リハビリ(理学療法・作業療法)のトレーニング(エクササイズ)でも活用されやすい『バランスボール』について記載していく。

 

バランスボールのトレーニング対象

 

バランスボールのトレーニング対象は以下の様に多岐にわたる

  • 中高年齢者
  • 妊婦
  • 小児
  • 成長期の子供
  • アスリート
  • 女性のシェイプアップ

 

そんな中で、ここでは病院施設でも対象となることが多い「高齢者を対象としたリハビリテーション対象疾患」におけるボールトレーニングに関して記載していく。

 

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バランスボールを用いたトレーニングの目的

 

バランスボールは以下の目的でリハビリ(理学療法・作業療法)に活用される。

  • ストレッチング
  • 筋力増強
  • バランス能力向上

 

特に高齢者ではバランス能力向上を図るための簡便なトレーニングツールとして活用されることが多い。

 

 

バランスボールの特徴

 

バランスボールは以下の様な特徴を有しており、ボールの形状・大きさ・空気圧などで、これらの特徴を対象者に合わせて変化させることも出来る。

 

支える

 

  • 安定性
  • 重心の安定
  • 姿勢保持金のリラクゼーション
  • 下肢への過重負荷軽減

 

 

弾む・転がる

 

  • 不安定性
  • 重心の変化
  • スタビリティーとモビリティーを引き出す
  • 姿勢保持筋の活動向上
  • 神経・筋協調正反応の向上
  • 姿勢反射の誘発
  • 固有感覚へのアプローチ

 

 

バランスボールは様々に応用可能なツールであり、以下の動画の様に、術後の低負荷で固有受容器への刺激を意識したCKC(っぽい)でのトレーニングから、比較的負荷が強い(っというか健常者やアスリート向きで)スタビリティーとモビリティーを同時に獲得するようなトレーニングから幅広く対応可能である。

関連記事⇒『CKCとOKC(+違い)

 

 

 

バランスボールの大きさについて

 

高齢者のリハビリの用いられるボールサイズは以下が目安となる。

 

身長 ボールのサイズ(直径)
~150cm 45~55cm
150~170cm 55~65cm
170~180cm 65~75cm
180~cm 75~85cm

 

 

また、ボールの空気圧によってもボールの弾力性などが異ってくる。

 

一般的には8~9割程度の空気圧に調整したほうが良いとされるが、空気圧が高いほどバランスはとりにくくなるため、難易度を下げようと思えば更に空気圧を下げた状態から開始しても構わない。

 

特に高齢者は恐怖感を覚えると、以降のリハビリで活用しにくくなるため注意を要す。

 

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バランスボールトレーニングの実際

 

バランスボールトレーニングでは、前述した「支える・弾む・転がる」といった特性を、例えば以下の様に利用することができる。

 

  1. ストレッチング→転がる・支えるといった特性を利用
  2. 筋力増強→弾む・支えるといった特性を利用
  3. バランス能力向上→支える・転がるといった特性を利用

 

バランスボールの特性を上手く重複させながら、身体機能機能の向上・改善を目標にボールエクササイズを実施していく。

 

例えば、高齢者の「バランス能力向上」を目的とした単純なバランスボールの活用例は以下の様な感じである。

 

①ボール座位にて上肢側方挙上バランストレーニング

⇒ボール状に腰掛け、両上肢を外転90°位まで挙上した状態で、座位を保持する。

 

 

②ボール座位にて上肢側方挙上・下肢挙上バランストレーニング

⇒①の状態で、一側下肢の膝を伸展(+床と下肢が並行となるよう程度に挙上)した状態を保持する。

 

 

③ボール座位にて、骨盤を前傾・後傾方向へ可動させるトレーニング

⇒後述する「腰痛治療にバランスボール?」で記載

 

※背筋は伸ばした状態で実施する(猫背にならないようにエロンゲーションを意識)。

 

※セラピストは後方からゆっくりとバランスボールを前後に操作することで、骨盤の前後傾を誘導させたり、リラクゼーションを図ることができる。

 

※一方で、セラピストが素早く前後方向へバランスボールを揺らすことで、注意を喚起し、多くの姿勢制御機構を賦活させることができる。

 

 

バランスボールは腰痛改善や腰痛予防にも使えるの?

