※今回の『理学療法士・作業療法士は辞めたいなら起業(開業)もあり?』はシリーズとして掲載している
※したがって、最初から観覧する人は、是非とも「理学療法士・作業療法士が知っておくべきプラシーボ効果・ノーシーボ効果」から読んで欲しい。最初から読まなければ真意が分からない構成となっており、この記事だけ切り取って読んでしまうと誤解を与えかねないと思われる。
※理学療法士・作業療法士が整体院を(資格を標榜せずに)開業することをイメージした記事なので、開業という表現も用いている。
※今回も「作業療法士」というキーワードを入れているが、これは多くの人に読んで頂きたいとの思いからであり、それ以上に深い意味はない。
目次
理学・作業療法士は辞めたいなら開業もあり?:はじめに
「まじないめいた治療概念で起業(開業)している人たちの施術がインチキだと暴いてやろう」と誰かが思っていたとする。
そして実際の施術を身をもって体験し、ブログや掲示板で「○○団体の幹部の施術を受けてきたが、サイトで宣伝したような効果は全く体験できなかった。やはり○○団体はインチキだったのだ」と声高に叫んでいたとする。
あなたは「なんて暇人なんだろう」と呆れ果てると同時に、「やっぱり宣伝文句はインチキだったのか」と思うかもしれない。
確かに、もし仮にプラシーボ効果の優位性が非常に高い概念であるとするならば、「元々施術に疑念を持っているクライアント」に効果を出すのは至難の業かもしれない。
※その場所がセミナー会場といった特殊な場所でなかったり、前回記事で私が一目置いていると紹介したゴッドの様な特異体質者でないなら尚更だ。
しかし、その施術者の肩を持つとするならば、その治療概念が科学的根拠に基づいており、尚且つ本来であれば誰もに恩恵を与える可能性を秘めた施術であったとしても、「こんな奴に自分が治せるはずがない」と念じ続けている相手であれば効果が出せない場合も当然有り得る。
プラシーボ効果は時として、奇跡を起こせるほどの強いパワーを持っている。
一方でノーシーボ効果も同様に、その人の症状をどこまでも悪化させ、自然治癒力・ホメオタシスに強い影響を与えるパワーを秘めている。
プラシーボ効果シリーズの取扱説明書
既に今までの記事でプラシーボ効果における核心的な部分は表現できたと思っている。
なので今回の記事である「理学療法士・作業療法士は辞めたいなら起業(開業)もあり?」と次回投稿予定の記事は、今までの記事の補足的な内容となる。
そして今回は本題に入る前に、プラシーボ効果シリーズに関する取扱説明を記載していく。
※この記事は特定の限られた人へ向けてのメッセージだが、その他の方々も観覧している可能性があるため、この様な手法を取ってみた。
①『まじないめいた治療概念を主軸にしている理学療法士・作業療法士』に疑念を抱いている人へ
このシリーズは他者の用いている治療概念がプラシーボ効果かどうかを暴くことを目的としていない。
プラシーボ効果であるかどうかは、臨床的側面においては関係無い。
結果が出せていればそれで良いのである。
ただし、結果が出せず、本人が悩んでいたり、職場に弊害が及ぶのであれば活用出来るかもしれない。
②自身の主軸としている治療概念が科学的根拠に基づいていると思っている人へ
既に別記事で述べているが、科学的根拠に関する基準は人それぞれである
徒手療法は全てにおいて根拠が希薄と思っている人もいれば、そうは思っていない人もいるだろう。
そして、このシリーズのテーマは「プラシーボ効果」であり、自身の概念が科学的根拠に基づいて形成されていると思っている人には、あまりピンとこない内容だと思うのでスルーして頂きたい。
③自身の主軸としている治療概念は科学的根拠が希薄だが、プラシーボ効果の優位性は低いと思っている人へ
本来であればこのシリーズの対象では無いものの、この方々には観覧して頂くメリットはあるかもしれない。
なぜならこのシリーズを読むことで、記事に書かれてあるプラシーボ効果的な要素ではなく、それとは別の要素がしっかりクライアントへ作用しているという確証を強めてくれるからである。
エビデンスが希薄な場合は、いかに自身がその概念を信じることが出来るかが肝となってくる。
従って、このシリーズを読むことで「やっぱり私の用いている概念はプラシーボ効果とは別物なのだ」という確信が持てることで、あなたの概念に対する信頼感は強まり、治療成績を高めることに役立つことだろう。
④自身の主軸としている治療概念がプラシーボ効果の優位性が高い可能性もあるが、臨床で結果が出せている方へ
プラシーボ効果の威力や重要性も含めて、プラシーボ効果が如何なるものか理解できているので、観覧するメリットは少ないかもしれない。
ただし、もしあなたがセミナーを開いているのであれば、言いたい事はある。
プラシーボ効果の優位性が高い可能性があるものを、セミナーと称して如何にも神秘的・崇高的・万能的に見せかけて、無知な人達をカモにするのは辞めにしよう。
そしてプレミアムな高額受講料を設定せずに、「プラシーボ効果の優位性が高い可能性もあるのだ」と素直に伝えた上でセミナーを開こう。
