この記事は『痛風』について解説した記事になる。
痛風とは
痛風とは以下を指す。
俗称として「贅沢病」などとも言われ、暴飲暴食や、特定の食事に注意する必要があったりする。
痛風により関節炎をきたすと、疼痛・腫脹・発赤が生じ、しばしば微熱や白血球増多も伴う。
痛風の症状
痛風は、「風が吹いたレベルの刺激でも痛みが生じる」と言う意味で命名された疾患である。
つまり、痛風の症状は「痛み」なのだが、痛風の典型的疼痛部位は以下である。
この関節痛は、正しくは「急性関節炎発作」と呼ぶ。
※急性関節炎発作は、「母趾のMP関節」に起こることが多いが、足背・足関節・膝関節・手関節など痛みが出る人もいる。
「痛風による痛み」の一般的な特徴は以下の通り。
- 痛風は夜中に痛むことが
- 多い安静にしていても痛む
- 痛みは数日間で治まりまるが、尿酸値を下げないかぎり、再発をくり返す
- 痛風発作を何度か経験している人は、発作の前兆(違和感)を感じることがある
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『痛風結節(gouty)』という(痛風・高尿酸血症患者にみられる)尿酸塩の結晶が関節軟骨、軟骨下骨、皮下に沈着してできる結節が生じる場合がある。
痛風の原因
血液中の尿酸値が高い人に起こる。
※尿酸とは老廃物の1つで、体の細胞の核に含まれるプリン体が、新陳代謝の際に分解されてできる。
また、プリン体を多く含む食品を摂ることによっても体内でつくられる。
血液中に一定の量が存在し、通常は尿として排泄されるのだが、うまく排泄されなかったり、体内でつくられる量が多すぎると、プリン体は増えてくる。
でもって高尿酸血症と診断される基準は以下の通り。
高尿酸血症になると血液中に溶けきれない尿酸が結晶化して、関節に沈着する。
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そして、何らかの刺激で結晶がはがれると、そこに白血球が集まって強い炎症を起こす。
↓
尿酸値が8.5mg/dl以上になると、いつ関節炎(痛風発作)が起こってもおかしくないといわれている。
なぜ尿酸値が高くなるのか?
痛風は、食べすぎや運動不足が原因の「生活習慣病の一種」と言われている。
痛風は俗称「ぜいだく病」とも呼ばれることがあり、食材との因果関係が指摘されている。
※普段は痛風が生じなくとも、飲み会などで暴飲暴食をした翌朝に、当該部位が赤く腫れて痛みが生じているなんてこともあったりする。
でもって、それらを摂取しすぎないことが尿酸値を抑制する秘訣となる(具体的には後述)。
ちなみに、関節痛が生じた場合は、それが整形外科的なものなのか、それ以外(例えば痛風・偽痛風など)によるものなのかを鑑別する必要がある。
痛風の対策
痛風の対策は以下になる。
痛風による関節痛を治すには、尿酸値を下げることが必須となる。
ただし、関節炎でひどい痛みがあるときは、まずこれを鎮めるために、非ステロイド性消炎鎮痛薬やコルヒチンなど、痛風発作を抑える薬を用います(対処療法)。
痛みが治まったら、尿酸値を下げる治療を行います。尿酸の排泄を促す尿酸排泄促進薬や、体内で尿酸がつくられるのを抑える尿酸生成抑制薬が用いられます。
ただし、薬による治療だけでは不十分。
尿酸値を下げるには、食事や生活習慣を改めることが不可欠です「プリン体」が多く含まれる食品をなるべく控えることがポイントになる。
でもってプリンタイを多く含む食材としては以下などが挙げられる。
- 肉類や内臓類
- ウニやイクラなどの魚卵
- ビール
ウニやイクラは父親の大好物であり、父親は痛風持ち、尚且つ糖尿病持ちである。
※個人的にもウニやイクラは大好きなので気をつけねば。。
ちなみに飲酒に関して、ビールはプリン体が多い一方で、焼酎やウィスキーなどは少ないようである。
その他としては、尿酸の排泄を促すために水分をたっぷりとって、尿量を増やすことも大切になる。
関連記事
痛風と類似した用語に「偽痛風」なる疾患があり、以下で解説しているので興味がある方は観覧してみてほしい。
⇒『偽痛風ってなんだ? 変形性膝関節症と誤解しやすいので要注意!』
痛風の急性関節炎発作は、前述したように「母趾のMP関節」「足背」「足関節」「膝関節」「手関節」など他部位にわたって生じることがある。
でもって、他部位に渡って疼痛が生じる有名なのは関節リウマチであり、以下の記事で解説している。
⇒『関節リウマチとは? 発生機序や治療についてザックリ網羅!』
その他部位に渡って生じ、尚且つ難治性の疾患としては「線維筋痛症」や「CRPS(複合性局所疼痛症候群)」などがあり、興味があれば観覧してみてほしい。
⇒『線維筋痛症とは?個人的な体験も含めてブログで解説!(ガイドライン・エビデンス含む)』