この記事では整形外科的テストの一つである『ケンプテスト(Kemp test)』について解説していく。

 

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ケンプテスト

 

ケンプテストの方法・陽性所見・解釈は以下になる

 

方法

患者を立位にし、検者はその後方に立つ。

検者は患者の両肩に手を置き、患者の体幹を回旋しながら左右の斜め後方に伸展させる。

※この肢位にて、重力による軸方向の圧迫が加わる。

 

以下のイラストは、左腰部評価として、腰部を伸展・左側屈・右回旋へ誘導している。

「体を丸めないようにしつつ、左手で太ももに触れたまま、踵に手を近づけるように沿わせて下さい」とった誘導が分かりやすいかもしれない。

 

陽性所見

坐骨神経の走行に一致した疼痛が起こる。

例えば、腰部伸展+右側屈+左回旋で「右椎間孔が狭小ストレス」が加わる。

 

これは、腰部の「右椎間関節の接触面積が最大になる(コンバーゲンス)」と言い換えることが出来る。

 

ちなみに、腰部屈曲・左側屈+左回旋では「右椎間関節の接触面積が最小になる(ディバーゲンス)」と言い換えることが出来る。

 

解釈

神経根障害、椎間板ヘルニアな可能性

 

ちなみに、前述したように腰部の伸展・右側屈・左回旋は、右椎間関節の接触面積が最大になる方向なので、椎間関節機能障害でも疼痛は生じるし、周囲軟部組織の感作・炎症が生じていても疼痛は生じる。

 

従って、「ケンプテストで疼痛が出現した=神経根症状・ヘルニア」ではなく、鑑別が必要。

 

 

ケンプテストの動画

 

ケンプテストの動画は以下になる。

 

 

この動画では、伸展・側屈・(対側ではなく)同側回旋の組み合わせ運動を採用しているので、ここまで記載した内容と少し違う点には注意してほしい。

 

 

関連記事

 

以下は、脊柱のカップリングモーション(組み合わせ運動)についての記載。

⇒『腰椎のカップリングモーション(組み合わせ運動)は文献によって異なるよ

 

上記リンク先にも記載されているように腰部の組み合わせ運動について統一された見解は無い。

しかし運動を誘導して伸展・側屈・反対側回旋した際は、側屈側の椎間関節の接触面積が最大になる可能性は高い。

 

 

「伸展・側屈を評価に取り入れ、側屈側の神経根障害を評価する」という意味では、ジャクソンテスト・スパーリングテストと同じなので、合わせて覚えることをオススメする。

⇒『“ジャクソンテスト”と“スパーリングテスト”を解説(頸部疾患に対する評価)