その方が受講生も割り切ってセミナーに臨めると思われる(もちろん安っぽい概念にはなってしまうが)。
※セミナーを金儲けではなく社会貢献だと思って開催しているのであれば、そうすべきだと思う。
※もし社会貢献ではなく金儲けであるならば、カモられる人達にも責任があるという事になるのだが・・・
これまで人々は、こう言い続けてきました。
「搾取する者が存在するために、多くの人達が奴隷のようにして生きている。搾取する者達はけしからん」。
しかしいまや、正反対の判断から、このように言う人々も増えてきました。
「奴隷のようにして生きている人たちがいるために、搾取する者が必要とされている。奴隷のようにして生きている人たちこそが問題なのだ」
~書籍:「原因」と「結果」の法則より~
⑤自身の概念はエビデンスが希薄で、尚且つこのまま学び続けても良いのか分からなくなった方へ
今回の「プラシーボ効果シリーズ」の一番のターゲットとなっている方々であり、この方々の心に響きやすい様な工夫のもとで記事を構成している。
※ヤフー知恵袋の投稿者の様な悩みを抱えている人ということになる。
そして、この人達の心に響きやすい様に、やや極端な表現を使ったりもしている。
また、「なぜ良くなったか証明すべきだ」や「あなたの学んでいる概念がプラシーボ効果ではないと断言できるのか?」などと、一見すると団体や他の人々に対して挑発的と受け取られかねない表現を用いたりしているが、これらの表現も間接的に⑤の人達へ響きやすいのではとの思いから用いている。
そして、最終的に⑤の方々がどの様な道へ歩もうと、それにどうこう言おうと思っているわけではない。
このシリーズを参考にしながら、進路変更しようが、そのまま突き進もうが、それが悩み抜いた末の答えなら、それが貴方にとってベストな選択なのだろう。
そして、悩む際の「様々存在する情報の一つ」として、このシリーズが参考になったなら、作った甲斐があったと言うものだ。
そして、どの様な道を歩むにしても参考になりそうな情報は(浅い情報で漠然とはしているが)網羅できたのではと感じる。
さて、話を本題である「理学療法士・作業療法士は辞めたいなら起業(開業)もあり?」に移すことにする。
前回の記事で、プラシーボ効果を引き出すための要素として(私の独断と偏見で)以下の3つを挙げてみた。
①施術者自身や、治療概念に対するブランディング
②熟達したタッチ・操作技術(徒手療法として当然必要な要素)を身につける。
③確証バイアスを高めて、自身の治療概念に対する信念を強固にする。
そして、その中で前回は③の信念にフォーカスを当てて記載したので、今回は起業(開業)と絡ませながら①のブランディングについて記載してみようと思う。
ただし、ブランディングは悪いわけではなく、まっとうに開業をしている人達も当然のように実施している。
そして、この行為自体がクライアント目線による親切心で行われている可能性も多分にあり、事実としてその情報を基にクライアントが恩恵を受けれることもあるだろう。
医師でも「○○専門医」などと標榜することがあり(それを標榜する医師が必ずしも素晴らしいのかという議論は置いておいて)、その行為自体は珍しいことでは無い。
問題なのはブランディングが、ありふれた行為である一方で、悪意ある者が(検証できないことをいいことに)「プラシーボ効果を高める」という目的のもとでいくらでも活用できるという点だ。
これらの点を踏まえて、(悪用される点を強調させるために)あえて「極端で偏った表現」を用いているが、半分冗談なのでメタ認知を働かせるきっかけとして活用してもらえればと思う。
また、記事の後半では、私が起業(開業)についてどう思っているかについての私見も記載してみた。
後半部分は前半部分と異なり、何かを主張したいわけではない。
「起業(開業)は素晴らしいからやりましょう」とか「起業(開業)はよくないから辞めましょう」とかの主張では無い。
単純に起業(開業)について思うことを書き連ねているだけなので、サクッと読んでいただき、多種多様な意見があるなぁ程度にとらえて頂ければと思う。
職場を辞めて起業(開業)した人のブランディング方法
前回の記事で、プラシーボ効果を引き出すための要素として3つを挙てみた。
そして、前回の記事では③の信念にフォーカスを当てて記載したので、今回の「理学療法士・作業療法士は辞めたいなら起業(開業)もあり?」は整体院の開業と絡ませながら①のブランディングについて考えてみる。
ただし、この記事のテーマが「プラシーボ効果」であるため、以下の極端な設定のもとで、開業した際のプラシーボ効果を高めるためる手段を考察してみようと思う。
『勤務先を辞めたいと思っていた理学療法士・作業療法士が整体院を開業したが、その主軸となっている治療概念による改善は単なるプラシーボ効果に過ぎない』
※極端にしないとややこしくなるので、こういう設定にしているだけな点をご了承してほしい。
もし、開業をして、その環境でプラシーボ効果を最大限に活かしたいなら、自身がセミナーでもらった認定証などを飾っても良いだろう。
