報酬系その③ 幸せと興奮は異なることを理解しよう

※今回の『報酬系その③ 幸せと興奮は異なることを理解しよう』はシリーズとして掲載している。

 

※はじめて観覧する方は『報酬系その①:すべてはこの実験から始まった』から観覧することをお勧めする。

 

前回記事で「報酬系におけるドーパミンの特徴」を解説した。

 

でもって今回は「ドーパミンとは、私たちを幸せに導いてくれる物質なのか?」という点にフォーカスした記事となる。

 

これまでの復習:快楽中枢から報酬系へ

 

一度、快情動が誘発されると、再び快情動に浸りたいという気持ちがわいてきて、その快感を得るための刺激を求める。

 

(側坐核を中心とした)報酬系は、かつては快楽中枢と呼ばれていた。

 

でもって、この快楽中枢の存在は「依存症者は基本的に快楽を求めているのだ」という見方を後押ししていた。

 

しかし、その後の研究で、報酬系におけるドーパミンが「報酬を得た時のみならず、報酬を期待している際にも分泌されている」という事が分かってきた。

 

そして、「報酬を期待すること」は「意欲」に繋がり、この「意欲」によって私たちは目的に向かって行動を起こしていることになる。

 

でもって現在は、ドーパミンよってもたらされる

 

「報酬を得られた瞬間」の刹那的な快感・興奮作用

 

よりも

 

「報酬を期待している際」の「意欲・動機付け」に関与した快感・興奮作用

 

の方が重要視されており、

 

この作用を日常生活で上手に活用しようという試みが多く紹介されている。

 

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報酬系システムが作動しないとどうなるの?

 

脳は「報酬が手に入りそうだ」と認識すると、ドーパミンという神経伝達物質を放出する。

 

このドーパミンが脳全体に指令をだし、注意力や集中力を高めて、欲しいものを手に入れようとする。

 

ドーパミンが一気に放出されるときに感じるのは幸福感ではなく、むしろ興奮に近いものだと言える。

 

人はこれによって、神経が研ぎ澄まされたり、敏感になったり、欲望で頭がいっぱいになったりもする。

 

快感が得られそうな予感がして、そのためなら何でもしようという気になったりもする。

 

 

っということは、逆に「報酬系システムが作動しないと、快感・興奮などの期待が持てず、行動が起こせない」と表現することも出来る。

 

例えば「脳の報酬系システムを完全に破壊されたラット」であっても、砂糖を与えると大喜びする。

しかし、(報酬系システムが完全に破壊されているので)ご褒美欲しさに行動することは無くなる。

つまり、「砂糖は好きだけど、それをもらう前から欲しがることは無くなった」と表現できる。

 

これを人間の子供に置き換えたら以下になる。

  1. 「脳の報酬系システムが完全に壊れた子供」であってもケーキをあげると大喜びする。
  2. しかし(報酬系システムが完全に破壊されているので)「宿題を終わらせたら、大好きなケーキをご馳走するよ」と伝えても、ドーパミンは放出せず、(ケーキ目的で)宿題を終わらせることは無くなる。

 

 

『報酬の予感』がドーパミンを分泌させる

 

前回の記事『報酬系におけるドーパミンの役割とは?』でも記載したクヌットンの実験を、もう一度記載しておく(覚えている人は読み飛ばしてほしい)。

 

2001年に神経科学者のブライアン・クヌットンは実験により「ドーパミンは報酬を予感する際にこそ分泌される」と主張した。

 

そのクヌットンによる実験は以下の通り。

 

被験者たちに脳スキャナーを装着させ、スクリーンに「特別な記号」が現れた場合はお金をあげると説明した。

ただし、記号が現れた際に、被験者はボタンを押さなければ、お金は貰えないことも付け加えた。

すると「特殊な記号」がスクリーンに現れるやいなや、ドーパミンを放出する脳の報酬センターが作動し、被験者は報酬を得ようとしてボタンを押した。

 

すなわち「ボタンを押したら報酬がもらえる」という期待感がドーパミンを分泌させた

 

では、実際にお金を受け取る際は、もっと多くのドーパミンが分泌されたのだろうか?

