肩関節の関節可動域をチェックする際や、各種リハビリを実施する際の「肩のポジション」に関して以下の用語が用いられる場合がある。

 

1st plane(ファーストプレーン・ファーストポジション)

2nd plane(セカンドプレーン・セカンドポジション)

3rd plane(サードプレーン・サードポジション)

 

これらは、肩関節の内・外旋運動を各肢位ごとに分類するための称し方をして用いられる。

 

この記事では、これらの各用語について解説していく。

 

肩関節の1st plane(ファーストプレーン)

 

1st planeファーストプレーン)』は、『1st position第1肢位)』とも呼ばれる。

 

この肢位は「基本肢位(上肢を体側に下垂した肢位)から肘関節を90°屈曲した肢位」であり、一般的な肩関節外旋の関節可動域測定法と同じ肢位を指す。

 

ファーストプレーン,1st position,ファーストポジション

 1st planeにおける肩関節内外旋回最終域の制限因子

 

1st planeにおける肩関節内外旋最終域の制限因子は以下の通り(参考:ROM測定 第2版

 

  • 外旋最終域における制限因子:

    ・関節上腕靭帯上部線維

    ・烏口上腕靭帯

    ・関節包前方上部線維

    ・肩甲下筋上部線維

    ・大胸筋鎖骨部線維

    ・・・・など

 

  • 内旋最終域における制限因子:

    ・関節包後方中部線維

    ・棘下筋

    ・・・・など

 

 

肩関節の2nd plane(セカンドプレーン)

 

2nd planeセカンドプレーン)』は、『2nd position第2肢位)』とも呼ばれる。

 

2nd planeは「第1肢位から肩関節を90°外転した肢位」であり、一般的な肩関節外旋の関節可動域測定法の「別法」と同じ肢位を指す。

 

セカンドプレーン,セカンドポジション,2nd position

 

2nd planeにおける肩関節内外旋最終域の制限因子

 

2nd planeにおける肩関節内外旋最終域の制限因子は以下の通り(参考:ROM測定 第2版

 

  • 外旋最終域における制限因子:

    ・関節上腕靭帯下部線維

    ・関節包前方下部線維

    ・烏口上腕靭帯線維

    ・肩甲下筋下部線維

    ・大胸筋肋骨部

    ・大円筋

    ・小円筋

    ・前鋸筋

    ・・・・・・・など

 

  • 内旋最終域での制限因子:

    ・関節包後方下部

    ・棘下筋

    ・小円筋

    ・菱形筋

    ・僧帽筋中部・下部線維

    ・・・・など

 

 

1st position と 2nd positionの制限因子比較

 

念のため、ファーストポジションとセカンドポジションの制限因子の比較一覧は以下になる。

 

  • 外旋の制限因子比較:
    本法 別法

    ・関節上腕靭帯上部線維

    ・烏口上腕靭帯

    ・関節包前方上部線維

    ・肩甲下筋上部線維

    ・大胸筋鎖骨部線維

    ・関節上腕靭帯下部線維

    ・関節包前方下部線維

    ・烏口上腕靭帯線維

    ・肩甲下筋下部線維

    ・大胸筋肋骨部

    ・大円筋

    ・小円筋

    ・前鋸筋

 

  • 内旋の制限因子比較:
    本法 別法

    ・関節包後方中部線維

    ・棘下筋

    ・関節包後方下部

    ・棘下筋

    ・小円筋

    ・菱形筋

    ・僧帽筋中部・下部線維

 

 

肩関節の3rd plane(サードプレーン)

 

3rd planeサードプレーン)』は、『3rd position第3肢位)』とも呼ばれる。

 

3rd planeは「第2肢位から肩関節を90°水平屈曲した肢位」である。

 

別の表現をするならば「肩関節を90°屈曲(+肘関節90°屈曲)した肢位」である。

 

 

ファーストプレーン・セカンドプレーン・サードプレーンは俗称である。

 

ちなみに1stと2ndが「一般的な肩関節外旋の関節可動域測定法(日本整形外科学会および日本リハビリテーション医学会による関節可動域の表示ならびに測定法)」に記載されてる肢位なのに対して、3rdは記載されていない。

 

でもって、1st・2nd・3rdは日本でしか使用されてない俗語である。

 

3rd planeは「1stや2nd以外で、最低限に押さえておくべき指標」として注目されている。

 

重複するが、肩の場合1stや2ndだけで判断して良いのか?違うのではないか?という疑問から出発してつくられた肢位といえる。

 

※厳密には、これらの肢位だけでなく、各肢位の途中において内外旋角度がどの程度変化してくるのか?変化してくるのであればそれは何を意味しているか?ということを臨床推論することが重要となってくる。

 

これらの俗称に関しては、ある大学の先生だけが使用していたが、学会発表などでも「手短に表現したい」との理由で使い始めた結果、肩学会の中で蔓延してしまったという経緯がある(しかし重複するが、これらの用語は俗称である)。

 

なので、正式に「下垂位」「外転90°位」「屈曲90°位」という正式呼称を使ったほうが良いとの意見もある。

 

 

各制限因子を考察するために参考になる表を紹介

 

以下のイラストは1st・2nd・3rdにおける制限因子を考察する上で参考になる。

※画像引用:運動器疾患の「なぜ?」がわかる臨床解剖学

このイラストで考えると各肢位における制限因子は以下の様に整理できる。

 

  • 1st plane

    外旋⇒イラストにおける前上方の軟部組織が制限因子になり易い。

    内旋⇒イラストにおける後上方の軟部組織が制限因子になり易い。

 

  • 2nd plane

    外旋⇒イラストにおける前下方の軟部組織が制限因子になり易い。

    内旋⇒イラストにおける後下方の軟部組織が制限因子になり易い。

 

  • 3rd plane

    内旋⇒2ndと同じ。ただし、2ndより制限因子が強調されやすい。

 

上記は1stが「肩関節上方が伸張され、イラストにおける『下方』が短縮位になる」に対して、2nd・3rdは「肩関節の『上方』が短縮し、『下方』が伸張される」とまずは考えると制限因子にふるいをかける上で理解しやすい。

 

 

終わりに

 

これらの用語は、理学療法の教本における評価や治療方法を解説する際に、便宜上用いられていることがある。

 

なので、これらの用語が出てきたら思い出してみてほしい。