あるいは、何となく有名っぽい外人講師と一緒に撮った記念写真も飾っておくこと効果的かもしれない。
もしセミナー講師をしているなら、そのエピソードを盛って話しても良いだろう。
「いや~、実は昨日 理学療法士が100人集まるセミナーの講師を依頼されて大変でしたよ」
「今は病院も柔軟になってきていて、私のような最先端の治療概念を病院でも取り入れようとする動きが出てきているんですよ」
などと話して、これから行う施術が「いかに皆が認めていて、熱心に学ぼうとされているものなのか」をすりこませてみるのも一案だ。
実際は5人程度の小規模なセミナーであったとしても、多少話を盛って構わない。
あるいは、セミナー講師自体が嘘でも、クライアントに検証のしようが無いものであれば安心して話せることだろう。
様々な人を施術してきたことをアピールするのも重要だ。
特に、神秘的な介入に懐疑的だと(一般的に)認識されている「医師を含めた医療従事者」や、メタ認知が働く可能性の高い「高学歴を連想させる人達」すらも改善させたとアピールすることは、施術の信頼性を高めてくれて、プラシーボ効果を強めてくれる。
そして、上記を含めた人々が、自身の施術を受けて改善し、どれだけ感謝していたかを話すことかも一考だ。
更には、(医療従事者を施術したのであれば)「病院では一向に治らない症状が改善された。病院でこの様な施術を取り入れないのは問題だ」と言われただのと付け加えるのも一考だ。
ポイントは「病院側(一般的に言われている現代医学を標榜としている側)の人間が、自分達の行為を否定して、私の施術を肯定した」と思わせることだ。
医療職におけるヒエラルキーの頂点に位置付けられている医師の言葉としてならば、まじないめいたアプローチであっても、不信感を抱かせず、その効果は絶大なものとなるだろう。
もちろん、クライアントに検証されるリスクがなければ、嘘八百を並べ立てて構わない。
「流石に医師では疑われるかな」と思うのであれば、「歯科医師」「理学療法士」「作業療法士」「看護師」などにしておこう。
これらの揺さぶりにより、プラシーボ効果は生まれやすくなると思われる。
そして、クライアントが完全に術中にハマっていない場合においても、これらの揺さぶりによりクライアントには以下の心理が働く可能性がある。
「この先生の施術で皆が治っている。その中には医師もいて、この最先端の技術を医療でも取り入れようとされている。そんな施術で、私が改善しないのは、よっぽど私に問題があるからだ(あるいはよっぽど症状が深刻からだ)」
そして、「だから治るはずだ」とクライアントは必死に念じ続けることになる。
この「皆が治っているのに、私にはあまり効果がない」という認知的不協和こそが、プラシーボ効果を発揮させ、施術に対する効果を強めてくれることに繋がることもあったりする。
関連記事⇒『認知的不協和とプラシーボ効果』
例えば、セミナー会場で、一人ひとりに神(指導者)が「気功とエネルギーのハイブリッド施術」をしていく場面を想像してみてほしい。
皆が、施術される受講生に起こる「変化」を心待ちにしている姿もイメージできるだろうか?
そして神(指導者)に施術された受講生たちは、
「なんか肩の痛みがスーッと引いていきました」
「全身に血流が一気に良くなっていくのを感じます」
などと、何かしらの変化を口にしている。
変化が起こる度に、100人くらいの群がった受講生たちが、「お~!」という歓声を上げているのだ。
そしてついに、あなたに順番が回ってきた。
しかし困ったことに、神(指導者)に施術されても、あなたは一向に変化を感じることが出来ない。
そんな事態を横目に、100人の受講生たちは神(指導者)によって起こるあなたへの変化を目を輝かせながら心待ちにしている。
するとあなたに以下の様な認知的不協和が起こることがある。
「ありえない!自分にだけ変化が起きないなどあり得ない!早く何とか変化を起こさねば!この空気がしらけてしまう!神(指導者)に申し訳が立たない!自分にだけ変化が起きないなどあり得ないことなのだ!」
そして、自身の「変化を起こしたい」という必死の思いがプラシーボ効果として「(不定愁訴、筋緊張、可動域などに)何らかの変化」をもたらすことはあるのかもしれない。
※もちろん、認知的不協和うんぬん以前に、セミナーにおいて受講生はプラシーボ効果を受けやすい要素を持っている。
関連記事⇒『医原的プラシーボ効果』
あなたの前に、自己暗示にかかり易い受講生(サクラではない)が施術をしてもらっていたとすると最悪だ。
事前に説明された「神秘的・崇高的・万能的な概念』と「心地よいタッチ・操作能力」を強力に関連付けて、勝手に自身のプラシーボ効果をビシバシと作動させまくって、大感激しているかもしれない。
※信者が一人誕生した瞬間だ。
さあ、次はあなたの番だ。
100人の受講生達は、神によって起こるあなたの変化を大いに期待していると思われる。
・・・・・・・・「病院を辞めたいと思っていた人が整体院を開業した」という話題に戻す。
