国民の80%が、一生に一度は「腰の痛み」を経験すると言われている。

~参考:厚生労働省 平成 25 年国民生活基礎調査~

 

でもって、男性では発症する身体症状の第一位、女性では第二位に腰痛がランキングしている。

 

この記事は、そんな国民病でもある『腰痛』に関するまとめ記事である。

 

目次

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腰痛の種類

 

腰痛症の種類は大きく分けて以下の2つと言われている。

 

  • 特異的腰痛
  • 非特異的腰痛

 

特異的腰痛

 

腰痛症のうち、レントゲン写真やMRI 画像などで原因部位がはっきりしている腰痛を『特異的腰痛』と呼び具体的には以下などを指す。

 

 

・・・・・・など。

 

また、特異的腰痛では『レッドフラッグ』と呼ばれる緊急処置を要する腰痛(膀胱直腸障害が起こっているなど)も含まれる。

 

 

非特異的腰痛

 

 腰痛のうち、ぎっくり腰のように原因がはっきりしない腰痛を「非特異的腰痛」と呼ぶ。

 

ただし、前述した脊柱管狭窄症(脊柱管に狭窄が認められる腰痛)や椎間板ヘルニア(椎間板にヘルニアが認められる腰痛)であったとしても、理学療法によって改善が可能で、にも関わらず画像所見には変化が無い(脊柱管の狭窄やヘルニアの程度には変化が無い)ということも起こっている。

 

あるいは「画像所見で脊柱管狭窄やヘルニアが認められるにも関わらず無症状な人」が存在するといったように「画像所見と症状が一致しない」ということはよくある。

 

つまり、「一見、特異的腰痛だと思われるが、実は非特異的腰痛」というものが非常に多く潜んでいることを意味する。

 

これは、私たち理学療法士に以下のことを教えてくれる。

 

  • 病理(画像所見)は手術でないと介入できない。
  • しかし、機能を改善させることで腰痛は改善できる可能性がある。

 

 

腰痛予防に必要な生活習慣

 

ここでは腰痛予防に必要な生活習慣として以下について記載していく。

  • 姿勢に注意し腰痛予防
  • 動作に注意し腰痛予防

 

姿勢に注意し腰痛予防

 

仕事などで長時間同じ姿勢を続けると背骨にかかる力のバランスが崩れてしまう。

 

無意識のうちに筋力低下や猫背などが進み、体の柔軟性が失われ腰の痛み の原因を招く。

 

なので、良い姿勢を保つ意識を持ちつことは大切だ。

 

ただし、同一姿勢はよろしくないので、例えば座位姿勢であれば定期的に立ち上がったり、姿勢を少しずらしてみたりも大切となる。

 

立位姿勢について

 

座位姿勢について

 

 

動作に注意し腰痛予防

 

「職場における腰痛予防対策指針(厚生労働省)」によれば、重量物の取り扱いは台車やリフターなどの機材を使用すること等が定められている。

 

図のように、前かがみ姿勢での持ち上げ動作 や体をひねる動作も腰の痛み 発生の原因に なりますので、腰に負担のかからない動作方法を知ることが大切である。 

最低限の活動は続けよう

 

急性腰痛にて数日安静にするのは問題ないが、亜急性期以降の「安静」という行動は推奨レベルが低い(改善効果が低い)ことで知られている。

 

従って適度な活動は大切。痛み日記も活用しよう

 

 

⇒『痛み評価テストの種類・特徴+臨床活用法

 

⇒『生活不活発病の弊害を解説

 

 

リハビリ① 腰痛体操フローチャート

 

 

詳しくは以下も参考にしてみてほしい。

⇒『非特異的腰痛に対する腰痛体操まとめ(フローチャート付き)

 

リハビリ② 徒手療法のフローチャート

 

おまけとして、徒手療法のフローチャートを掲載しておく。

 

関連記事

⇒『徒手理学療法における評価・治療の一般的な流れ

 

上記を見てもらえばわかるように、一概に腰痛と言っても多種多様で、どんなタイプの腰痛かによって選択する徒手療法や運動療法も異なってくる。

 

ただし、このフローチャートが絶対的なものではないため、あくまでも「一言で腰痛と言っても様々な種類があるし、介入方法も評価によって見極めなければいけないのだな」という点が分かってもらえれば十分である。

 

ちなみに以下も、腰部のどこに機能障害が起こっているかによってアプローチ方法が異なるといった点を示している(あくまで一例)。

 

~画像引用:これだけは知っておきたい腰痛の病態とその理学療法アプローチ

 

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⇒『マッケンジーカテゴリー

⇒『マリガンカテゴリー

 

 

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