この記事では、聴診三角と腰三角の位置・役割について記載していく。

 

目次

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聴診三角とは

 

まずは、聴診三角の構成組織・意義について記載していく。

 

構成組織

聴診三角は以下で構成される。

  • 僧帽筋の外側縁
  • 肩甲骨の内側縁(or菱形筋)
  • 広背筋の上縁

意義

  • この領域は胸郭に直接到達できる部位である。
  • 筋層が薄いために呼吸音が明瞭に聞こえるため聴診に適している(肺の聴診部位)。

 

補足

この領域を還流したリンパは腋窩リンパ節へ流れる。その後、右側は右リンパ本幹、左側は胸管へ注ぎ、左右の静脈角(鎖骨下静脈と内頚静脈の合流部)から循環系に戻る。

 

腰三角とは

 

次に腰三角の構成組織・意義について記載していく。

 

構成組織

腰三角は以下で構成されている。

  • 広背筋の前外側縁
  • 外腹斜筋の後縁
  • 腸骨稜

意義

    • 腰三角は他部位よりも腹壁が薄い部位である。
  • 後腹膜の抵抗の弱い部位なため、腰ヘルニア(脱腸)の要因となる(=老人性腰部ヘルニアの好発部位)。

 

 

最後に、聴診三角・腰三角に関するイラストの拡大版を掲載しておく。

 

 

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以下は、体表に存在する「他の三角」についても解説しているので合わせて観覧してみてほしい。

 

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