上記の認知的不協和による自己暗示をクライアント自身が施して「この施術は効果が出るはずだ」と念じても、それでも改善が見込まれないことはあり得る。
しかし、その場合においてもクライアントは「この先生が下手くそなんだ」という思考ではなく、
「良くならなかった自分が悪い」「よっぽど重症だったんだ」と「改善しない原因を、自身に向けてしまう」という帰属バイアスが働いてしまう可能性は大いにある。
「様々な人たちを治してきた凄い先生なんだ!」という刷り込みが完成していればしているほどに、その傾向は強くなっていく可能性があるということだ。
要は、「帰属のバイアス」を「内的帰属」へ極端にシフトさせてしまう可能性を秘めているということになる。
関連記事⇒『帰属のバイアス』
従って、万が一改善されなかったとしてもクレームが出ることを最小限に抑えることが可能となる。
また、クライアントから更に施術料を取りたければ、「一度に改善しないケースもあるから、もう少し続けてみましょう」と、施術を引き延ばすことも一考だ。
ついでに、「折角ここまで良くなったのに、ここで辞めたらすべてが台無しになりますよ」と脅しておけば、通い続けてくれるかもしれない。
クライアントが改善を実感出来たなら、必ずアンケートは書いてもらおう。
※あなたが、誰かを改善させた証明になるからだ。
最初のうちは、家族が書いたものも織り交ぜても良いかもしれない。
筆跡を変えられる自信があるのなら、あなたが書いても構わない。
写真サイトやブログに掲載させてくれるなら、ぜひそうさせてもらおう。
多少ハードルは高くなるが、数多くのアンケートの中の少しであっても写真が掲載されていることは、その施術の信頼度をグッとアップしてくれるので、それは期待感としてプラシーボ効果に繋がることになるだろう。
サイトやブログは非常に有用なブランディングツールである。
最近は、ブログやサイトを読んで施術に訪れる人もいるだろう。
したがって、前述してきたプラシーボ効果を作動しやすい情報を、これでもかという位ぶち込んでおけば、自ら時間をかけて解説する手間が省けたりもする。
例えば、「手で頭部をふれた際に、ゆったりした心地の良い波動を注入し、あなたの頭痛を緩和していきます。これは、アメリカでは最近注目されている方法で・・・・うんぬんかんぬん・・・・」とサイトで解説しておこう。
すると頭痛で悩んでいるクライアントが訪れた際は、セラピストが何もブランディングを施さずに頭部へ手を触れただけで、クライアントには以下の様な期待感が生まれる。
「今私の頭に触れている。確かに心地よい。これが波動なのね!アメリカで注目されているって書いてあったし、きっと私の頭痛も治るに違いない!」
もちろん、口だけではなく、自己研鑽が重要な事は言うまでもない。
今まで話していた内容は、ある程度の技術を持っていることが前提条件での話である。
熟達した操作やタッチはプラシーボ効果を生み出すため、セミナーで繰り返し「その概念に適合し易いよう開発された方法」を練習する必要がある。
いくら嘘八百を並べたところで、プラシーボ効果を作動させるために重要な「熟達したタッチや操作」が一定レベルでなければ、「認知的不協和によるプラシーボ効果」以前に、不信感などによるノーシーボ効果に結びついてしまうのだ。
※ただし、あなたが前回記事で私が一目置いている人物として紹介した「神(ゴッド)」であるならば、熟達した操作やタッチといった「ゴッドハンド」すらも不要となる。
もちろん、神秘的・崇高的・万能的な概念を治療の主軸に置きながらも、プラシーボ効果のみでなく、まっとうな考えに基づくアプローチも織り交ぜて治療展開していくことが良いケースもあるだろう。
そして、その他の要素によるプラシーボ効果も加味されるなどの様々な条件が揃うことで、(誤解を恐れずに言うならば)時として奇跡すら起こせる可能性を秘めた施術が完成することがあるかもしれない。
開業するに当たって効果がありそうなもので、パット思いつくものを挙げてみた。
半分冗談でだが、何となくプラシーボ効果を高めやすいポイントは理解していただけたのではと思う。
ただし、これは一番重要な点だが、理屈が分かったからプラシーボ効果を発揮できるとは限らない。
プラシーボ効果は、ノーシーボ効果に繋がる可能性も秘めた要素も多い為、今まで述べてきた小手先芸を、いかに流暢に、意識せずに、天然でやってのけれるかといった「センス」を有していて初めて可能になると思われる。
お笑い芸人の世界では「ウケを狙った話術」には理屈が存在しているようだ。
しかし重要なのは、
「その理屈を知っているか」ではなく
「これらの理屈を天然でこなしてしまうだけのセンス」ということになる。
そして、お笑い芸人の中でも、そのセンスを持っている人が成功できるのだと思われる。
したがって、上記の内容は「真似したら成功するかもしれませんよ」という意味合いは少ない。
※開業する人に対してのプラシーボ効果を絡めたアドバイスなどと冒頭では表現したが、実際問題として分かったからと言って出来るとは思っていない。
※っというか、よっぽどのサイコパス気質でなければ、実践する以前にクライアントへの罪悪感が働くのが普通である。
