行動経済学には以下の様な研究がある。

 

行動したことによる後悔と、行動しなかったことによる後悔はどちらが大きいか?

 

で、この研究における結論は以下の通り。

 

行動しなかったことによる後悔の方が大きい

 

つまり、上記の結論から「行動しようかどうか迷った際は、(後々になって後悔したくないのであれば)行動しておいたほうが良い」ということになる。

 

これが『行動・非行動の法則(迷った時は行動したほうが良いという法則)』である。

 

例えば、滅多に手に入らない稀少品が、オークションで高額出品されていた際に、以下のどちらを選択するか?

 

  1. 高額だが、これを逃したら手に入らない可能性があるため、無理してでも落札する。
  2. 欲しくてたまらないが高額なため、安く再出品される可能性に期待する。

 

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研究結果と、その解釈

 

①と②どちらの後悔が大きいかという研究の結果、①を選択した人は短期的に後悔することが分かっている。

 

これは「稀少品を手に入れるために多額を出費してしまった事に対する後悔」である。

※損失は同額の利得より強く評価されてしまうという『損失回避性』が働くため、そのように感じるのである。

しかし、その稀少品を使用し始めると、購入金額以上の価値を見出し、愛着もわいてくる。

でもって、やがて買った事に対する後悔が薄れてくる。

※これは、所有したものに大きな価値を感じる『保有効果』が働くからだとされている。

※もちろん「自分の選択は間違っていない」と思い込みたいがために「認知的不協和の解消」を必然的に試みていることも影響していると思われる。

 

こういった気持の変化から、人は無理して購入したことに対し「短期的には後悔し、長期的には満足度がアップする」という傾向があるらしい。

 

皆さんも、この例えに類似した経験をしたことがあるなら理解してもらえると思うが、どうだろうか??

 

 

一方、②を選んだにもかかわらず他者に落札されてしまった場合は、やがて「あのとき、無理してでも稀少品を買っておけばよかった」という気持ちが芽生え、長期間にわたって後悔が続くことが分かっている。

 

コーネル大学心理学教授のトム・ギロビッチ博士は、この現象を「行動した後悔より、しなかった後悔のほうが深く残る」と表現している。

 

 

個人的にも「行動・非行動の原則」は納得できる

 

個人的には、「行動・非行動の原則」を体験することは多い。

 

私は「石橋を叩いて渡るタイプ」の人間だと思う。

 

しかし一方で、躊躇して「あの時、○○しておけばよかった(多くは物欲を満たせなかったことによる後悔が多い)」というのを10代・20代前半で多く経験し、感覚的に「行動・非行動の原則」を理解していたように思う。

 

なので、「私の本質(慎重な性格)は置いておいて、とりあえず失敗しても良いから行動してみよう」というのが基本スタンスになる(後悔は少ないに越したことは無いので)。

 

だから、(慎重な性格なはずなのに)ここぞという時には果敢に投資もするし、ブログや講習会への参加(既に開催されておらず、あの時躊躇せずに参加しておいてよかったという講習会も存在する)などなど「迷った時には、とりあえず行動してみる」というのがポリシーになっている。

 

で、今のところ何一つ後悔のない人生を歩んでいると感じることが出来ている。

 

ちなみに、私はビットコインを含めた仮想通貨はリスクが高いため、(話題性があるからといって)積極的には関わりたくないというスタンスだ。

 

※リスクとは「不透明感がどの程度か」を指し、「危険かどうか」という意味ではない。

⇒『リスクの意味知ってる? 週末開業(起業)は理学療法士/作業療法士の副業と成り得るか?!

 

 

ただし、だからといって仮想通貨への興味はゼロではない。

っとなると『行動・非行動の原則』に則っておいたほうが、自分のためになると思って投資した(っというのは大げさで、唾をつけた程度の話だが)という経緯がある。

⇒『今話題の「ビットコイン」って儲かるの? 仮想通貨を徹底解説! 将来性も大予想! リップルの運用報告も

 

 

度が過ぎないように注意することも大切

 

世の中には色んな人がいる。

 

で、ガンガン行動するタイプの人も存在し、そういう人が必ずしも成功を収めていたり、人生に悔いを残していないかと言えば、そんなことは全くない。

 

「行動・非行動の法則」は行動経済学における一つの考え方として覚えておいて損は無いと思うが、だからといって熟考を否定するものではない。

 

また、行動した結果全てが成功するわけではなく「失敗した経験」を分析し、二の轍は踏まないという学習を繰り返すことで「行動が成功に結びつく確度を高めていく」という行為が必須である(何でもかんでも挑戦し続けるだけであは、当たるも八卦当たらぬも八卦たな単なる運任せであり、そもそも手当たり次第に何も考えずに本能の赴くままに挑戦し続けるほどほどの暇人は、いないだろう)。

 

個人的な失敗談としては、アベノミクスの株価上昇で高収益を上げた(資産が5倍になった)で調子に乗りすぎて「トヨタ株」を大量に買いまくって1年間塩漬け状態(基本的に損切りはしない)になり「他の銘柄が買いたいのに買えない」というジレンマを抱えたことがある。

 

1年間、安易に行動したことを後悔した。

 

1年間、塩漬けになってしまった期間中、常に後悔し続けた。

 

ただ、この「1年間の後悔」はその後の株式投資において大きな糧になっているし、現在のパフォーマンスも、この1年があったからこそ達成できているのだと感じる。

なので、この際に「トヨタ株を買って失敗した」という行動も後悔はしていない。

 

ただし、勇み足になってしまった結果、大損をしてしまう事もあるので、この点だけは注意してほしい。

 

もちろん時間が有限である以上、挑戦することを「自身の相性」とも照らし合わせて選別していく能力も重要なのは言うまでもない(何でもかんでも挑戦していては、その時期に味わえた幸福を損ねてしまうことにもなりかねない)。

 

関連記事⇒『理学療法士・作業療法士がするべき正しい方向での努力とは!(あなたは 魔道士 or 武道家?)

 

 

リスキーでないことは、果敢に挑戦しよう

 

株式投資を例にしたが、これは一般的では無いかもしれない。

 

で、もっと一般的な「行動しようかどうか迷っているもの」のほとんどは、そんなにリスキーなものは存在しないと思う。

 

一期一会と言う言葉が存在するように、行動を起こさなければ、全てにおいてスタート地点に立つことは出来ない。

 

もし現在、あなたが行動しようか迷っているものがあるとすれば、ぜひ挑戦してみてほしい(そんなにリスキーなものは存在しないと思うので)。

 

※もし、他人より早くに取り組んだ場合「先行利益を享受できる分野」もあったりする(ブログなんかも、その類かもしれない)。

 

それで成功すれば儲けものだし、一度きりの人生において「やらずに後悔する」と言うのは非常にもったいないことである。