この記事では、末梢循環障害を評価するテストの一つである『アレンテストAllen test』を解説している。

 

アレンテスト(Allen test)を解説

 

アレンテストは以下になる。

 

方法

  1. 患者を腰掛け坐位にして、検者は相対して腰掛け坐位をとる。
  2. 患側手の握りを作らせた後、手首の橈骨動脈と尺骨動脈に検者が同時に母指で圧迫を加える。
  3. 圧迫を加えたまま、患者にグーパーを繰り返してもらう(10回ほど)。
  4. 手のひらが虚血(局所的な貧血)で蒼白になっているのを確認し、片方の動脈圧迫を解除する。

 

テストの解釈

  • 赤みが5秒以内に戻る場合⇒圧迫を解除した側に血流障害はない
  • 赤みが戻るまでに5秒以上⇒圧迫を解除した側に血流障害がある

 

このアレンテストは、橈骨動脈・尺骨動脈のどちらを用いて血液透析用のシャントを作るかを決める時や、カテーテル検査,動脈ラインの挿入時などにも行われる。

 

圧迫を外した側の動脈の血流が、その手の反対側の部分まで巡っていれば、血流が末梢まで十分に巡っていると確認できる(手のひらでは橈骨動脈と尺骨動脈がループ状になり、動脈血を供給しているので)。

 

そのため橈骨動脈・尺骨動脈いずれか片方の脈が閉塞しても、もう片方の脈が動脈血を供給してくれるので手のひらが虚血になることはない。

 

しかし2つの動脈のどちらかがすでに閉塞していると、もう一方の、閉塞していない側の血流を止めると手のひらに血液が回らなくなってしまう。

 

アレンテストの動画は以下になる。

 

 

 

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アレンテストと同様な「上肢の末梢障害アセスメント」に『ブランチテスト』があり以下の記事で解説している。

⇒『高齢者の脱水と予防の知識

 

以下は下肢の末梢循環障害アセスメントに活用される『バージャーテスト』について解説しているので、合わせてどうぞ。

⇒『バージャーテストを解説するよ(末梢血流障害の評価)