その様な期待に反して、被験者が実際にお金を受け取った時には、脳のこの領域の活動は沈静化していた

 

 

クヌットンはこれにより「ドーパミンの作用は行動を起こすためのもので、幸福感をもたらすものではないこと」を証明した。

 

この実験の際に脳は、「報酬の予感」を抱かせることによって、被験者がうっかり報酬をもらい損ねたりしないための役割を担ったと言える。

 

いずれにしても、実験中に被験者達が感じたのは「期待」であり「喜び」ではなかったと言える。

 

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報酬系に注意せよ!

 

「有名人がオススメしている商品」や「今だけ50%引きなバーゲン商品」、あるいは街を歩いていると漂ってくる美味しそうな焼肉の香り、「億り人(仮想通貨で億以上を稼いだ人の総称)達のエピソード」などは、どれも私たちの報酬系を作動させる可能性を持っている。

 

事実として、「商品を手に入れた時」「焼肉を食べた時」「自分も億り人になった時」の自分を想像している際は快感が訪れている。

 

でもって世の中には、(小さな快感から大きな快感まで)ドーパミンを放出させるもので溢れかえっており、私たちの報酬系が活性化されると目的(商品・焼肉を食べる・億り人になるなど)を達成しなくては気が済まなくなる。

 

 

で、ドーパミンに依存している人ほど、注意は全て目的を達成することへ向けられ、それを手に入れること、あるいは繰り返し行うことしか考えられなくなってしまう。

 

※ちなみに、商品が高額な場合は普通あきらめてしまったり、商品への執着が冷めてしまうこともあるだろう。しかし、ドーパミンに依存しすぎていると、借金してでも購入しなければ、他に何も手につかなくなることもあるらしい。

 

※投資でいう所のFXなんかも厄介だ。「俺も億を稼ぐんだ」などの目的を達成するにあたって、普通は(余剰資金などの軍資金が無ければ諦めるところを)ドーパミンに依存し何倍もレバレッジを効かせることが可能なため、成功すれば良いが、失敗すれば借金だけが残ってしまう。

 

※女性で「見栄っ張り」「ブランド好き」「お金に無頓着」という条件がそろってしまっている人などは、ドーパミンのとりこになり易く、自制が効かず報酬系の赴くままに借金をしてブランド物を購入してしまう傾向にある(らしい)。

 

 

大昔は、報酬系が必須だった。

 

大昔は、現代より報酬系の意義が大きかったと指摘する人がいる。

 

例えば木の実を見つければ(食べたら美味しいかもしれないという期待感から)よじ登ったりしたので飢え死にすることが無かったのかもしれない(報酬系システムが無ければ、わざわざ食べれるかどうか分からない木の実のために、木によじ登るなどの労力は使わない)。

 

あるいは、(報酬系が存在することで)パートナーを誘惑するのを面倒臭がって人類の絶滅を招くような事態も避けられた(一方で現在は、パートナーを誘惑する手間をかけずとも安易に報酬系を満足できる環境が整いすぎているために、先進国は少子化を招いているとの指摘がある)。

 

人間に生き延びる努力をさせるため「この様に行動すればきっと幸福になれるはず」という『幸福の予感』は必須だった言える。

 

重複するが、幸福の「予感」は採集で食べ物を手に入れ、せっせと働き、繁殖の相手を探すように仕向けるための脳の戦略だったと言える。

 

現代における報酬系

 

前述したように、人類が滅亡しないシステムとして、大昔は報酬系が必須であった。

 

しかし現在において、報酬系によって肥満が増えたり、性的な満足感が得られる類もモノが氾濫してしまっていることが未婚率の増加につながっているとの指摘がある(もちろん、それだけが原因ではないが)。

 

最近で言えば、スマホ中毒者が増えており、これも報酬系システムを活性化が要因だと指摘されることもある。

 

例えば、インスタグラムで「いいね」が沢山もらえていないか必要以上に確認しようとしたり、LINEでそろそろメッセージが返信されていないか何度も確認したり。

 

延々と、同じ行為を繰り返してしまっているのだ。

 

確認した際に「いいね」がもらえていようが、もらえていまいが関係ない。LINEでメッセージが届いていようが、いまいが関係ない。それを確認するために(期待して)ポチポチとスマホをイジるときにこそドーパミンが放出されているのだ。で、確認すれば(いいねがもらえていなくとも、LINEにメッセージが届いていなくとも)一応満足するのだが、少し時間が経つと再び確認したくなってくる。

 

 

あるいは、ネットニュースやYOU TUBE(動画配信)においても、タイトルが気になってクリックし、(良い情報だったとしても、大したことが無い情報だったとしても)、「次はもっと良い(あるいは楽しい・刺激的)な情報かもしれない」との期待感から、取りつかれたようにクリックし続け、その都度ドーパミンが絶えず分泌され、、、、、といった具合にして無限ループに陥って無駄な時間を費やしてしまう可能性がある。

 

クリック、クリック、クリックでドーパミンを分泌させ続ける。

 

何か思い出さないだろうか?

