この記事では『嗅ぎタバコ窩(anatomic snuffbox)』について解説していく。

 

嗅ぎタバコ窩とは

 

タバコ窩(anatomic snuffbox)は橈骨茎状突起に対して背側遠位部にある。

※画像引用『運動療法のための機能解剖宅的触診技術 上肢

嗅ぎタバコ窩のポイントは以下の通り。

 

  • タバコ窩の尺側縁は『長母指伸筋腱』である。

 

  • タバコ窩の橈側縁は『②長母指外転筋腱』と『①短母指伸筋腱』によって構成される(③は腱鞘)。

    ※タバコ関節の橈側縁に炎症所見(腫脹・疼痛など)が有る場合、『ドゥケルバン腱鞘炎』を疑う。

 

  • タバコ窩の底部には舟状骨がある。

    ※タバコ窩の底部に何らかの圧痛を認めた時は、舟状骨骨折を示唆する。

 

 

タバコ窩を縁どっている腱(長母指伸筋腱と短母指伸筋腱)は母指を伸展させると輪郭が浮き出てくるので、一層明らかになる。

画像引用『筋骨格系のキネシオロジー―カラー版

 

 

タバコ窩(anatomic snuffbox)を動画で紹介

 

以下の動画を数秒観覧してもらうと、タバコ窩が視覚的にイメージできるはず。

でもって、あとは前述したイラストを参考に、タバコ窩を縁取っている『長母指伸筋腱』『短母指伸筋腱』(+『母指外転筋』)や、タバコ窩の底部にある舟状骨の触診の勉強をしてみてほしい。

 

 

ちなみに『舟状骨』は8つある手根骨の内の一つであり、母指の近くで手関節(橈骨手根関節)を形成してる。

 

※以下のイラストの赤色部分の手根骨が『舟状骨』である。

 

※「S:舟状骨」・「L:月状骨」・「Tri:三角骨」「P:豆状骨」・「Tm:大菱形骨」・「Tz:小菱形骨」・「C:有頭骨」・「H:有鈎骨」

 

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舟状骨の触診 と 手根骨のモビライゼーション

 

前述したように、タバコ窩の底部にあたるのが『舟状骨』であり、舟状骨の特徴は以下の通り。

 

  • 舟状骨は近位手根列の中で最も大きい骨である。
  • 手根骨の中で最も骨折しやすい骨である。

 

 

「舟状骨の触診」と「手根骨の関節モビライゼーション」

 

この舟状骨は、手関節の尺屈によって橈骨茎状突起の下から滑り出して触り易くなるので、ぜひ自身の手を尺屈させて試してみてほしい。

 

ちなみに、舟状骨の遠位にあり、第1中手骨と関節を形成している『大菱形骨』と勘違いしやすいので注意しよう。

 

分かりにくい人は、第一中手骨を尺側から辿って行って、つなぎ目(関節)があれば、その先が大菱形骨である。

 

でもって次のつなぎ目(関節)の先が舟状骨になるのだが、茎状突起の奥につなぎ目(関節)が入ってしまっているので辿りにくい場合がある(ただ、尺屈していれば間違いなくたどれる)。

 

上記のイメージを持てば、舟状骨と間違って大菱形骨を把持してしまうという失敗は無くなるだろう。

 

でもって舟状骨を見つけたら、舟状骨を掌・背側からつまんで動かしてみてほしい。

 

かなりグラグラと動きやすい関節なはずだ(機能障害があれば関節モビライゼーションとして動かしてあげれば、手関節の動きや痛みが改善することもあるので知っておこう)。

 

ポイントは、指先の力は抜いて軽く動かしてあげること。

 

ガシガシと強く動かそうと思えば、逆に動かしにくくなる。

 

 

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