この記事では、筋原線維(アクチンフィラメント・ミオシンフィラメント、I帯・A帯・H帯・Z線)について解説している。

 

アクチンフィラメントとミオシンフィラメント

 

筋原線維は筋収縮に重要なミオシンフィラメントとアクチンフィラメントを内包した細胞内の小器官であり、2つのZ板の間の筋収縮の最小単位である筋節(サルコメア)の繰り
返しによって形成されている。

筋節(サルコメア)は、筋収縮に重要なタンパク質であるアクチン重鎖とミオシン重鎖が部分的に重なり合って平行に存在している。

 

細いアクチン重鎖と太いミオシン重鎖が一定の長さを保ったままで滑り合うことで収縮する。

 

アクチンとミオシンが規則正しく並んでいるものが横紋としてみられるため組織学的に横紋筋とよばれる。

 

筋節におけるI帯・A帯・H帯・Z線

 

筋原線維は、規則正しい明暗の横紋が認められる。

 

この横紋の

  • 明るく言える部分をI帯明帯、暗く見える部分をA帯暗帯という。
  • A帯の中央のやや明るいく見える部分をH帯という。
  • I帯の中央にはZ線という区切りが存在する。
  • Z線とZ線の間を筋節という。

筋収縮時には「アクチンがミオシンに滑り込む」という現象が起こっている(=滑走説)。

この現象によりA帯・I帯は以下になる。

  • I帯の幅は(アクチンが滑り込んだ分だけ)短くなる。
  • A帯の幅に変化はない。

 

筋節は筋原線維の構造上の単位であると同時に機能上の単位でもある。