※しかし、成功者の中には明らかにサイコパス気質を持つドライな人々も存在しているとされ、アメリカにおける企業のCEO(最高責任者)にも多くのサイコパス気質の人物が含まれているとの報告もある。
関連記事⇒『サイコパスに注意せよ!!』
では、この文章にはどんな意味合いがあるかというと、「様々な整体院へ対峙する際に、センセーショナルな内容に踊らされないだけの情報リテラシーを養うきっかけ作り」という意味合いのほうが強いかもしれない。
※ただし重複するが、ブランディングは極一般的なありふれた行為であり、それを問題視しているわけではない。中にはこの「ありふれた行為」を悪用している人もいるという「当たり前のこと」を様々な角度から記載したに過ぎない。
何かの参考になればと思う。
成功するためには非情になることも時には大切
脱線話になるが、成功についてマーケティングという観点からもう少し考察していく。
私は働き始めてちょうど10年が経過するが、ちょうど私が就職した時代くらいから、ちらほらと開業する人達が増え、ある時期から急増したように思う。
そして、開業する人達がちらほらと増え出した10年前といえば、2年毎に改定される診療報酬に陰りが見え始めた頃と一致するのではないかと考えたりしている。
そして、一般大衆は『バンドワゴン効果』・『社会的証明』と言われるように多数派に流れる傾向にあるので、開業者の数がちらほらと増え始め一定以上を満たし、尚且つそれらの人がネットで情報を積極的に配信することで、「極少数派」という印象が和らぎ開業への(精神的な)敷居を低くしたことが、「ある時期から急増した」ことの理由ではないかと思ったりしている。
そして、マーケティングとして「病院を辞めたい、開業したい」と思っている人をビジネス対象とするのであれば、10年くらい前に「病院で働くことへの警鐘を鳴らし、開業へ導くような先導者」に君臨することができていたとするならば、その人達は非常に儲かったということになる。
※一方で、今となっては開業を推進する先導者は溢れかえっており、(いくら開業へのニーズが増えているとはいえ)一定のパイの取り合いになってしまっている。
そして、その当時も先導者なる人物は何人か存在していた。
※今現在、開業を推進しているような名うての組織であっても、ある程度知名度が上がるまでは彼らとのコラボによって頭角を現していったケースも多い印象を受ける。
「病院の理学療法士・作業療法士は自由診療で勝負してないので井の中の蛙である。」
「荒波にもまれておらず、免疫がない為、外の世界に出ればすぐに淘汰されるであろう」
「セミナーに参加して、職場を辞めても開業出来るレベルの技術を身につけよう」
「そして、これからは病院などに縛られず、自分の力で道を切り開いていきましょう」
・・・などなど、彼らの言葉は非常にセンセーショナルだったような気がする。
そして、その様な情報発信をする少数の人達と、これらの言葉に感化されたその他大勢という図式が成立していたように思われる。
しかし今や、そんな戯言でセミナーを促す理学療法士・作業療法士など、腐るほど湧いて出る世の中になっている。
すると昔とははうって変わって、開業している人達のハシゴを外すような発言もチラホラ散見され始め、10年経った現在の彼らの主張は、必ずしも以前とは一貫していない印象をうける。
すなわち、到底同一人物が言っている主張とは思えない内容だということだ。
しかし、ビジネスとはこういうことであり、成功者の中にはこういう人達も混じっていることが多いのが現実だということは覚えておこう。
※もちろん、社会貢献と言う名の下で、しっかりとしたWin-Winを築き上げている人もいるが、こういう人たちも当然のごとく混じっているという事だ。
何事も風向きが重要であり、10年前に先導者達に感化されて、尚且つうだつが上がらずもがいている人々にとっては、昔師事していた先導者達の発言が耳に入ると、複雑な気持になるだろう。
しかし、その様な者達のことなど考えないというドライな精神こそが、真の成功者へと導くのだと思われる。
そして、これは開業しているセラピストにも、開業していないセラピストにも教訓を与えてくれる。
それは、
先導者の意見がコロコロと変わるのは当然だという点、
そして誰かに焚きつけられて始めようと思ったのであれば、その前に冷静に考えたほうが良いという点だ。
※まぁ、開業をするほどのバイタリティーを持っている人が、他人の意見だけで物事を考えるとは思えないが、念のためということで。
また、「意見がコロコロと変わる」という点で更に脱線話をするのであれば、「結果が出ている」というだけでその指導者の話を妄信して猿まねをするのは危険だという点も覚えておこう。
例えば、野球のバッターで結果を残したイチローは、数年前のテレビインタビューで以下の様な発言をしている。
「僕は毎年進化している。一年前のバッティングフォームをVTRで観ることがあるが、よくあんなフォームで記録が出せたよなと恥ずかしくなることがある。」
