけでもなく、自由気ままに収入を得ることができる」

 

当時は自由で新しい働き方として上記な価値観で「フリーターはカッコ良い」というプラス評価をする風潮もあったようです。

 

※当時のフリーターの中には、サラリーマンとしての働き方を小馬鹿にした風潮すらあったとされています。

 

※これって、開業している理学・作業療法士の人たちが、施設に従事している理学・作業療法士をディする際の常とう句に似ているような気がします。

 

そして、フリーターに魅力を感じて青春時代を謳歌してきた人たちの一部は、現在の派遣切り・就職難などによってツケを払わされるケースもあるようです。

 

フリーランスを含めた非正規労働者は正規労働者の3分の1しかもらえない?

 

フリーランスも含めた話題に戻します。

 

フリーランスを含めた非正規労働者(フリーターも含む)のメリットに魅かれるのは自由ですが、(この記事の冒頭でも示したように)デメリットも把握しておく必要があります。

 

そして、そのデメリットの筆頭に挙げられるのは「年金格差」です。

 

例えば同じ年収であっても、厚生年金をかけている場合と、国民年金だけの場合、受給額にどれくらい差があるかは知っておいても損はないと思われます。

 

様々な計算方式があるので自身の所得と照らし合わせてみてほしいのですが、

 

年収400万円であれば国民年金部分の78万円しか支給されないということになり、(例えば首都圏で暮らす一人暮らしの高齢者の生活保護費が概ね150万円だという試算を採用するとなると)老後の年金(78万円)だけでは到底足りないということになります。

 

※もちろん、私達が老後を迎える際は、厚生年金加入者であっても、それだけでは到底生活できない状況になっていると思われます。ただし、国民年金だけの場合と比べてどうなのか?という話になります。

 

そして、同じ年収400万円でも正規社員(厚生年金加入者)と比較した場合、老後の年金は1年間で約110万円の差が生まれるということになります。

 

※仮に65歳から20年生きるとしたら約2200万円、30年なら約3300万円の差が生まれるということになります。

 

つまり、同じ年収であっても厚生年金に加入しているか否かで、老後の年金受給額には相当な違いがあるということです。

 

そうなってくると、厚生年金に入っていない場合は、現役時代にそれだけ多くの貯金を作らなければならないことを意味します。

 

※平均年収を得ている正規雇用者であっても老後のリスクが高いと言われている昨今において、非正規労働者のリスクがどれだけ高いのかということになります。

 

 

理学療法士・作業療法士がフリーランスや開業をすることのデメリット

 

もちろん、フリーランスや整体院の開業によって、理学療法士・作業療法士の収入が青天井となる可能性があり、これはビッグチャンスと言えるでしょう。

 

ですが、あまりにメリットばかりに目を奪われるのではなく、デメリットにも目を向けて、それらを天秤に掛けた上で(自身の適正も踏まえた上で)判断することが大切だという事になります。

 

そして、そのデメリットの一つに、今回取り上げた年金問題があります。

 

もし理学・作業療法士としてフリーランス・開業をしようと思うのであれば、収入(もちろん整体院の家賃や光熱費、その他雑費諸々を除いたもの)が正規労働者よりもある程度上回っていて、なおかつ労働者よりも収入があるからと散財せずに貯金することで、初めて安定した老後が迎えられるという事になるかもしれません。

 

※フリーランスや開業の目的が「お金に対する不安」であるならば、尚更この点には着目しておかなければなりません。

 

※ただし開業では雑費として様々なものを経費として計上するなど自営業者ならではの恩恵を得ることも可能ですが、この記事ではデメリットにフォーカスしているので割愛します。

 

もちろん、若いうちから老後の事をいちいち考えて人生を送るのはナンセンスだと思います。

 

※そんな事ばかり考えて生きるのってつまらないですよね?

 

ただし、(何度も重複しますが)「フリーランス」「開業」といった領域に自身が踏み出す直前くらいは、老後の事を一度だけでも考えることは、決して損はしませんよと言う提案になります。

 

※そして、様々な吟味してフリーランス・開業に踏み出した後は、老後や貯金などは考えずに、自分のやりたいことに全力を注ぎ、結果に向かって突き進めば良いと思います。

 

※理学・作業療法士のメリットの一つとして「「安月給ではあっても)再就職が容易である」という点は強みなので、「一度フリーランスや開業に踏み切って、ダメなら戻ってくる」といったチャレンジがし易い職業な点は追い風かも知れません。

 

 

関連記事

 

日本の年金制度はいわゆる「3階建て」と呼ばれます。

  • 一階⇒国民年金(基礎年金)
  • 二階⇒厚生年金(公的年金)
  • 三階⇒企業年金

 

ちなみにフリーランスは国民年金なのでかなり低い額しかもらえないということです。

※昨今、厚生年金ですら老後を年金だけで生活するのは無理ですが、国民年金はそんな次元ではないほどの額しかもらえないということです。

※会社員であれば、厚生年金の保険料は会社と折半だが、フリーンスは国民年金保険料を全額自己負担しなければならない。

 

でもって、三階部分の『企業年金』には最近着目されているiDeCo(確定拠出年金)も該当し、現在では企業のみならず個人でも活用できるようになっているため、出来るだけ安心して老後を迎えるための手段の一つとして(企業年金の無い会社員はもちろんのこと)フリーランスも活用するに越したことはない。

 

そんな確定拠出年金に関しては以下の記事も参考にしてみてほしい。

 

資産運用の決定版?! 若いうちから確定拠出年金は知っておこう

 

 

会社員は、以下の「4つの保険」に加入しています。

  • 健康保険
  • 厚生年金保険
  • 労災保険
  • 雇用保険

 

でもって、会社員であれば健康保険・厚生年金保険・雇用保険の保険料は会社と折半、労災保険の保険料は会社の全額負担してくれます。

 

一方でフリーランスは労災保険や雇用保険が無いため、病気やケガで仕事ができなくなっても保障はありません。

つまり、いざというときに備えるためには、貯金をしておいたり、所得補償保険や就業不能保険に自己負担で加入しておいたりする必要があるのです。

 

もしフリーランス・開業(起業)を考えているのであれば、これらの点には注意しましょう。

 

開業(起業)については以下の記事も作成しているので、興味がある方は観覧してみてください。

 

理学療法士・作業療法士の開業権は将来もムリ、メリットも無し!