この記事では、『ベル・マジャンディの法則Bell-Magendie'slaw』について解説している。

 

目次

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ベル・マジャンディの法則とは

 

ベルマジャンディの法則とは以下を指す。

脊髄神経において、前根には運動性の遠心性線維が通り、後根は知覚性の求心性線維のみが通ること。

 

中枢神経から末梢への「指令」は前角から出て前根を通る。

末梢神経から中枢への「情報」は後根を通って後角から入る。

 

 

ただし、後に「前根に含まれる無髄神経線維は感覚性線維であること」が発覚している(つまり、厳密には「前根=運動神経しか通らない」ではない)。

 

従って、(上記のような例外がある以上)「法則」とは呼べないとの意見もある。

※これは「凹凸の法則」同じ。

 

 

「脊髄の前角・後角・側角」と「前根・後根」の因果関係

 

ここから先は、「脊髄の前角・後角・側角」「前根・後根」「脊髄神経の前枝・後枝」の因果関係について解説していく。

 

同じような用語なので、違いを整理してみて欲しい。

 

脊髄の前角・後角・側角は以下を指す。

「脊髄灰白質」の前方or後方or側方に突出している部分のこと。

 

一方で前根・後根は以下を指す。

前根と後根は脊髄神経に出入りする末梢神経が束になったもの。

 

脊髄の前角・後角・側角について

 

脊髄の前角・後角・側角について補足しておく。

 

前角・後角・側角の違いは以下の通り。

 

脊髄前角

大脳から運動の指令を伝える神経がニューロを乗り換え、神経線維を前根から出す。

 

脊髄後角

末梢からの情報を中枢へ伝える神経は、後根から入って後角でニューロンを乗り換える。

 

脊髄側角

第1胸髄から第1腰髄辺りまでには側角が見られる。

自律神経の交感神経は、ここでニューロンを乗り換え、前角から前根を通って末梢に線維を伸ばす。

 

 

「前根・後根」と「脊髄神経の前枝・後枝」の因果関係

 

ここから先は、「(前述した)前根・後根」と「脊髄神経の前枝・後枝」の因果関係について解説していく。

 

同じような用語なので、違いを整理してみて欲しい。

 

前根・後根は(前述したように)以下を指す。

脊髄に出入りする脊髄神経が通る部分で、脊髄の前方から出るものを前根、後ろから出るものを後根と呼ぶ。

 

末梢神経の前枝・後枝は以下を指す。

脊髄神経の前根と後根っこが合流した後、前後に分かれる枝のこと。それぞれ運動神経と感覚神経(または自律神経)の線維が混ざっている。

 

末梢神経の前枝・後枝について

 

脊髄神経の「前角から出る前根」と「後角からの後根」は上記イラストのように、脊髄の外で合流した後、すぐに前枝・後枝に分かれ、それぞれ枝分かれしながら全身に枝を伸ばしている。

 

脊髄神経の前枝

前枝は、体幹の体壁内面や四肢に分布する。

 

脊髄神経の後枝

後枝は、背部の骨格筋や皮膚に分布する。

 

終わりに

 

この記事では、 ベル・マジャンディの法則をベースに「前角・後角・側角」「前根・後根」「前枝・後枝」について解説してきた。

 

用語が類似しており混乱しやすいので、ぜひ整理してみて欲しい。