この記事では、各関節における凹凸の形状について記載していく。

 

凹凸の形状を理解していると、関節副運動の評価・治療(関節モビライゼーション)にも応用できるので、ザックリとで良いので頭に入れておいてほしい。

 

ちなみに、もう少しザックリとした一覧は「(サイト)凹凸の法則について」でも記載しているのだが、この記事では「日本理学療法士協会徒手療法部門」の資料を参考に、もう少し細かい点まで掘り下げて記載していく。

 

 

各関節における凹凸の形状

 

各関節における凹凸の形状は以下の通り。

 

関節 形状
環椎後頭関節(0/C1) 後頭骨凸 ⇔ 環椎上関節窩凹
環軸関節(C1/2)外側 環椎下関節窩凹/凸 ⇔ 軸椎上関節窩凸
環軸関節(C1/2)正中 環椎歯突起窩凹 ⇔ 軸椎前関節面凸
下部頸椎椎間関節(C3-T2) 上関節面凸  ⇔ 下関節面凹
胸椎椎間関節 上関節面凸  ⇔ 下関節面凹
腰椎椎間関節 上関節面凹 ⇔ 下関節面凸
仙椎椎間関節(一部靭帯結合) 仙骨耳状面凹 ⇔ 腸骨耳状面凸
肩甲上腕関節 肩甲骨関節窩凹 ⇔ 上腕骨頭凸
胸鎖関節(鞍関節)

挙上・下制  : 鎖骨凹⇔胸骨凸

前方突出・後退: 鎖骨凸⇔胸骨凹

肩鎖関節 肩峰凹 ⇔ 鎖骨凸
腕尺関節

上腕骨滑車凸 ⇔ 滑車切痕凹

腕橈関節 上腕骨小頭凸 ⇔ 橈骨頭凹
上(近位)橈尺関節 橈骨頭関節環状面凸 ⇔ 尺骨橈骨切痕凹
下(近位)橈尺関節 橈骨尺骨切痕凹 ⇔ 尺骨頭関節環状面凸
橈骨手根関節 橈骨凹 ⇔ 近位手根列凸

手根中央関節

(掌屈・背屈・橈屈・尺屈)

舟状骨凸 ⇔ 大・小菱形骨凹

舟状・月状・三角骨凹 ⇔ 有頭・有鈎骨凸

母指手根中手関節(鞍関節)

 

橈側外転・尺側内転: 大菱形骨凸 ⇔ 第1中手骨凹

背側外転・掌側内転: 大菱形骨凹 ⇔ 第1中手骨凸

第2-5手根中手関節 手根骨凸 ⇔ 中平骨底凹
中手指節関節 中手骨頭凸 ⇔ 基節骨凹
指節間関節

近位指節骨頭凸 ⇔ 遠位指節骨底凹

股関節 寛骨臼凹 ⇔ 大腿骨頭凸
脛骨大腿関節 大腿骨凸 ⇔ 脛骨凹
膝蓋大腿関節 膝蓋骨凸 ⇔ 大腿骨凹
近位脛腓関節 脛骨の腓骨関節面凸 ⇔ 腓骨頭関節面凹
遠位脛腓靭帯結合 脛骨の腓骨切痕凹 ⇔ 腓骨下端凸
距腿関節

背屈・底屈: 脛骨・腓骨凹 ⇔ 距骨凸

内転・外転: 脛骨・腓骨凸 ⇔ 距骨凹

距骨下関節

距骨: 後関節面凹 ⇔ 前・中関節面凸

踵骨: 後関節面凸 ⇔ 前・中関節面凹

距舟関節 距骨凸 ⇔ 舟状骨凹
踵立方関節(鞍関節)

背屈・底屈: 踵骨凹 ⇔ 立方骨凸

回内・回外: 踵骨凸 ⇔ 立方骨凹

楔舟関節(平面関節に近い) 舟状骨凸 ⇔ 内側・中間・外側楔状骨凹
足根中足関節 足根骨凸 ⇔ 中足骨底凹
中足趾節関節 中足骨頭凸 ⇔ 基節骨底凹
趾節間関節 近位趾節骨頭凸 ⇔ 遠位趾節骨底凹

 

 

関連記事

 

以下の記事では、もう少しザックリと「各関節の凹凸」についてまとめている。

 

補足として「凹凸の法則とは呼ばれているものの、必ずしも法則通りな運動が生じるわけではない点」にも言及しているので、興味がある方は参考にしてみてほしい。

 

⇒『凹凸の法則は間違いか?基礎を解説