 

最初の記事(全てはこの実験から始まった)』で登場した「ヘトヘトになるまでボタンを押し続けていたラット」にそっくりではないか?

 

 

 

報酬系におけるドーパミンは刹那的であり、持続しない

 

あなたは昨日、スマホをクリック・クリック・クリックし続け、得たものはどのくらいあるだろう?

 

また、何か良い情報を見つけたとして、そこから得られる快感・満足感は今も持続しているのだろうか?

 

あるいは幸福感と結びついているだろうか?

 

おそらく、ネット依存な人は

 

「もっと刺激的で、有益で、楽しくて、幸福になれそうな情報がネット上に埋もれていないだろうか?」

 

と、結局今日もスマホ遊びを繰り返しているのだろう(そして明日も)。

 

 

だが、最初に結論を言っておくと、ドーパミンで得られた「快感」は長続きしない。

 

 

 ドーパミンにより得られた快感は持続しない

 

欲しかった物(資格・容姿・スキル・環境なども含む)を手に入れる際は「これを手に入れたら、きっと非常に気持ち良い・素晴らしく幸せな世界が待っている」と予感することで報酬系が働き、あなたを行動に突き動かす。

 

 

そして、実際に行動している最中も報酬系は活性化しているケースが多く、幸せな気分を得ることができる。

 

しかし一方で、その際に得られるのは「刹那的な快情動」に過ぎず、長続きすることはない。

 

この点に関して、個人的には「幼少期のクリスマスプレゼント」をエピソードを思い出す。

 

私はショールームに飾られた「触ったことのない玩具」を自分が手にして遊んでいる姿を想像し「色んな期待や夢」を膨らませていた。

 

そのためクリスマスが待ち遠しく、授業時間も「玩具で遊ぶ自分」を想像してはドキドキ・ワクワクしていた。

※この際の、多くのドーパミンが分泌していたと思われる。

 

そして、クリスマス当日に玩具を渡された日も多くのドーパミンが分泌されるわけだが、渡された時をピークにして、徐々に分泌量は減っていく。

 

そして、何週間か経ってしまうと、玩具に興味が失せてしまう。

 

皆さんも、この様な経験を一度は体験したことがあるのではないだろうか?

 

「お祭りの当日よりも、お祭りを待ち焦がれている最中(あるいは準備のプロセス)のほうが盛り上がる」といった諺があったが、あながち間違えではないだろう。

 

恋愛においても「釣った魚には餌をあげない」的な人は、どちらかというと「相手が振り向いてくれることを期待して行動している際のドーパミン」あるいは「相手が振り向いてくれた際(報酬が得られた瞬間)にもたらされる刹那的なドーパミン」を求めて行動している可能性がある。

 

 

繰り返しになるが、美味しいものを食べた瞬間は幸せだが、満腹感とともにドーパミンの量は減っていく。

 

そして満腹になった後も幸せが続くのではなく、むしろ最初の一口・二口目がドーパミン分泌のピークだと思われる。

 

しかし、時間が経って空腹になると、美味しいものを食べた際の記憶を思い出し、「あの(刹那的な)快感・興奮をもう一度味わいたい」という期待から報酬系がはたらき、ドーパミンによって「美味しいものを食べよう」という行動に突き動かされることになる。

 

 

すなわち、ドーパミンにおける快感・興奮はあくまで刹那的なものであり、長期的な意味での「幸福」とは全く別物だと言える。

 

 

ドーパミンによる「刹那的な快感・興奮」は、「幸福」とは別物

 

タバコ・ドラッグなども同様で、これらは刹那的な快感・興奮(あるいは安堵感など)しか訪れず、これらの情動の後はむしろ虚しさだけが残る場合が多いとされている。

 

例えばタバコは「吸ったら気持ち良いはずだ」という期待感が非常に強いため行動に駆り立ててしまう一方で、吸っている最中は(快感・興奮というよりは)「不安感から解放された安堵感」のほうが強いとされている。

 

タバコを吸わない私にはピンとこない意見ではあるが、たばこを吸っている人(あるいは吸ったことがある人)はこの意見に共感できるだろうか??