個人の考えが変わることは良くあり、それを「成長した」と表現することもあるかもしれない。
そして、個人レベルで考えが変わっていくことは何ら問題は無い。
しかし、その人物が多くの人達を束ねる指導者であるならば、話は少し変わってくるかもしれない。
猿まねをしている人たちからすると、指導者が昨年言っていたことが、今年になってガラッと変わることは由々しき問題となるからだ。
指導者の中には最先端の要素にすぐに飛びつくような移り気な人物もいるかもしれない。
従って私たちは、指導者の意見に振り回されるのではなく自分自身で考え、
指導者自身にすらもメタ認知を働かせ、
時には指導者が思っている理屈とは異なるカラクリが作用機序には含まれているのではないかと疑ってみることすらも大切なことがあるのかもしれない。
もしイチローの指導のもとで(自身で思考することを忘れて)バッティングフォームを忠実に猿真似していたとするならば、一年後にはイチローから以下のように言われると思われる。
「そんな奇妙なバッティングフォームで打てるわけないでしょ。今すぐ辞めたほうが良いと思うよ。見ているこっちが恥ずかしい」
話を開業に戻した上での脱線話として、
理学療法士・作業療法士が職場を辞めたくなって開業するということは、職場に勤務をしていたころより自由度が増すことになるわけだが、裏を返せばクライアントの要望次第では自分の主義主張を柔軟に変えていく必要も出てくるかもしれない。
また、「自分をいかに、うまく見せるか」「どれだけ効率的かつ最大限にプラシーボ効果を上乗せできるか」「どれだけマーケティングスキルを身につけることができるか」などにも興味を持てた方が成功し易いのは言うまでもなく、これらの要素にあまり興味が持てないならそれだけ成功へ導くための持ち球が少ないということになる。
もちろん、「実力があればマーケティングは不要!口コミでいくらでもクライアントは集まってくる」というのも一つの真理だと思われる。
しかし一方で、必ずしもその理屈が市場では通用していないという側面もあるようだ。
例えば2回の施術でクライアントを治してしまったり、
「特に治してほしいところは無いけど腰を揉んでくれないか?」などの依頼を自身の信念に従って門前払いしてしまうセラピストよりも、
ズルズルと施術を延長し、和気あいあいと楽しく慰安的なアプローチをエンドレスに行う整体院のほうが流行ったりするようなこともあるようだ。
この様に市場原理は興味深く、奥深く、だからこそ挑戦のしがいのある分野とも言えるのかもしれない。
したがって、「理学療法士・作業療法士は職場を辞めたいなら起業(開業)もあり」なのかもしれない。
理学療法士・作業療法士は辞めたいなら起業(開業)もあり?
最近、理学療法士・作業療法士の起業(整体について書いているので、この記事では開業と表現も併用しています)についてのネット上で賛否が白熱している場面を見かけたため、私も便乗して記事にしてみようと思う。
※特に何らかのメッセージ性を持った記事ではないので、一個人の考えとしてサクッと呼んで頂きたい。
理学療法士・作業療法士の整体院開業について、私は中立的なスタンスだ。
※開業について以下のように、いつくかの記事を好き勝手に作ったことがあるが、基本的には中立だ。
⇒『理学療法士・作業療法士の開業権は将来もムリ、メリットも無し!』
そして、職場を辞めて開業したいと思う人の気持ちも何となく分かる。
なので、開業するために辞めたいと思っている人達を非難する気は一切ないし、既に開業している人達を非難することも一切ない。
一度きりの人生だし、職場を辞めて開業したいという気持ちを押し殺して後悔するより、やってみてダメならそこで考えれば良いことだと思う。
そして、自分がチャレンジしたいと思うことに対して一歩踏み出す勇気の重要性は、開業に限らず、私たちの全ての行動に当てはまると感じる
関連記事⇒『理学療法士・作業療法士の努力が実る3つの条件とは?』
一方で、理学療法士協会が最近になって、整体院を開業している理学療法士について積極的に警鐘を鳴らすようになっている。
そして、これが最近ネット上で開業について賛否が白熱している理由でもあるわけだが、この様に警鐘を鳴らしたくなる協会の気持ちも分かる。
協会としては、政治力をつけて診療報酬・介護報酬に影響を及ぼしたいと思っているので「変な輩が、理学療法とはかけ離れた妙な事を始めて、理学療法に関する悪い評判が立ってしまうのは迷惑」と考えているのかもしれない。
※もちろん、「整体院を開業する理学療法士・作業療法士が増えた」という点が、どの程度政治力に影響を及ぼしているかと言われれば、ほとんど、あるいは全く影響がないと言えるほど微々たるもので、開業している人たちからすればお門違いと思う人も多いだろう。そして、それらの気持ちは分かったうえで、「開業」「協会が警鐘をならしている」という2点にフォーカスを当てて協会の立場でこの文章を作っているという点は理解してほしい。
以前は、開業する理学療法士・作業療法士と言えば、かなりの実力を持っており、なおかつ真っ当な内容を提供する人が多かったものの、開業する人たちは少数だったように思う。
