ここでは、皮膚の評価に関して、スキンロール(スキンローリング)テストを中心に記載していく。

 

オステオパシーのテクニックであるものの理学療法士にもなじみ深い筋膜リリースの動画も付け加えておく。

 

皮膚の評価

 

皮膚の触診として、皮膚を前後左右などに軽く動かし、可動性を評価していく。

 

皮膚の触診の際は、温度の上昇や低下、湿気・乾燥などにも注意を払う。

 

皮下の触診では、皮膚の触診時よりも若干強めな力を加えた状態で、浮腫の有無と可動性を見る。

 

浮腫がある場合、柔らかい状態と硬い状態と時がある。

 

次にスクラッチテストにて以下の『Lewisの3段階反応』を評価してみる。

  • 「発赤」が起こるか
  • 「発赤の広がり」が、どの程度か
  • 「みみずばれ」状変化が起こるか

 

 

スクラッチテストは、腹臥位にて棘突起の外側(棘突起から3~4cm外側くらい)を頭側から尾側にかけて、母指背側で軽くひっかくテストである(左右に実施する)

 

  • スクラッチテストのように、引っ掻いた場所の皮膚が白くなるのは、毛細血管から血液が一瞬無くなることによって起こる。

  • ただし、その直後に肥満細胞からヒスタミンが放出され毛細血管が逆に拡張する。

  • それで血流が改善されて赤くなる

 

※上記の反応は「神経性炎症」によってもたらされる。

関連記事⇒『神経性炎症とは

 

※これらの反応に左右差が出るかを確認。

 

※この反応に対する解釈は様々あるが、あまり重要視していないため割愛する(なんだそりゃ)。

 

ここから先は、スキンロール(スキンローリング)について記載していく。

 

 

スキンローリング(キブラロール)

 

皮膚は、交感神経反射があったり、筋スパズムが長く続いていたりすると栄養状態が悪くなる。

 

そして、皮膚・皮下組織の弾力性が無くなったり、非常に敏感になったりする。

 

それらを評価する手法として「スキンローリング」という方法があり、具体的には以下の動画を参照。

 

※スキンローリングは、スキンロール・キブラロールなどと呼ばれることがあるが同義である。

※動画では、スキンローリング以外に「ピンチテスト」も掲載されている。

 

3分25秒くらいからピンチテスト、8分15秒からスキンローリングが始まる。

 

 

通常は、テストする側の骨盤外側あたりに療法士は位置し、腰部から頭側に向かってスキンローリングしていく。

 

※この動画では、ベッドの頭側に位置しているので腰部に向かうほどに操作しにくくなる。

 

動画では、かなり念入りに実施しているが、臨床ではササッと評価していく。

 

例えばスキンローリングは、腰部から頸胸移行部までを10秒くらいで実施し、それを数回繰り返すことで評価するといった感じ。

 

背部の中で特定の部分が赤くなっているのが分かるだろうか?

 

必ずしも赤くなっている部分に問題があるとは限らないが、一つの指標として捉えることもある。

また、スキンローリングを実施していくと、特定の部分で敏感に痛みを感じてしまうことがある(他の部位では「つままれている」程度で痛みも感じない)。

その場合も、その周囲に何らかの問題がある可能性を示唆している。

 

一方で、この手法だけで治療方針を決めるほどのエビデンスは存在せず、他の数ある有用な評価指標に付け加える感じで、補助的に実施する程度な位置づけとなる。

 

これらの反応も、前述したスクラッチテストと同様に、神経性炎症によって起こる。

 

通常、皮膚の発赤は15~20分もすれば治まるはずだが、一方で数日間も残存してしまうケースもある。

 

それら「発赤が数日間残存してしまう人」の中には、皮膚アレルギーなどによってヒスタミンの量が増えているからなど、様々な解釈がなされることがある。

 

 

浅筋膜に対するスキンローリングの治療応用

 

皮膚への刺激(実際には浅筋膜への刺激も入っている)を治療に応用する考え方はいくつもある。

 

例えばキネシオテーピングや皮膚運動学に基づくアプローチも、その一つと言えるかもしれない。

 

そして、スキンローリングも治療に応用される場合がある。

 

先ほど「スキンローリングテストだけで治療方針を決めるほどのエビデンスは無い」と前述したが、「スキンローリングによって浅筋膜(皮下)の癒着が剥離される」というエビデンスはある(もちろん癒着もピンきりで、剥離できるものとそうでないものとは別れるが。)

 

