この記事では、リハビリ(理学療法・作業療法)で活用される「四肢(上・下肢)に対するPNFパターン」の動画を集めてみた。

 

また、補足として各PNFパターンにおけるポイントも記載している。

 

※掲載している動画はPNFパターンをザックリと理解するために動画は活用して頂きたい(動画の内容が、記事の内容と必ずしも一致していない点は注意して頂きたい)。

 

※PNFパターンを学んだことがある人は、参考にはならないと思うので閉じて頂いて構わない。

 

PNFパターンを学ンだことが無くて、興味が出た方は、後述する書籍、あるいは研修会で正規な方法を学んでみてほしい。

 

※地域によっては、平日の夜を使って数時間無料(あるいは低額な受講料)で学べたりと、様々な勉強方法があるので是非調べてみてほしい。

 

PNFパターンの基本的なポイントについては『PNFパターンを解説!』を参照。

 

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目次

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上肢の屈曲・外転・外旋パターン
上肢の伸展・内転・内旋パターン

 

動画では、「上肢の屈曲・外転・外旋パターン」と「上肢の伸展・内転・内旋パターン」を交互に実施している。

 

 

注意点として、(どのPNFパターンにも言えることだが)対象者には常に上肢を目で追ってもらうのが基本となる(視覚刺激)。

関連記事⇒『サイト:PNFの促通要素

 

また、一般的に言われるPNFパターンより屈曲・外転・外旋のグルーブが外転しすぎている印象を受ける(11時の方向ではなく、10時くらいな方向となっている)。

※デモだからかもしれないが・・・

 

同様に、伸展・内転・内旋パターンの開始姿位も外転しすぎている(極端な話、耳のすぐ外側くらいに上肢がくる)

 

その他、もう少し療法士が対象者の上肢に密着したほうが良いなど色々あるが、細かいところを挙げればキリがないので割愛する。

 

 

上肢の伸展・内転・内旋パターンの臨床メモ

 

 

  • PNFパターンを肩甲上腕関節だけで遂行しようとする患者がいるので、肩甲骨前方下制までしっかり出ているかチェック。出来ていれば自然と頭部も挙上(腹筋群も賦活)してくる(もちろん視覚刺激も留意)。
  • 腹筋群の賦活が主な目的であれば、最終域付近でのパターンでもだけで行ってもOK(起き上がりも途中からでOK)
  • パーキンソン病の起き上がりでは、抵抗強いと同時性収縮で動けないので素早い反復パターンの方が有効な場合が多い。
  • 患者の手首痛ければ、開始肢位における手関節は苦しくないポジショニングでも構わない(起こしたい反応に合わせて臨機応変に用いる)。

 

 

上肢の屈曲・内転・外旋パターン
上肢の伸展・外転・内旋パターン

 

動画では、「上肢の屈曲・内転・外旋パターン」と「上肢の伸展・外転・内旋パターン」を交互に実施している。

 

 

視覚刺激や、グルーブに関しては先ほどと同様。

 

上肢の伸展・外転・内旋パターンに関しては、開始肢位の段階で「手関節の掌屈・尺屈位(+前腕回外位など)からスタートできていない」という点は気になるところ。

 

 

上肢の屈曲・内転・外旋パターン臨床メモ

 

  • 患者の手首痛ければ、開始肢位における手関節は苦しくないポジショニングでも構わない。
  • 起こしたい反応に合わせて臨機応変に用いる。

 

 

上肢の伸展・外転・内旋パターン臨床メモ

 

  • 終了肢位も牽引で終わる。
  • ただし、杖を使用する練習であるなら、終了肢位で圧縮を加える。
    (昔は上肢も下肢も「伸展は圧縮」「屈曲は牽引」と分けていたが今は違う)

 

 

下肢の屈曲・内転・外旋パターン
下肢の伸展・外転・内旋パターン

 

動画では、「下肢の屈曲・内転・外旋パターン」と「下肢の伸展・外転・内旋パターン」を交互に実施している。

 

 

下肢の屈曲・内転・外旋パターン臨床メモ

 

  • グルーブには入れないが、その方向と平行になるよう頭側から尾側にかけて歩行肢位(患者膝の横に立つ)
  • 患者にベッド端へ寄ってもらい、一側下肢を外転させてベッドから出した状態で療法士の体ごと落としこんでいき開始肢位を作る。
  • 一側手は足背から足部内側に引っかける。反対手は膝周囲に接触させて下肢を内旋させる。⇒これで開始肢位が完成。
  • 腹筋群の促通が目的であれば、開始肢位からわざわざ始めなくとも、最終肢位からでOK。ただ患者がどういう方向に力を入れないといけないか分からない場合は、開始肢位から自動介助でも良いので方向を学習してもらってから実施する。

 

 

下肢の伸展・外転・内旋パターン臨床メモ

 

  • コンタクトは一側手は膝窩で、療法士の前腕長軸を対象者の大腿長軸に合わせて接触させる。
  • 反対手は足底に虫様筋握りで当てる(足趾屈曲で指が引っ掛かるように。脇はひらいて足関節背屈した足底に対して前腕長軸が垂直になるように。