※少なくとも私が働き出した10年前はそうだったように思う。
しかし最近は、安易に開業する人達も増えてきたため、(良い評判だけでなく)悪い評判も協会に届くようになったのかもしれない。
こんな発言をすると「病院内でも結果を出していない、大したことをしていない理学療法士・作業療法士はいるではないか?」といった声が、開業している人達から聞こえてきそうだが、あまりに理学療法・作業療法からかけ離れた内容は(雇われている身である以上は)出来ないので、協会にも妙な噂が立たないという側面があるのかもしれない。
つまり「妙なことでも何でも良いから結果が出せているかどうか」という視点より、
「妙な事をしてクレームが来たときのインパクト」というものに、重きを置いているのかもしれない。
例えば極論として、「痛みは手をかざすことによる気功で治せる」と信じている理学療法士・作業療法士がいたとしても、実際に職場ではやらないだろう。
プラシーボ効果によって改善する可能性もありますが、万が一効果が出せずに病院へクレームを言われた際の破壊力が並大抵ではないのだ。
院長に「おまえ手かざししただけで患者を帰らせたらしいな!」と言われても、「結果が出せず、なおかつ奇妙すぎるアプローチ」となっている以上は、言い逃れができない。
あるいは、患者からクレームを受けたことで上司(や院長や経営者)に呼び出され、結果が出なかったことを詫びる際、以下のどちらの印象が悪いかという事だ。
①「すみません。一生懸命に筋トレを指導したのですが、結果を出せませんでした。」
②「すみません。一生懸命に祈りをささげてみたのですが、結果を出せませんでした。」
「結果が出せてない」という点においては全く同じにもかかわらず、何故か後者の方が、インパクトが強いのだ。
※なぜこうもインパクトが違うのか考えてみるのも面白いかもしれない。
そして、開業するということは、自由度が増すわけで、自分が信じることは(手かざしで治そうが何をしようが)自己責任という名のもと、何をやっても良いということになる。
ただし、その治療による風評被害が「理学療法士・作業療法士」を標榜していることにより、「クライアントを改善できなかった場合」に、インパクトの非常に強い悪い噂として協会に入ってくるのだと思う。
例えば10人中9人を、気功とエネルギーをハイブリッド「手かざし治療」で改善させたとする。
一方で、「筋トレ」で改善できたのは10人中3人であったとする。
断然「手かざし」のほうが結果を出せているという事になる。
しかし、「手かざし」で改善されなかった1人、「筋トレ」で改善されなかった7人のち、強烈なインパクトを持つクレームに結びつきやすいのは、恐らく前者なのだと思われる。
したがって、「○○整体院」という看板で理学療法士・作業療法士を標榜しないのはもちろんのこと、サイトのプロフィールなどで自身が理学療法士・作業療法士であることを明かすのも(法律的にアウトかセーフかは関係なく)控えたうえで、自己責任のもとで勝手に整体をやってほしいというのが協会の本音だと思われる。
※もちろん開業している人達にしてみれば、せっかく国家試験に合格して得た資格ではあるし、整体などの誰でも出来る職業の中で優位性を持たせる一つのツールとして活用したいというのは当然の気持ちだろうとも思いうが、この点で協会とは相容れないという事になる(私はこの記事で、どちらが良い・悪いなどと言うつもりはない)。
開業している人達も協会も「理学療法士・作業療法士は政治力をつけれていない」という問題認識の点では全く同じだと思われる。
ただし、前者は「だから好きにやらせてもらう」、後者は(政治力をつけるためにも)「好き勝手しないでほしい」と両極端な意見が出てしまい、双方は相いれることは無いだろう。
そして、開業している人達に理解してほしいのは、協会の目標の一つである「政治への発言力を強める」という意味で、開業している人達を弊害とみなしていないのであれば、グレーゾーンで整体をしている人達にわざわざ警鐘を鳴らしたりはしないのではないかなぁと思ったりする。
例えば、一昔前まで協会は開業している理学療法士・作業療法士に対して静観を決め込んでいた。
確かに、開業している人達が掲示板やブログの書き込みレベルで袋叩きになることは以前からあったが、協会自体が公の立場として警鐘を鳴らすことは(私の知る10年間では恐らく)無かった。
※もちろん大前提として理学療法士・作業療法士として開業はダメだというのは法律で定められており、更には整体という名であっても開業は控えてほしいという思いはあったのだろうが、それをあえて発言したりはしなかったということだ。
では、なぜ最近になって警鐘を鳴らし始めたのか?
その理由の一つには、やはり、開業している人達の「インパクトのある」悪い噂が協会に耳に入ってきて苦労しているのだと思われる。
そして、協会がこの数年で政治力を高めようと思えば思うほど、これらの噂は弊害となってくるため、警鐘を鳴らし始めたと言えるのではないだろうか?
