この記事では、膝関節は「(蝶番関節の)らせん関節」なのか「顆状関節」なのかについて記載いていく。
結論:「膝関節は、らせん関節」で国家試験はOK
膝関節は「らせん関節」である。
これが、国家試験における解答となる。
しかし一方で、文献によっては「膝関節(脛骨大腿関節)」は顆状関節と記載されているものものある。
重複するが、どっちが正しかは臨床に出てしまえば関係ないので、
まずは「膝関節は、らせん関節」と覚えよう。
しかし、これだけでは記事が終わってしまうので余談も付け加えておく。
らせん関節と蝶番関節(+違い)
らせん関節と蝶番関節は、ともに1軸性関節だが、以下のように違いがある。
蝶番関節とは:
身体では指節間関節があげられる関節軸が骨の長軸とほぼ直行しており、「ドアの蝶番」に例えられることもある。
らせん関節とは:
蝶番関節に類似しているが、関節軸と骨の長軸が直行しておらず斜めのため運動がらせん状となる。肘(腕尺)、膝、足(距腿)関節、いずれも関節は直線状ではなく角度を有している。
蝶番関節、らせん関節の分類は以下の通り。
蝶番関節 | らせん関節 |
---|---|
指節間関節 趾節間関節 |
脛骨大腿関節 距腿関節 腕尺関節 |
膝関節は顆状関節である
「膝関節は顆状関節である」と記載されている文献もあり、例えば以下など。
⇒「膝関節は二重顆状関節である」と記載
「膝関節は双顆関節である」と記載
あるいは、以下は「らせん関節・顆状関節、どちらの意見もある」と記載されている。
・図解 理学療法技術ガイド―理学療法臨床の場で必ず役立つ実践のすべて
・国試の達人 PT・OTシリーズ 2019~運動解剖生理学編~第24版
・ウィキペディア
以下の意見も念のため。
大腿骨下端と脛骨上端および膝蓋骨で構成される関節のことで、解剖学では蝶番関節に分類されるが、回旋運動も含むため運動学的にはラセン関節に分類される。
~『運動療法学 ゴールド・マスター・テキスト』より~
問題
余談として『リハビリテーション医学Q&A』より問題を引用して終わりにする。
質問:
関節構造による分類で正しい組み合わせはどれか。2つ選べ。
① 鞍関節第一手根中手関節
② 車軸関節一上檮尺関節
③ 蝶番関節一顎関節
④ 平面関節一距腿関節
⑤ らせん関節一肩鎖関節
答え:
1・2
解説:
顎関節は顆状関節・距腿関節はらせん関節・肩鎖関節は平面関節
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この記事でも「楕円関節(顆状関節)」に関しては、以下の記事でも解説している。
また、以下の記事では全ての関節形状について解説しているので合わせて観覧すると理解が深まると思う。