この記事では半月板損傷に対する整形外科的検査である『内反ストレステスト』と『外反ストレステスト』について解説している。
内反・外反ストレステストの方法
膝関節に対する「内反ストレステスト」と「外反ストレステスト」の意味・方法・陽性所見・解釈は以下になる。
各ストレステストの意味
- 内反ストレステスト⇒外側側副靱帯損傷に対する整形外科的テスト
- 外反ストレステスト⇒内側側副靭帯損傷に対する整形外科的テスト
方法
肢位患者を背臥位にし、検者はその側方に位置する。
検査は患側膝30°屈曲位と伸展位の両方の検査を行う。
- 内反ストレステストをする場合、一側の手を患側膝内側に当て、他側の手で同側踵を保持し、その手を内反方向に強制する。
- 外反ストレステストをする場合、一側の手を患側膝外側に当て、他側の手で同側踵を保持し、その手を外反方向に強制する。
陽性所見
内・外側への動揺があれば陽性。
そのとき、最大の内・外反を強制したときの抵抗感も参考にする。
解釈
30°屈曲位での動揺は外反動揺時が内側側副靭帯損傷・内反動揺時が外側側副靭帯損傷。
伸展位での動揺 は複合靱帯損傷(前・後十字靭帯損傷と合併損傷)を疑う。
内・外反ストレステストのイラストと動画
内反・外反ストレステスト解釈は以下になる。
内反ストレステスト
以下は内反ストレステスト(外側側副靭帯損傷の整形外科的テスト)。
外反ストレステスト
以下は外反ストレステスト(内側側副靭帯損傷に対する整形外科的テスト)
膝関節の動きと靱帯の緊張について
最後に、膝関節の動きと靱帯の緊張について一覧表(Lanzら1959)を掲載して終わりにする。
整形外科的テストを実施する際の理屈として、参考にしてみてほしい。
外側側副靭帯 | 内側側副靱帯 | 前十字靭帯 | 後十字靭帯 | |
---|---|---|---|---|
屈曲 | - | - | ※ | ※ |
伸展 | + | + | + | - |
外旋 | + | + | - | - |
内旋 | + or - | + or - | + | + |
+:緊張
-:弛緩
※:屈曲の程度によって緊張の度合いが変わる