    ※この状態で足底を圧迫することで足関節背屈出来る(つまり肘は天井側へ向いているはず)。

  • 膝窩に引っかけた手は途中で前腕回内させることで大腿へ抵抗を加える。
  • 運動の軌跡が内側へ途中で逃げてしまわないようにする。
  • 最終域で圧縮(立脚期の安定につながる)を加えながら終わることを忘れないように。
  • 最終肢位付近で時間的荷重を加えることによって殿筋・背筋を強調した促通が可能。

 

 

下肢の屈曲・外転・内旋パターン
下肢の伸展・内転・外旋パターン

 

動画では、「下肢の屈曲・外転・内旋パターン」と「下肢の伸展・内転・外旋パターン」を交互に実施している。

 

 

動画では、下肢の屈曲・外転・内旋パターンに関しては、開始肢位で足部を背面・底面で把持している。

 

これは、(時と場合によるが、一般的には)「運動方向のみに用手接触する」という原則から外れている。

 

※「運動方向のみの用手接触」は用手接触に「運動方向をガイドする」という目的もあるため(つまり、運動方向がブレないようにという意味がある)。

 

ギリギリ足底に手指が接触していない時もあるが、その際は母指でのみ抵抗をかけている。

 

ただ、下肢のパワーを考えると母指を傷める危険性があるので優位(基本は足背部に療法士の手部全体を接触させて抵抗をかける)

 

 

下肢の屈曲・外転・内旋パターン臨床メモ

 

  • 最終肢位付近で抵抗量が強すぎると、中殿筋(腸骨稜~大転子の間)が攣りそうになる(汗)。
  • 中臀筋が攣りそうな体験など滅多に無いことを考えると、股関節外転筋群を効率的に促通出来る手法と言い換えることも出来るのではないだろうか。
  • そうなると、歩行立脚期の安定性向上にも有効な可能性がある。
  • ただし、立脚期の安定性であれば伸展・外転・内旋+圧縮とも併用しながら鍛えていく必要あり(このパターンの方が歩行に近いから)。
  • また、下肢のPNFパターンにしては珍しく?、(どんなアスリートであろうと)療法士がパワー負けがあり得ないパターンなため、しない女性療法士でも運動療法に取り入れ易い(逆に言うと、高齢者では、抵抗はほとんど必要ないかもしれない)。
  • 重複するが、下肢の屈曲パターンは重力が既に大きな抵抗になっているため、臨床では抵抗は少なめにする。むしろ高齢者などには介助が必要なことも。
  • ただし、介助と言っても運動方向にしか接触しないという原則は守るため虫様筋握りで大腿をつまんで持ち上げるような感じ。
  • ADL動作としては、お風呂のまたぎ動作などでも活用できる。
  • 人工股関節置換術後でも注意して用いることあるとのことだが・・・・・・恐ろしくて試したことは無い。

 

 

下肢の伸展・内転・外旋パターン臨床メモ

 

  • 対象者のパワーに負けそうになることがあるが、ちゃんとしたPNFパターンになっていれば負けることは無い。
  • つまりは、足底全体に手を接触させるのではなく足MPにだけ母指・示指を引っかけるとピンポイントな部分にしか力を加えれないため、対象者は更に難しくなる。
  • その上で「小指で蹴って」と指示することが(足部の内反+)股関節外旋を引き出すために重要(療法士もパワー負けしない)。
  • 上手く小趾で蹴れない場合は、足部の動きだけ反復練習して遠位の動きを学習してから全体のパターンを練習する。
  • 運動は遠位から始まるので、遠位の動きが出ていないパターンは、それ以外が良くても意味がない。

 

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セラバンドを用いたセルフエクササイズ(ホームズエクササイズ)

 

最後に、セラバンドを用いた上肢PNFパターンのセルフエクササイズ(ホームエクササイズ)を紹介して終わりにする。

 

動画のエクササイズが、ここまで記載してきたPNFパターンのどれに該当するのかの復習も兼ねて観覧して頂ければと思う。

 

 

 

書籍やDVDでPNFパターンを理解

ここでは、視覚的にPNFパターンを学べるものを揃えてみた。

 

PNFパターンの様な運動は言語化した表現だけではピンとこないことも多いのので、ぜひ映像で理解してもらえればと思う。

上記は、書籍でありながらPNFの動画も網羅してあるので、コストパフォーマンスとしておススメである。

PNFパターンに関しても、ちゃんとした動画が観覧できる。

もう少しミッチリと動画でなびたいのであれば、『PNF の 治療 技術 : 臨床 応用 編1 ~ PNFの 最新 理論 と 腰痛 への アプローチ』 がおススメ。

 

PNFの基礎的な要素がかなり網羅されており、映像も踏まえて解説してくれた方が字面だけよりも頭に入ってきやすいと思う。

 

腰痛へのアプローチに関しても参考になる点が多かった。

 

※パート2PNF の 治療技術 : 臨床応用 編2 肩関節 への アプローチは個人的にイマイチだったが、こちらはおススメできる商品だと思う。

 

※もちろん、研修会に参加するのが一番である。研修会のメリットに関しては、以下でも言及しているので是非参考にしてみてほしい。

 

関節モビライゼーションの研修会・勉強会・講習会を教えます

 

 

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