『理学療法士・作業療法士がするべき正しい方向での努力』とは!(あなたは 魔道士 or 武道家?)

※この記事は「努力が実る3つの条件」としてシリーズで掲載しています。

 

※はじめての方は「理学療法士・作業療法士の努力が実る3つの条件」から観覧することをお勧めします。

 

※最初から読んでいただけていることが前提な記事となっています。

 

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理学・作業療法士がするべき正しい方向での努力とは?

 

『努力は裏切らない』という言葉は不正解。

 

『正しい場所』で、『正しい方向』で、『十分な量』でなされた努力であってこそ、裏切らないのだ。

 

という言葉の考察についての続きです。

 

どんな努力であっても、見当違いな方向で努力してしまっては、まったく意味がありません。

 

ですが、自分にとって正しい方向を見つけるのは容易なことではありません。

 

今回は、そんな「正しい方向」について考えてみます。

 

 

株式投資家ウォーレンバフェットの名言

 

下記はウォーレンバフェットによる名言で、最近までリンク先サイト「筋骨格系理学療法の世界」のトップページに、冒頭の名言と一緒に掲載していたものです。

 

『偉人の足跡をたどれば成功の確率は高くなる。問題は、正しい偉人を選べるかどうかだ。』

 

ウォーレンバフェットとは、世界屈指の投資会社「バークシャー・ハサウェイ」のCEO(最高責任者)で、株式投資をする人間であれば、日本人であったとしても知らない人はいないくらい有名な人物です。

 

バフェットは20歳ごろにベンジャミングレアムという経済学者の著書「賢明なる投資家」に出会って感銘を受け、以降は師事するようになります。

 

そしてグレアムの「バリュー投資」という手法はバフェットに多大なる影響を与え、この理論に「フィッシャー理論」を加えた考えが、現在のバフェット投資術の根幹にあります。

 

もし、グレアムに師事していなければ今のバフェットは存在しなかったでしょう。

 

 

模倣の重要性

 

バフェットはグレアムに師事することで、グレアム理論を模倣・アレンジし、成功を収めたと言えます。

 

そして、「成長するために一番効率が良いのは、自分だけで考えるよりも、まずは模倣することだ」という考えは、バフェットのみならず多くが賛同する意見ではないでしょうか?

 

歴史的な偉人であるモーツアルトも同じ世代の作曲家を研究するので有名だったそうです。

 

また、ウォルマート(スーパーマーケットチェーンであり売上額で世界最大の企業)の創始者であるサム・ウォルトンも自分の店にいるよりライバル店にいるほうが多かったと言われています。この逸話は、彼自身が「自分がやったことの大半は他人の模倣である」と公言していることからも事実と言えるでしょう。

 

「全ての創造は何かの模倣である」というのも有名な言葉ですが、これは例えば徒手理学療法にもあてはまります。

 

徒手理学療法には様々な手技が存在しますが、そのルーツを辿っていけばオステオパシーマニュアルメディスンにいきつき、極端な人では「徒手理学療法のオリジナルな手技は存在しない」と言う人もいます。

 

マニピュレーション(モビライゼーションを含む)はヒポクラテスの時代、そしてカイロプラクター・オステオパスと受け継がれ今日の理学療法士が使うようになったとされている。

 

特に、今日使用している治療手技は少なくともThomas Marlinが執筆した著書「On joint Manipulation 1934」に執筆されているものが多い。

 

関節の凹凸についての考慮、ベルトを利用してのマニピュレーションなどすでに1934年には行われていた。

 

このように歴史を理解すると、今日使用している治療手技の多くは起源が同じであることから、多くの学派の手技には共通性が多いことが分かる

書籍:パリス・アプローチ 実践編より~

 

つまり、私たちが用いている(真っ当な)テクニックは、この様に過去を模倣しながらブラッシュアップされて、脈々と受け継がれてきたものと言えます。

 

そして、これらを自分で最初から考え出してもよいわけですが、それよりも模倣して、そこから自身に合うようにアレンジしたほうが効率的だというわけです。

 

また、模倣は徒手理学療法に限った話ではなく、

 

理学療法に対して、リハビリに対して、仕事に対して、人生に対して

 

正しい模倣をすることは大切になってくると思います。

 

 

正しい方向の判断は難しい

 

模倣の手段は様々です。

 

上記で示したように誰かに師事する・あるいは組織に所属するでも良いですし、書籍によって知識を吸収するのも良いと思います。

 

しかし、問題はバフェットのいうように、それらが自分にとって「正しい方向」での模倣かという点です。

 

そして、自分にとっての正しい方向を見つける一つの方法として、『とにかく手当たり次第に努力(模倣)すること』という考えがあります。

 

この方法によりいずれは自分にっとって正しい方向が見つかると思われます。

 

「とにかくチャレンジしてみる」というのは非常に重要であり、「どうせ成功するか分からないし」としり込みせずに、まずは一歩踏み出してみる勇気が必要です。

 

もしチャレンジして失敗した(方向性が誤っていた)としても、それはあなたの財産になるはずです。

 