 

※そして、吸い終わった後は、何の感情も残っていないらしい。

 

むしろ依存症では、吸い終わった瞬間から「再び快感・興奮(っとうより安堵感??)を得たいとい」という衝動に襲われてしまうこともあるようだ。

 

※もしかすると『報酬系その①:すべてはこの実験から始まった』で紹介したラットも「快感・興奮を得たい」という期待感からレバーを押すが、レバーを追いしている最中は「快感・興奮」よりも「不安から解放された安堵感」のほうが強かったのかもしれない。

 

 

「ダイエットをしているがポテトチップスが大好きな人」も(太ってしまうと思いながらも)報酬系による期待感に駆り立てられて食べてしまい、その後は後悔・自己嫌悪しか残らない。

 

これらの例からも分かるように、報酬系に依存した生活は、その場しのぎの快楽しかもたらさず、長期的にみると不幸せな人生に導いてしまう可能性もある。

 

 

物事を長期的に捉える視点の欠落

 

あなたの場合は、どんな物がドーパミン放出を引き起こすか自覚しているだろうか?

 

食べ物?お酒?ショッピング?SNS(ツイッターなど)?

 

それとも他の何かだろうか?

 

あなたにとって「これさえ手に入れればいいのに」とひたすら追い求めるものは何だろう?

 

もし、そのようなものがあるとすれば、最初に警告しておこう。

 

それを手に入れた瞬間、それは色褪せる。

で、他の「手に入れたいもの」が新たに現れるだけである。

 

 

ある報酬を期待してドーパミンが放出されると、人は様々なものにも誘惑されやすくなる。

 

また、ドーパミンが急増すると、目先の快楽がやたらと魅力的に見え、長期的にどの様な影響が現れるかなど考えられない状態を作り易くなる(こうなると、自制心がどの程度備わっているかが重要となる)。

 

そして、マーケッターは「報酬系の仕組み」を知り尽くしているので、ありとあらゆる手段であなたのお金を狙ってくるはずだ。

 

  • 「宝くじで大当たりした人が大喜びするCM」
  • 1点買えばもう1点無料
  • 今だけ60%オフ
  • 食事の美味そうな匂いが、外にも漂ってくるような店の構造

 

しかし、これらによって生じた「期待感を伴う目先の興奮・快感」が、あなたを行動に駆りたてたとしても、その先に幸福は待っていないと思われる。

 

 

『報酬系によるドーパミン』はストレスも生む

 

誤解しやすい部分であるため、少し余談を挟んでおく。

 

ここまでは、ドーパミンによる「快感・興奮」にフォーカスしてきた。

 

しかし一方で、ドーパミンは「不安・ストレス」も生み出すことがある(あるいは伴うことがある)。

 

私たちは欲望を感じている時に、必ずしも良い気分でいられる訳ではなく、時として不安な気分に陥ることもある。

 

※前述した「タバコの例」などは分かり易いと思う。

 

ドーパミンが放出されると、それは(快感・興奮だけでなく)脳のストレスセンターにも信号を送り、この領域でのストレスホルモンの放出を引き起こす。

 

その結果、欲しいものを期待すればするほど不安が募り、何が何でも欲しいものを手に入れたいと思うあまり、(極端な例では)借金をしたり、危険を冒したりするようになる。

 

※前述した「ギャンブラーやブランド好き女の例」などは分かり易いと思う。

 

でもって重複するが、これら極端な例は『依存症』と呼ばれることがある。

 

ドーパミンの主な役割は、幸せを「追い求めさせる(行動に駆り立たせる)」ことであって、私たちを幸せにすることではない。

 

ドーパミンンは私たちに多少のプレッシャーを与えてでも幸せを追い求めさせようとする。

 

その過程でこちらが不幸な気分に陥ろうがお構いなしなのだ。

※で、実際に(幸せになるどころか)不幸になる場合もある。

 

関連記事

⇒『依存症とは?依存症の定義や種類も解説するよ

⇒『薬物依存の恐ろしさ・・。そして、『依存』に対するビートたけしの名言とは!

