この記事では、鼠径部にある「筋裂孔」「血管裂孔」について記載していく。

 

血管裂孔・筋裂孔を通過する筋・神経・動脈は国家試験にも出題されやすいので、ぜひ整理してみてほしい。

 

目次

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血管裂孔・筋裂孔とは

 

血管裂孔・筋裂孔は、以下を指す。

 

鼠経靭帯と寛骨で形成される間隙が腸恥筋膜弓によって分割された空間のこと。

(腸恥筋膜弓によって分割された)「外側の空間を筋裂孔(scular spac)」・「内側の空間を血管裂孔(muscular spac)」とよぶ。

 

血管裂孔・筋裂孔を通過するのは?

 

具体的には以下になる。

 

筋裂孔を通過するもの

  • 腸腰筋(大腰筋と腸骨筋)
  • 大腿神経

 

血管裂孔を通過するもの

  • 大腿動脈
  • 大腿静脈
  • 大腿管
  • 陰部大腿神経の大腿枝

 

大腿管とは:

大腿管は、血管裂孔の内側部(大腿輪)から伏在裂孔(大腿筋膜の欠損部)までのトンネルのことを指す。ここに鼠径リンパ節があり、リンパ管が通過する

 

大腿ヘルニア:

血管裂孔の内側から腸の一部が飛び出すことを「大腿ヘルニア」とよぶ。

 

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鼠経靭帯、縫工筋の内側縁、長内転筋が囲む領域をスカルパ三角(大腿三角)といい、ここには内側から順に大腿静脈、大腿動脈、大腿神経が走行している。

 

⇒『スカルパ三角(大腿三角)とは? 「構成・通るモノ・触診方法」も解説するよ