他方で、いつまでも方向性が定まらないのは問題で、(最初からとまでは言いませんが)ある程度チャレンジしていく中で、自分の方向性についてある程度あたりをつけていくことは大切です。

 

人生が有限である以上、このように方向性が絞れず、いつまでも手当たり次第にチャレンジしていては効率的とは言えません。

 

効率的かどうかによって、一定期間に生じる成長速度が変わることもあるでしょうし、時として後戻りできず運命の分かれ道にすらなってしまう可能性もあります。

 

ですが、内容を絞るために情報収集しようとしても、これらに関する情報は溢れかえっており、正しい情報だけを得続けるのは極めて困難です。

 

そんな状況下で私たちは、少なからず様々な情報を取捨選択するために必要な『情報リテラシー』を養っておかなければなりません。

 

そして、リテラシーを養うのと並行して、「自分とは何者なのか」というように自分を知ることに努める必要も出てきます。

 

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ファンタジーにおける魔法使いと武道家の話

 

ここで一つ、あなたを魔法使いに見立てて話をしてみます。

 

あなたが「強くなりたい」と願う魔法使いであるならば、実力があるという理由だけで武道家を師事してはいけません。

 

※その武道家が、たとえ「最強の武道家」と呼ばれていたとしてもです。

 

確かにその武道家は実力があり、あなたに対する「強くなるためのアドバイス」には説得力があるかもしれません。

 

「私は、この様な努力をしたからこそ強くなれた。あなたが強くなれないのは私のような努力をしていないからだ」と武道家に言われれば、何だか自分も同じことをしてみたくなるかもしれません。

 

しかし、あなたは武道家ではありません。

 

同じことをしたところで、途中で挫折するか、よくて平凡な武道家と肩を並べるのがやっとでしょう。

 

あたなたは魔法使いです。

 

であるなら、師事を仰ぐべきは武道家ではなく、あなたと同じ魔法使いであるべきです。

 

「強くなる」という目的を達成するためには腕力という手段もあり得ますが、それだけではないのです。

 

「強くなる」ための手段は無数に存在し、その中であなたに必要なのは魔力・魔法であるはずです。

 

 

終わりに

 

「魔法使いが強さを身につけるためには、腕力ではなく魔力や魔法を磨くべきである」というのは、当然すぎる例えかも知れません。

 

確かに、自分が魔法使いであると知っている時点で、何に努力を向けるべきかも自ずと理解しているはずです。

 

しかし、私たちはどうでしょう?

 

「自分は一体何者であるのか(得手不得手、性格などなど)」について、果たして熟知しているのでしょうか?

 

もし、熟知しているのであれば、「努力の方向」は自ずとわかっているはずです。

 

あるいは、熟知していないのであれば、「努力の方向」について思考をめぐらす作業と並行して、自分が何者であるかについて内省することも大切です。

 

「努力の方向」や「自身に対する内省」をする際に、書籍やネット上の情報は、自身の視野を広げるための有効なツールになるでしょう。

 

特にネットはお金も不要で、全国各地のリハビリに関する情報やセラピストの体験談へ容易にアクセスできるため、参考になることも多いと思われます。

 

ただし、これらはあくまで他者の意見にすぎず、これらの中から「自身にとって正しい方向」の情報を選びださなければなりません。

 

また、情報過多になりすぎると、本質を見失うため、これらの情報を遮断して自身を見つめなおすことも、時には必要かもしれません。

 

冒頭で紹介したバフェットは、青春時代を過ごしたニューヨークから故郷であるオマハという田舎町に戻ったあと、二度とオマハを離れませんでした。

 

そして、金融に関する最新の情報が飛び交うウォール街からはるか離れた田舎町で、「金融のプロ」が束になってもかなわない驚異的な投資実績をたった一人で実現しました。

 

バフェットがウォール街から離れた理由は、私利私欲にまみれた金融のプロが大嫌いだからであり、玉石混淆で情報過多な環境から一歩さがって本質を眺め、周囲に惑わされずじっくり自分で投資判断がしたかったからだとされています。

 

このエピソードは理学療法に関するネット情報に対峙する際のヒントも与えてくれるのではないでしょうか。

 

幸か不幸か、理学療法士としての成功であったり、人生における幸せであったりといった『目標』を達成するための手段は、一つではなく無限大に存在します。

 

バフェットの言うように、師事する相手(あるいは学ぶべきもの)を見つけるのは容易ではありませんが、他者に流されるのではなく、「自身は何者であるか」の答えに近づくことで、目標を達成するための自分に適した手段が必ず見つかるものだと思っています。

 

これからも他人に流されることなく、自分に合った手段・生き方をお互いに模索していきましょう。

 

次の記事はこちらから

 

この記事は『努力が実る3つの条件』としてシリーズで掲載しており、次の記事は以下になります。

 

『理学療法士・作業療法士の努力』の先にあるものとは?!

 

 

※このシリーズの記事一覧は『「努力は裏切らない」は本当なのか? コラムにしました。』をご覧ください。