⇒『人間関係への依存について

 

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興奮・快楽を追い求めても幸せにはなれない

 

恋人や夫婦といったパートナーに対して「釣った魚には餌をやらない」的な行動をとってしまう例を前述した。

 

またクリスマスプレゼントを貰うまではワクワクするが、実際に手にしてしまえば、途端に魅力が無く色褪せてしまう例も紹介した。

 

でもって、私達は「○○さえ手に入れば私は幸せになれる」と思いがちである。

 

「貧乏だから不幸せなのだ。お金さえあれば、幸せになれるはず」

「結婚していないから不幸せなのだ。結婚さえすれば幸せになれるはず」

 

 

もちろん、上記の様に目標を設定して切磋琢磨するのは結構な事だ。

 

「お金持ちになること」や「結婚すること」を目標にして、「それら目標が達成された際の自分を想像すること」で報酬系を活性化させ、ドーパミンの力で目標に向かって突き進んでいく。

 

悪いことではない。

 

しかしながら、上記のような目標設定による行動しても、実際に目標が達成してしまった途端に虚しくなってしまい、別の「○○さえ手に入れば私は幸せになれる」というものを見つけ、絶えず満足しないまま行動し続けてしまうことが実際には多い。

 

ドーパミンは人を行動させる原動力にはなり得るが、それだけでは決して幸せにはなれない。

 

例えば

 

「資格(例えば認定理学療法士)さえとってしまえば、きっと理学療法士として成功するはずだ」

 

とか

 

「ブログのPVで○○アクセスを達成すれば、きっと今とは違った景色が見れるだろう」

 

ってな目標を設定して、努力するとする。

 

しかし目標を達成したからといって幸せになっている訳ではない。

 

単に、次の目標が見つかるだけだ。

 

 

隣の芝は青く見える

 

資格(例えば認定理学療法士)を取得していない人は、取得している人をみて凄いと思うかもしれない。が、当の本人は凄いとは思っていないことが非常に多い。

 

アクセス数が○○PV以上達成しているブロガ-を、そうでないブロガ-が見ると凄いと思うかもしれないが、当の本人は凄いとは思っていないことが多い。

 

結婚している人を、結婚していない(尚且つ結婚願望の強い)人が見ると羨ましいと思うかもしれないが、当の本人は結婚自体に不満や後悔をもっている場合も多々ある。

 

 

目標に向かって突き進むことは決して悪くなく、目標達成をコツコツと積み上げることで、大きな成果に結びつくことは少なくないし、否定する気は一切ない。

 

ただし幸せになるために重要なのは「成果を実らせることの出来る人間かどうか」ではなく、「実った成果に満足が出来る人間になれるかどうか」である。

 

何度も重複するが、人はドーパミンが大量に放出されると、欲しくなった物を何が何でも手に入れなければ、気が済まなくなることがある。

 

お金を稼ぐ、成功を収めるなども同様で、この様な目標に向かって取り組んでいる際はドーパミンが出て幸せなのだが、結局行き着いた先に待っているのは「新たな目標」だけであり、手に入れた現状は途端に色あせてしまいがちだ。

 

そうなってしまうと、延々と満足できず、幸せな自分にたどり着くことは無い。

 

 

ショーン・エイカー

 

この記事に関して、

 

「ウンチクばっかり垂れやがって!どうやったら幸せになれるのか教えろ!」

 

などと聞こえてきそうだが、幸せになるためのヒントが記載されている数ある書籍の中から以下の書籍を紹介する。

 

でもって、書籍よりも「ショーンエイカーがプレゼンしているTEDの動画」を観覧したほうが効率が良いと思うのだが、日本語訳の動画が見つからなかったので、最後にプレゼンの要約を紹介して終わりにする。

 

興味が出た方は、是非書籍も手に取ってみてほしい。

 

 

著者であるショーン・エイカーは、(裕福ではなかったものの)奨学金がおりたことにより、名門ハーバード大学への入学を果たすことになる。

 

彼は大学で学べることを名誉に感じ、胸を躍らせていた。

 

でもって、当然ながら「他の入学者」も自分と同様に考えていると思っていた。

 

しかし、程なくして「自分と同じ考えな人ばかりではない」ということに気づくことになる。

 

 

「自分と同じ考えではない人」とは?

