この記事は、フォルクマン拘縮について解説している。

 

フォルクマン拘縮とは

 

フォルクマン拘縮(Volkmann contracture)とは、以下に含まれる。

  • 阻血性拘縮(ischemic contracture)
  • 区画症候群(compartment syndrome)

 

でもって、フォルクマン拘縮は「上腕骨顆上骨折」や「前腕部外傷」などで動脈性血行障害を生じ、これに静脈系のうっ血も加わった上肢の拘縮を指す。

※ギプスによる圧迫も原因となりうる。

正中・尺骨神経麻痺を伴いやすく、小児に多い。

 

フォルクマン拘縮も含めたコンパ―トメント症候群については以下の記事でも解説しているので合わせて観覧してみてほしい。

関連記事⇒『コンパートメント症候群って何だ?

 

 

フォルクマン拘縮の病態機序

 

上腕動脈の損傷・圧迫により前腕屈筋群・正中・橈骨・尺骨神経への血行障害が生じ、これらの組織が変性・壊死に陥り、線維組織に置き換わる。

 

麻痺筋の壊死は深層ほど高度で、筋間を走行する神経に阻血性、圧迫性の麻痺を発生させる。

 

  1. 筋が線維化を起こす

  2. 柔軟性がなくなる

  3. 筋と筋の間を走行している筋が圧迫を受ける。

 

 

フォルクマン拘縮の症状

 

フォルクマン拘縮の症状は『6P1C』と呼ばれることもある。

 

  • 前腕の水泡形成を伴う著しい腫脹(Prostration)
  • 灼熱感を伴う激しい疼痛・手指の他動的伸展時の疼痛・前腕部の持続的疼痛(Pain)
  • (上腕動脈の延長上にある)橈骨動脈の拍動の欠如(Pulse lessness)
  • (血行障害による)手や手指のチアノーゼ様変化(Paleness)(Coldness)
  • (血行障害・神経絞扼による)手の知覚鈍麻・錯感覚(Paresthesia)
  • 正中・橈骨・尺骨神経麻痺(Palsy)

 

上記に以下の拘縮が伴う。

「前腕回内」「手関節掌屈」「母指内転」「他指のMP関節過伸展・IP関節屈曲」

 

また、X線像では手指に骨萎縮が見られる。

 

 

フォルクマン拘縮の治療

 

フォルクマン拘縮の治療としては「早期に血行改善を図ること」がポイントとなる。

なので、以下の初期段階で対応できるのが理想と言える。

 

初期段階:

筋の阻血を予防するための筋膜切開による上腕動脈の徐圧(12時間以内)と動脈周囲の交感神経剝離術

 

筋壊死の進行した場合:

装具におる変形予防

 

神経麻痺を伴わない場合:

発症後6か月後に腱延長術、前腕屈筋群の起始部を末梢に移行する筋解離術

 

神経麻痺を伴う場合:

発症後3か月で神経剝離、壊死筋切除、機能再建術(腱移行術、遊離筋移植術)

 

 

リハビリ(理学療法)

 

  • 温熱療法(パラフィン療法):

    「軟部組織の柔軟性向上」や「血流の改善」を目的とする。

    ※ただし、激しい炎症期・強い痛みを伴う時期は行わない

    ※また 、知覚障害や循環障害を伴っているので、施行時には厳重な注意が必要

    関連記事⇒『パラフィン療法の効果・適応・禁忌・欠点を理解しよう

 

  • 関節可動域訓練⇒可能な限り自動運動での実施が望ましい。

 

  • 手の装具による変形強制

 

  • 自助具処方

・・・・など。

 

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