この記事は「巻き上げ現象」について解説していく。

 

巻き上げ現象とは

 

足底筋膜は踵骨からでて、足趾基節骨に付着しているので、足指が背屈されると緊張し、(内側)縦アーチ全体を高める作用をする。この作用は『巻きあげ機作用(Windlass mechanism)』とよばれる。

 

足底腱膜

以下は足底腱膜。

足底腱膜

 

巻き上げ現象

以下の画像左が「巻き上げ現象」、画像左は「巻き上げ現象」を模型化したもの。

巻きあげ機作用(Windlass mechanism)
巻きあげ機作用(Windlass mechanism)

 

足底筋膜は踵骨結節から足趾基節骨に付着し、中足趾節関節を背屈することで、足底筋膜は伸張され、アーチが上昇する。これにより足部は剛性が高められ、歩行時の蹴り出しの際にテコとして機能する。

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足底腱膜が弛緩した扁平足では、このようなアーチ挙上が出現しにくい。

 

ちなみに、筋もアーチを支える作用をする。

特に後脛骨筋と長腓骨筋はアーチの支持に不可欠な筋と考えられており、そのほか虫様筋などの足内在筋(intrinsic foot muscles)も大きな役割を果たしている。

 

※足のアーチは筋によって能動的に支えられているが、これらの筋が伸びきってしまうと、これらの筋が弛緩した状態ではアーチは形成されない(いくら筋トレをしても)。

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足アーチの支持機構は複雑ではあるが、根本的には膝関節などの人体の他の関節と変わりはなく、まず骨の関節面の形状が運動の方向を決め、靭帯がさらに運動の方向と範囲を制限するが、実際の能動的な運動を行い、肢位を決めるのは筋の作用である。

 

 

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