※何度も言うが「整体で開業しているということが、果たしてどれほど政治力に影響を及ぼしているのか」といった「そもそも論」は分かったうえで、あえて「開業」というテーマなため関連付けているに過ぎない。
もちろん、政治力をつけるためには「住み分け」という概念も必要であり、「開業権」なるワードに敏感に反応する医師会などへの配慮の気持ちもあるのかもしれない。
※開業権を持つ柔道整復師と医師会の対立をイメージすれば分かり易いと思う。
マッサージに関しての警鐘も同じであり、この警鐘も暗に「理学療法士が整体院を開業して、按摩マッサージ師の業務独占であるはずのマッサージに終始しているという噂」が流れてしまい、それが協会の政治力低下に繋がることを危惧しているのかもしれない。
関連記事⇒ 『HP:日本において理学療法士がマッサージを用いても良いのか?』
それでは、「自身の将来を危惧して開業している人達が、自分達の思いを押し殺して待っていれば、協会が診療報酬・介護報酬などに影響力を持つことができるのか?」と聞かれると、個人的には難しいのではないかと思っている。
まず、時代の流れとして理学療法・作業療法のみならず、医療・介護業界が政治力云々の前に、報酬が削られる方向に向いているからだ。
更にもう一つの理由を挙げるとするならば、それはタイミングが遅すぎたということだと思う。
私は、協会は政治力を持つために精力的に活動してくれていると思っている。
中には、「協会が何もしてくれないから政治力がいつまで経っても低いのだ」という人がいるが、
百歩譲って肯定するとしても、それは「過去の協会が何もしていなかったから」といった表現が適切だと思う。
そう思えるくらい、半田会長になってから協会は精力的に動いてくれていると思う。
だたし、残念なのは先人たちが胡坐をかき過ぎていたため、「時すでに遅し」であっただけだと思われる。
何事も努力をするにはタイミングというのも重要となり、それを逃がしての努力は、実を結びにくいということもあるというのが私の見解だ。
これらのことから、私は整体院を開業している理学療法士・作業療法士の気持ちも分かるし、協会の気持ちも分かるといった点から中立の立場である。
そして、自分が思うような人生を送るにあたって開業している人たちが、わざわざ就職している他の理学療法士・作業療法士のことを気にする必要は無いと思う。
自分の人生は、あくまで自分のものであり、何人にもとやかく言われる筋合いは無いという事だ。
ただし、私が病院で働いている以上、開業している理学療法士・作業療法士に「インパクトの強い」悪評が立たたず、無事に整体院の開業が成功してほしいと祈らずにはいられない点は理解してほしい(まぁ、余計なお世話だろうが・・・)。
次回へ続く
今回は、おすすめ書籍として『スタンフォードのストレスを力に変える教科書』を紹介して終わりにしようと思う。
一般書でありながら、科学的な根拠もベースにしつつ、分かりやすく書かれてある良書だと思う。
図書館においてある確率も高いので、立ち読みでも何でも良いので是非手に取って頂ければと思う。
この本は「ストレスによる弊害を考察することも重要だが、ストレスが悪だとする信念による弊害も同等に重要だ」という点から出発し、私たちの気持ちの持ちよう(信念)がいかに心身へ良くも悪くも作用を及ぼしてしまうかが書かれている。
この考えはプラシーボ効果・ノーシーボ効果とも通じる部分であり(現に偽薬などにも多少言及されています)、今回のプラシーボシリーズとも絡めて読んでいただければ、多くの発見があるかもしれない。
例えばあなたが大好きなパワースポットが山の奥にあるとする。
そこは不思議な力があって、あなたの煩悩や疲れなどが一気に吹き飛んでしまうような場所だとする。
なぜその様な効果があるかは科学的に証明できる点もあるだろうし、現時点では証明されていない神秘的・崇高的な要素も含まれているかもしれない。
しかし、それらと同じくらい大切な要素は「その場所へ行ったら自分は元気になれるのだ」というあなたの気持ちだということだ。
その場所を拠り所とする強い気持ちが、本来持っているパワースポットの作用を一段と高め、あなたを幸せに導いてくれているのだということだ。
この書籍にプラシーボ効果における興味深い記事が記載されていたので引用しておく。
医師や科学者達は長い間、プラセボ効果を得るためには、相手を騙す必要があると思っていました。
つまり偽薬の効果が現れるのは、患者が本物の薬だと思って服用した場合に限られると考えていたのです。
ところが後に、偽薬の効果が表れるのは、患者が騙されるからではないことが判明しました。
患者が偽薬としって服用した場合でも、効果は現れたのです。
非盲検(臨床試験を行う際に、参加者がどの治療群に割り振られたかを、医師や参加者らが承知している試験法)のプラセボ試験では、パッケージにははっきりと「プラセボ」と書かれた薬が患者に渡されます。
成分一覧表はきわめて短く、微結晶セルロース(=糖分)のみ。医師は患者に対して、これは偽薬であり有効成分は入っていないことを説明します。
けれども医師は次のような説明を付け加えます。
「あなたの心と体には、さまざまな自然治癒力が備わっています。プラセボは自然治癒力を起こす引き金になるんです。ですからぜひ、きちんと飲んでください」
すると驚いたことに、「プラセボ」だと承知して飲んだ薬によって、患者たちの片頭痛や過敏性腸症候群や、うつ病などの症状が寛解してしまったのです。
その効果は、実際に最善の治療を施した場合と比べても引けを取らないほどでした。
患者にプラセボ効果のトリックの仕組みを説明し、あえて引っ掛かってもらった場合でも、プラセボ効果の威力は減らないどころか、かえって高まります。
「理学・作業療法士は辞めたいなら開業もあり?」の続きはこちら
この記事は「プラシーボ効果」として、シリーズで掲載しており、続きの記事は以下になる。
理学療法士(作業療法士)自身の将来性や未来のために
※プラシーボ効果シリーズは「別ブログで過去に連載していた記事」を移行したものであり、全7記事で構成されており、残りの記事で最後となる。
※7記事は『プラセボ効果のまとめ一覧』にまとめているので、記事一覧はこちらを参照してほしい。