ただし、スキンローリングは実施によって「何も感じない人」もいれば「凄く痛みを感じる」という人もいる。

 

スキンロールは筋・筋膜の癒着を剥離する効果があるとが研究としてわかっているため、この「痛み」は筋筋膜に剥離をもたらした結果として起こっている可能性がある。

 

従って、この動画では「評価」として背部に実施しているが、「治療」として背部以外の部位における筋・筋膜へのアプローチとして用いることもある。

 

ただし、この痛みの質は「いた気持ちい良い」という部類ではないので、(実施後はともかくとして)実施中は「イテテテッ」っと不快感が起こることもあるかもしれないので注意する。

 

※重複するが、「癒着が剥がれる」ということは、(大げさに表現するなら)「組織を切っている」、つまり「(微細ではあるが)損傷させている」ということなので、痛みの程度が強い人には一度にやりすぎないよう注意が必要である。

 

スキンローリングによって起こる発赤は神経性炎症の結果として惹起されるため、実施後は血流が良くなり、ポカポカと温かく感じる場合もある。

 

痛みが強い場合は、先ほどの動画に掲載されていた「ピンチテスト」の要領で皮膚の可動性を出したり、後述する筋膜リリースの様なソフトな手法で可動性を出したのちに、再度スキンローリングをしてみるという順序で用いられることおある。

 

少し難しいが四肢(下腿後面や上腕など)にもスキンローリングは可能である。

 

スキンローリングは(微細ではあっても)損傷を起こしている訳なので、継続して実施する場合は少なくとも3日程度は間隔を開けたほうが良いとされている。

 

 

筋膜リリース

 

もちろん、浅筋膜(皮下組織)へのアプローチとして筋膜リリースを活用する場合も多い。

※っというより、こちらの方が一般的か・・・

 

 

上記動画は、グッグッと押しているが、一般的にはジンワリとリリースしていく。

 

また、手押しになっているが、一般的体重を手に乗せることによる圧でじっくりとリリースしていく(手押しになると組織のリリースを感じにくくなる)。

※高さの基準は、療法士のベルトくらい(個人差アリ)

 

①筋膜に対して、(脊柱起立筋が存在する皮下に)体幹長軸方向へ引き離すような力を加えて皮膚のゆるみをとる。

 

②そこから、更に重心を前方へ移動させることで体幹長軸方向へ力を加えて、その力をキープする。

 

③持続的に力を加えることでクリープ現象が起こる(バターが溶けるようにジワーッと緩む)。

 

※持続させる時間は、クリープ現象を感じられるままで(or 療法士が疲れるまで)

 

※疲れたら一端止めて、再度実施してOK。「単なる手押し」ではなく「体重移動」で圧を加えると疲れにくい。

 

 

スキンローリングは癒着が強いほど痛みを伴う可能性が高いので、そういう人であればあるほど筋膜リリースの方が適応となる。

 

筋筋膜性疼痛症候群における前屈制限などは、FFDを筋膜リリースの前後で評価をしてみると著効を示していることもある。

 

※是非、体の硬い同僚を見つけて試したりもしてほしい。

 

ただし、筋膜リリースはスキンローリングと異なり筋肉の癒着を剥がすことを目的としおらず、筋膜リリースの効果は「反射的短縮の改善による影響も大きい」と個人的には感じている。

 

筋膜へのアプローチとして『筋膜マニピュレーション』なるものもあるが、「(様々な手法が存在する中で)筋膜マニピュレーションでしか効果が起こらない要素がどの程度あるなのか」といったことを考えると、わざわざ学ぶことには懐疑的なスタンスをとっている(筋膜マニピュレーションなるものを学んでいる人達を否定する気はない)。

 

 

筋膜リリースのおススメDVD

 

筋膜リリースに関する書籍はたくさん出回っているので、ここでは「オススメDVD」を紹介してみる。

 

筋膜リリース~その理論から治療手順まで~

 

筋膜リリース「治療編」~その理論から治療手順まで~

 

これらは、姉妹DVDとなるが、視覚的に筋膜リリースを理解しやすい。

 

※もちろん、一番理解できるのは講習会に参加すること(DVDでは圧のかけ方など力加減までは、自身の想像でやってみるしかない)。

 

※『筋膜リリース「治療編」~その理論から治療手順まで』では頭蓋仙骨療法にまで言及している。

 

DVD(筋膜リリース~その理論から治療手順まで~)の宣伝動画も掲載しておくので興味がある方はチェックしてみてほしい。