 

バランスボールは腰痛改善や腰痛予防を目的にも使用できる。

 

ただし、腰痛改善を目的にする場合は、腰痛を悪化させないよう注意しながら実施する必要がある。

 

例えば、骨盤前・後傾運動は腰痛との因果関係が指摘されている『体幹のインナーマッスル(多裂筋や腹横筋など』の賦活に寄与する運動だが、バランスボールを使用すれば以下の様なトレーニングも可能となる。

 

(少しハイレベルすぎるが、骨盤前・後傾をイメージしやすいのではないだろうか?)

 

 

上記動画は、骨盤側方傾斜なども含まれており、腰方形筋などを含めた腰部周囲の様々な筋群が賦活・リラクゼーション(収縮後弛緩という意味で)がなされている可能性があるのでおススメである。

 

体幹インナーマッスルと腰痛の因果関係は以下の記事も参考にしてみてほしい。

⇒『腰痛が及ぼす多裂筋への影響

⇒『腰痛と腹横筋の因果関係

 

 

スイスボールの理論と実技・基礎から応用まで

 

バランスボールをリハビリに応用するうえで参考になる書籍は「スイスボール 理論と実技・基礎から応用まで」である。

 

 

クラインフォーゲルバッハ( Klein-Vogelbach)の運動学を取り入れながらのバランスボールを用いたリハビリが豊富に紹介されている。

 

この書籍により多くのインスピレーションを受けることが可能であるが、訳本であることもあってか、やや読みにくい印象を受ける個所も多いと個人的には感じている。

 

なので、興味がある方は、まずは医学書店などで是非中身を確認してみてほしい。

 

読んだことは無いが、以下の書籍もクラインフォーゲルバッハ( Klein-Vogelbach)の書籍であり、バランスボールエクササイズを取り扱っているので参考になるかもしれない。

 

 

バランスボールの購入

 

バランスボールはホームセンターなど様々な場所で売られている。

 

ここでは、バランスボールの一例として、アマゾンで評価が高かったバランスボールを掲載しておく。

 

ホワイトカラーが人気なようだが、病院・施設で活用するとなると汚れが目立つ可能性も否めない点は注意が必要。

 

※当院のバランスボールはブルーである。

 

あくまでバランスボールの一例なので、これ以外にもチェックしてみてほしい。

 

特に、バランスボールのサイズは重要なためネットで購入する際は、サイズ確認を忘れないようにしなければならない。

 

 

理学療法士・作業療法士もバランスボールでエクササイズしてみよう

 

クライアントにバランスボールを活用するにあたって、自身でもバランスボールによるエクササイズを体験しておくことは有意義である。

 

以下にバランスボールエクササイズのユーチューブ動画を発見したので、是非参考にしてみてほしい。

 

様々なエクササイズを実施しているので、何らかのインスピレーションを受けることが可能だと思われる。

 

 

 

バランストレーニング関連の記事

 

最後に、バランストレーニング関連の記事を紹介して終わりにする。

 

動画で理解!バランスボールエクササイズの応用編

 

ここで、バランスボールエクササイズとして、やや難易度が高いエクササイズを掲載している。

職場で直接活用できるエクササイズは少ないかもしれないが、何らかのインスピレーションを感じてもらえれば幸いだ。

 

 

インナーマッスル(コアマッスル)の段階的トレーニングとは?

 

バランスボールはインナーマッスル(コアマッスル)をトレーニングするのに有効であるが、そんなインナーマッスル(コアマッスル)に関しては、以下で詳細に記載しいるので、これらの筋群に興味がある方はこちらを参考にしてもらいたい。

 

 

知らなきゃ損!高齢者の転倒予防に大切なバランス評価まとめ

 

高齢者のリハビリ(理学療法・作業法)に携わっている方で、高齢者の転倒リスクやバランス評価を知りたい方はこちらを参照。