 

少し話が未来に飛ぶのだが、ショーン・エイカーは大学を卒業した後も、8年間大学へ残り、以下をしていた。

 

  • 問題を抱えている学生たちのカウンセリング
  • 幸福に関する実験

 

でもって、学生たちのカウンセリングをする中で「あること」に気づいた。

 

そんな「あること」とは、以下の通り。

 

問題を抱えた学生は「入学を喜ぶのは最初だけで、2週間もたつと競争・勉強量・(人間関係も含めた)ストレスといったものに押し潰されそうになっていく。

 

ショーンエイカーが入学したての頃、「田舎に住んでいる地元の友人」がハーバード大学に遊びに来て「ハリーポッターの映画の様な学校だね」と言ったらしい。

 

画像引用:https://feely.jp/

 

まさに、セレブが通いそうな、そして学び甲斐がありそうな大学だ。

 

でもってショーン・エイカーが「卒業してもハーバード大学に残って、幸福の研究をする」と友人に伝えると、友人からは以下のような答えが返ってきた。

 

ハーバードで幸福の研究をするなんで時間の無駄じゃないか?だって、(ハーバードで学べている)彼らが不幸なわけないだろ?

 

この友人たちの疑問には、幸せのメカニズムを理解する上で重要な鍵が隠されている。

 

 

ハーバードに通っている学生が、不幸なわけがない

 

ショーン・エイカーの友人らは「人の幸せは環境(ハーバードに入学する)によって決まる」と決めつけている。

 

しかし実際は異なり、『書籍:幸福優位の7つの法則』には以下の様に記載されている。

 

2004年に学生新聞の「ハーバード・クリムゾン」が行った調査によれば、ハーバードの学生の5人に4人が一年間に少なくとも一度はうつ状態に陥ったことがあるという。また2人に1人は、抑うつ状態のために衰弱し、まったく何もできなくなった経験があるという。

 

つまり、環境が『幸福かどうか』に影響するのは極わずかで、多くの割合は『その人の脳が世界をどういう風に見ているか』にかかっているということだ。

 

でショーン・エイカーは以下の様に考えた。

 

脳の世界(自分自身の心の持ちよう)を変えれば、幸せや成功を導く法則を変えられるし、現実も変えられる。

 

「仕事の成功についてIQで予測できるのはわずか25%で、残りはどれくらい楽観的か、ストレスをチャレンジとして受け取れるか(レジリエンス)に左右される」と彼はTEDでプレゼンしている。

 

彼が言うには「健康になるためには幸せと成功に関する従来の考え方を逆転させる必要がある」とのこと。

 

彼は世界中を回り、様々な学校や企業と協力して研究を進めていった。

 

すると、世界中のほとんどの学校や会社は、以下の様に考えていることが分かった。

 

必死にやれば成功できる。もっと必死になれば、もっと成功できる

 

この考え方は科学的に間違っていると彼は言う。

 

むしろ逆なのだ。

 

その理由は「成功するたびに脳がゴール(目標)を設定しなおすからだ」とのこと。

 

良い成績を取ったら、もっと良い成績をとりたくなる。

営業目標を達成したら、次はより目標を高くする。

 

幸せが成功のむこう側にあるのなら、脳は決してそこへたどり着けない。

 

幸せは手に届かない遥かかなた。

 

成功すれば幸せになるという考えにとらわれているからだ。

 

しかし実は、脳はその考えとは逆の働き方をする。

 

ショーン・エイカーの本は以下の事を教えてくれる。

 

成功すれば幸せになれるという考えは、時として人を不幸にさせる。

 

まずは幸福感を持つことだ。

 

それが成功につながり、体や心の健康も維持できるという考えが重要だ。

 

「成功が幸福をもたらす」のではなく「幸福が成功をもたらす」のだ。

 

最近は、「ハピネス(幸福感・充実感)や「瞑想(マインドフルネスも含む)がいかに心身に好影響を与えるかという事が、科学的にも認められてきた。

 

そして、それら精神的要素が身体に与える影響の一つとして『プラセボ効果』もあったりする。

関連記事⇒『理学・作業療法士が知っておくべきプラセボ効果まとめ

 

 

ここから更に解説すると、このコラムの趣旨である『報酬系』から話がずれてくため割愛するが、『幸福優位の法則』に興味がある方は以下の記事も参考にしてみてほしい。

 

⇒『幸福優位の法則とは? ショーン・エイカーが語るポジティブシンキングの重要性

 

 

次の記事はこちらから

 

この記事はシリーズで掲載しており、次の記事は以下になります。

 

報酬系その④:報酬系を活用しよう

 

 

※このシリーズの記事一覧は以下でまとめています。

⇒『コラム 報酬系まとめ! 全てはここから始まった。。興奮は幸せを呼ぶのか?