この記事では、『関節包パターン(Capsjlar pattem)』について記載していく。
関節包パターン(Capsjlar pattem)とは
関節包の短縮では、関節包の線維走行により特徴的な可動域制限のパターンが生じるとされており、これを「関節包パターン(Capsjlar pattem)」と呼ぶ。
この『関節包の緩みが無くなり関節包を締め付けている状態』はフードセーバー(食べ物を袋に入れた後に空気を抜いて圧縮した状態)をイメージすると理解しやすい。
関節可動域制限が必ずしも関節包短縮だけで生じる訳では無いが、このパターンを呈するのであれば『関節包の短縮が主』と考えられ、関節モビライゼーションが有効となる。
関節包の短縮が主な可動域制限で、制限が一方向のみでは無く、複数の運動方向に生じている場合、関節モビライゼーションは、『滑り』ではなく『離開』が効率的な可能性が高い。
また、この際の離開モビライゼーションは『静止肢位』において施行することで、関節包全体へ効率的に伸張刺激を加えることができる。
各関節の関節包パターン
各関節の関節包パターンは下記のとおり。(制限の大きい順に表示)
関節 | 制限(制限が大きい順に表示) |
顎関節 | 開口制限 |
環椎後頭関節 | 伸展と側屈が等しく制限 |
肩甲上腕関節 | 外旋・外転・内旋 |
肩鎖関節 | 過剰な可動域で疼痛 |
腕尺関節 | 屈曲・伸展 |
腕橈関節 | 屈曲・伸展・回外・回内 |
上橈尺関節 | 回外・回内 |
下橈尺関節 | 全可動域・過剰な回旋で疼痛 |
橈骨手根関節 | 屈曲と伸展が等しく制限 |
頚椎 | 側屈と回旋が等しく制限・伸展 |
胸椎 | 側屈と回旋が等しく制限・伸展 |
腰椎 | 側屈と回旋が等しく制限・伸展 |
仙腸・恥骨結合 | 関節ストレスによって疼痛 |
股関節 | 屈曲・外転・内旋・伸展・外旋 (文献によって諸説あり) |
膝関節 | 屈曲・伸展 |
脛腓関節 | 関節ストレスによって疼痛 |
距腿関節 | 底屈・背屈 |
距骨下関節 | 内反制限 |
関節包パターンと非関節包パターンによる運動制限の違い
関節包パターン以外の全ての制限のパターンは『非関節包パターン』と呼ぶ。
関節包パターン・非関節包パターンによる運動制限の違いは以下の通り。
関節包パターンの運動制限:
関節包全体の短縮により関節全体が障害されてるため、全て、あるいはほとんど運動方向に制限が生じる(制限の大きさは運動方向によって異なる)
非関節包パターンの運動制限:
1ないし2方向にみられ、他の運動方向には生じない
非関節包パターンの原因は、関節包部分短縮を含めた非収縮性組織、収縮性組織、関節内の障害など、様々である。
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