この記事では、『日和見感染(ひよりみかんせん)』という用語について解説していく。
日和見感染とは
日和見感染(opportunistic infection)に関して、『理学療法大辞典』では以下の様に騎士際されている。
人が何らかの病原菌に感染した際の経過は以下によって決まる。
- 病原微生物の繁殖力や毒性
- ヒトの免疫・体力によって決まる
でもって、免疫力や体力のある若年者の場合は「感染しても発病しない(不顕性感染)」といったことも起こる。
しかし一方で、癌や免疫抑制剤などによる免疫不全により、以前から身辺や体にいたウイルスや菌により発症することもあり、これはが前述した「宿主の感染防御機構が疾病や薬物治療、手術などによって破綻をきたしたことによって、日和見感染が起こった(症状が顕在化した)」と言い換えることが出来る。
例えば高齢者に発病しやすいMRSAも日和見感染の一つであり、MRSAの発病が肺炎など他の疾患を誘発することで死亡にもつながる(肺炎は高齢者の死因上位を占める)ので十分注意したいところである。
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易感染性を引き起こす続発性免疫不全
日和見感染は、各種の病態あるいは疾患い続発して生じる免疫機能の低下であり、正常では起こり得ないような感染症を引き起こす(続発性免疫不全)。
以下は、易感染性を引き起こす続発性免疫不全の一覧である。
- 悪性腫瘍:各種癌・多発性骨髄腫・悪性リンパ腫
- 血液疾患:白血病・再生不良性貧血・顆粒球減少症
- 代謝異常:糖尿病・腎不全・肝不全・低栄養
- 自己免疫疾患:膠原病など
- 感染症:AIDS・麻疹・風疹など
- 薬物:副腎皮質ステロイド剤・免疫抑制剤
- 放射線照射:X線照射・アイソトープ投与など
- その他(非特異的防御機構の障害):未熟児・高齢者・外傷・各種カテーテル・ドレーン熱傷
※前述した『悪性腫瘍』『免疫抑制剤』に加えて『AIDS』なども続発性免疫不全の代表格と言える。
また、高齢者では特に疾患を有していなくとも加齢に伴う免疫低下がいられるので前述した一覧表にも記載されている。
関連記事
易疲労性によって高齢者が感染しやすい疾患の代表例として『MRSA』があり、この疾患に関しては以下で解説している。
また、MRSAも含めた「感染に注意すべき疾患」や「感染予防」についてまとめた記事は以下になるので合わせて観覧してみてほしい。